30.6.7 ニュースで相続で取得した不動産の登記をみんながサボっちゃうから、誰のものか分からない。もういっそ、相続登記を義務化しようか・・・の議論を見た。
相続が発生して初めて不動産を所有することになる人は多いよね。
親の持ち家を相続して初めて不動産所有となるのが一番多いパターンかしらん?税理士の私は、今までも何度も見てきたパターン。
だいたい、相続が発生して配偶者や親から相続するお金はないのに持ち家で相続税がかかるというパターンは結構多い。(場合によっては8割引きとなるけど!)
今回は、税理士という登記の素人から見た、ここがヘンだよ登記制度、を語ってみたいと思います。
1、相続登記の制度上の問題点
不動産を含めて、登記事項はプライバシーの問題があると思う。名前・住所・借り入れの経緯などがずっと残るから。
相続は、サラリーマンや年金受給の方など、事業主以外の一般の方にも発生する。当たり前だけど・・・
そうすると、好きで手に入れたわけではなくとも、不動産登記を行うことで住所が丸わかりになってしまう。
登記簿謄本を見ると、不動産の今の所有者・どういう経緯で入手したか・不動産についている抵当権(借金のカタ)などが分かってしまい、そしてこれは数百円出せば誰でも見ることが出来る!
不動産登記を閲覧し、登記情報からダイレクトメールを本人へ送ることは違法ではない。
誰でも見れるってところがちょっとね・・・
2、これがいい!登記情報
女性や有名人は自宅を公開したくない人はいるよね。
相続登記もだけど、商業登記も、名前はともかく住所は非公開にできないか?
登記情報は債権者保護という側面があるみたいだけど。お金を借りる場合には契約書を結ぶわけだから、登記簿謄本で不動産の持ち主や会社の代表者の身分証明書は確認しているでしょ?
不動産取引について、所有者が知らないところで誰もが自由に所有者の個人情報を見れるようにするというシステムは、今のプライバシー保護の感覚に寄り添っていないのではないか。
誰でも見れる登記情報では住所を公開せず、改めて登記情報で住所を確認したければ、閲覧する人の身分を名乗った場合等に限り見られるようにすべきではないか?
司法書士さんに言いつけたら、「あ~それ数年前に盛り上がってた。」で終わった。
3、おまけ。相続税申告 税理士あるある
普段、税理士と関わることのないサラリーマンや年金受給の方は、士業という存在が分かっていない(事業主でも分かっていない人いるけど)ので、税理士は意外と対応に苦労するところでもあるのよネ。
困ってしまうことは、戸籍の収集と登記!
(1)相続登記は自分で出来る?
士業に報酬を支払うのを嫌がる人は意外に多いので、相続でゲットした不動産について登記は自分でやる、という人も割といる。
税理士は登記をすることは出来ない、登記は司法書士の仕事なのです。と伝えると、「別料金かかるの?じゃあ自分でやるわ、インターネット見れば出来るから」と言う方もいる。
いいんですけども。
税理士は登記の素人だと再三伝えているのに、私に質問してこないで!
「登記ってどこでやるの」「何が必要なの」「ハンコってなに」「登記に費用がかかる(登録免許税)ってなぜ教えない」「戸籍謄本てなに」「死亡診断書は必要?」「てか、そもそも登記ってなに」「登記ってサボるとどうなるの(知らん)」には閉口したもんです。
税理士が提携司法書士に依頼すれば、相続登記は速攻終わるんですよ!報酬はだいたい1件5万円くらいと思われる。(難しさで追加料金らしい。税理士より儲かりそうで羨ましい)
(2)戸籍の収集は依頼すべし
「戸籍の取り方が分からない!教えろ!」「原戸籍の字が読めない!どうにかしろ!」には閉口したもんです。市町村に郵送依頼することが多いのだけれども、定額小為替の買い方や必要な金額や同封する書類や依頼する書類が分からない。
私だって分からなかったよ!戸籍は被相続人の出生までどんどん遡るのだから、どの市町村に依頼するのかは、お手元の書類を見ていないこっちは分からないのに逆切れしてこないで!
というわけで、私は独立してからは戸籍の収集もやりましたわ。自分でやるほうが早い。税理士は、相続税申告の依頼があれば職権で被相続人戸籍を取り寄せできるのです!(戸籍収集をやらない・追加料金とする税理士事務所も多い)