農業と社会保険 労災編

30.6 農業は不公平。今回は社会保険について農業経営アドバイザー研修で教わったことをまとめてみま~す。

農業の社会保険は例外規定が多くて、経営アドバイスの際には社会保険について一定の知識は必要であることが分かった。今回は労災について。

・労災について

1、農業の労災は10倍

農業は機械を使うことなどの理由から労災が他の業種と比較すると10倍あるそう。

うむむ・・・。田んぼで飼っている鴨に噛まれたり、畑でモグラの穴につまづいてヒザをすりむいたりと、農業は危険がいっぱいだからね。(違う)

私にはあまりピンときませんが、農機具の取扱いを伝えないことで大事故になることはよくあるらしく、外国人実習生などにも言葉の壁はあっても安全確認は絶対にやらなければならぬ!

トラクターでよく人が死ぬらしい・・・。まさかぁ・・・。そんなことがあってよい訳ないよぅ・・・

2、農業の労災3種

農業の労災は、3種類あって、好きなものから選んで大丈夫。保険料が高いほど補償も多い!

(1)指定農業機械作業従事者 0.3%

「これとこれの農業用器具を使った事故の時だけ支給」の格安プラン。ドローンも含まれたらしい。田んぼや畑が対象で、養蚕・畜産は除外だって。

トラクター・チェンソー・農業用ヘリコプター・動力カッターなど、13日の金曜日感が・・・。ジェイソンは労災加入していたのかしらん。心配。

(2)特定農作業従事者 0.9%

「これとこれの作業の事故の時だけ支給」の中規模以上の農家限定プラン。

2メートル以上の高さでの作業、サイロ・むろ等酸素欠乏危険場所での作業、農薬散布の作業、牛馬豚と接する作業など。

牛・馬・豚の作業はOKだけどニワトリは人を襲わないから除外ってちょっとおもしろい笑。

調教作業は対象外とのことなので、競走馬の調教中にもくれぐれもお気をつけ。なお、天皇賞(G1)をとったレインボーラインはゴール後に骨折してしまい心配しておりましたが、2018.6.6に競走馬登録を抹消し、引退した模様です。お疲れ様!がんばった!

農業は、傾斜地の農作業や水門管理・農作物倉庫設備・会話できない動物とのふれあいなど、危ない仕事も多いことが分かるね。

(3)中小事業者等 1.3%

「300人以下の労働者使用する中小事業者であればなんでも」の高級プラン。

3、暫定任意適用事業・一人親方の任意加入

この辺は難しくて、講師の社労士先生は「伝えきった感」満載だったけど、あんまり分からないので社労士に聞こう。

一人親方の任意加入をした農家さんは、臨時バイトを1人でも雇ったら強制的にバイトも労災に加入しなければならないらしい。

4、労災隠しの現実

結論は、農業は個人経営で事業主ひとりで行っていても労災加入すべきね。農業は労災事故が多いので、労災隠しはやめましょう。その時は良くても、後から問題になるので。

私は税理士であるので、後から「事業主に言われた通りにしたけど、あれは労災隠しだった、なんとかなる?」と元従業員に聞かれることがあります。

「さあ?私には分かりませ~ん。社労士に相談してみて?」と正直に答えています。このように、後からどこかでばらされてしまうのが現実

農業以外でも、労災隠しはやめましょうネ。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。