人間機械@映画レポ

30.7.22 渋谷ユーロスペースへ、「人間機械」という映画を見た。資本主義とは何か?労働とは何か?都市一極集中とは何か?人間の平等とは何か?を考えた。今回は内容のレポ。

「人間機械」は、インドの繊維工場の様子をただ映したもの、と解していただいて差し支えない。単調な機械の動きと音は、美しいよねぇ~。(音響は前宣伝ほどではないかな)

労働環境が、とかなんとか言っても、環境で人の幸せは測れないんだなぁと思ったわ。

なお、江戸川乱歩の人間椅子、みたいな展開はありません。

1、工場へ就労した経緯

今回のインド繊維工場は、北西部グジャラート州にあるらしい。地元では仕事がなく食えないため、出稼ぎに来た人がほとんど。

(・・・なんか日本でも聞いたことあるような・・・。)

コーディネーターにピンハネされつつも交通費を借金して出稼ぎに来るしか、子供に教育を受けさせる手段がない、と。

(・・・日本の派遣などカワイイものだぁ・・・。)

農民は、干ばつで購入した種代が農作物の売上げでペイできないため、出稼ぎに来た、と。

(日本ではナラシ対策というものがあるらしい)

取材に来たなら、なんとかしてくれ、アンタたちは取材だけして何もしないんだ、とのことですが・・・。

(・・・外国人が外国の常識でどーのこーの言うのってどうなんでしょうか。困ってるのは分かるけど。どういう行動がいいのか、難しいよね。)

2、インド工場の様子

工場では、キレイな布を作っていた。ドドドドド~と生み出されていく生地はきれいだし、工員が色を付けていく様もきれいだった。

工場の機械音は、規則的でキレイだよね。

でも、インド工場は映像が・・・。

床が汚いし、布の上で昼寝したり(しかも靴で!)、巨大洗濯機は汚いし、商品の扱いは雑だし、現在の日本の工場と随分違う!

焼却炉に石炭をくべてるし(環境に悪い)、焼却炉からは炎が漏れているし(作業員がケガする)、外の土にドロリとした得体のしれないものを捨てているし(信じられない)、子供がゴミ漁りしているし、なんかもう・・・。

3、インド作業員

繊維工場で働いている工員の様子が映っていた。

薬品運搬係りは、責任とプライドを持って働いていた!単調な仕事に見えるけれども、少しのミスが大変なことになるから考えながら働いているんだ、とのこと。私は心の中で拍手を送っていた!

布をこっちからあっちに運ぶだけの係りの人は、つまんなそうで文句言いながら働いていた。

布を見ているだけの若者は、寝落ちしていた。

色付け係りの二人組は、職人芸だからなのか単調な作業ながらキビキビと働いていた。

布の機械の内側から出来を見ているだけの係りの人は、目に力があった。

機械の内側に溜まるタールみたいなのをひたすら掬うだけの係りの人は、つまんなそうだった。

2秒おきに電車のつり革みたいなものを引いてプチ扉を開けるという係りの人たちは無表情だった。

作業の何かを考えながら行う仕事は単調でも工夫したり楽しみを見出したりできるけど、ひたすらつり革をひっぱるだけの仕事だと正直つらい気がするね。

しかし、結局のところ、環境だけではなく、どういう姿勢で働くかって大事だよね。うん。

4、労働時間

彼らは、12時間労働みたいだった。だから8時間にしてほしいと言っていた。

もし、8時間労働になったら、賃金は減るのだろうか?そうしたら、12時間労働にしてほしいと言わないのかしら?

商品や機械の上で昼寝してたじゃん?とか思ったり。

5、給料の話

給料日の映像も流れていて、目の前でピンハネされた後の金額を受け取っていた。もしかしてあれって、源泉徴収額かしらん?調べてみよう。

インドは配当や利子には源泉徴収があるけど給与にはないみたい。無申告加算税が高い。超過累進税。消費税ではリバースチャージがある!(ジェトロより)→ https://www.jetro.go.jp/world/asia/in/invest_04.html

ところでインドの税制では!という話題は次回以降にいたしまして。

ピンハネは、税金ではなく民間の正規のピンハネ(なんだこの表現は)であるみたいだった。

6、昇給すると怠惰になる?

映画では、本社の偉い人らしき人物がインタビューに答えていた。

人は満ち足りると文句を言う、という。

当該エライ人の給与が2倍になったとき、とある真面目工員の給与を10倍にしたことがあるらしい。(そもそもの基本給が違うだろうに比較しちゃうの?というツッコミさておき)

仕事に対して積極的に親身に働いてくれる頑張りをかって昇給させ、真面目工員は満ち足りた給与を得ることができた。途端に働かなくなり、文句を言い始めたらしい。

国民性もあるんだろうけれども、安定があると頑張らなくなるのかもしれないね。

仕事に対しても、ありがたい~と思っているけど、段々「顧問やってあげてるんだから、有難く思え」みたいになっちゃうんだろうか。コワイ。自戒をこめて、初心を忘れることなく頑張ろう。

家族におきかえますと、結婚するまではしおらしいのに、結婚したとたん鬼嫁って普通だからね~。家族だとこんなもんかもね。

・・・もう少し、夫に優しくすべきね。

あなたのハートには、何が残りましたか?

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。