税理士の懲戒~使用者責任・業務懈怠~

30.9.4 税理士会が主催の研修会へ。本日は、国税局の税理士監理官が講師に来て、税理士の懲戒や税理士法について話してくれたわ。

1、税理士業務の調査

ところで、税務調査のように税理士調査は年間150件くらいやってるんだって~。で、年間40~50件くらいの、税理士処分が発生するらしい。

2、税理士の懲戒処分

一番多い税理士の懲戒処分は名義貸しと言ってたね。次に使用者責任(これは責任逃れな感じも・・・)、次に業務懈怠。

懲戒処分には、怒られて国税庁HPに名前などが載ってしまう場合(戒告)、業務停止処分の場合、資格剥奪、と3パターンがあるらしい。

業務停止の場合には、顧客との契約を解除することになるらしく、その間だけ記帳などをしなければセーフという考えは甘いのかもしれない。

1カ月くらいなら待ってくれるかもしれませんが、3カ月以上になると無理ですよね。とのことです。

業務処理簿を付けておきましょう、自分の申告書は還付申告であっても期限内提出がマストです。

3、使用者責任で懲戒処分

税理士の懲戒処分の第1位である名義貸しについては、前回の記事に記載しましたわ~。

税理士の懲戒処分の第2位は、使用者責任らしい。

①従業員に押し付けても無理

雇用している従業員が不適切な会計処理(やばいヤツ)を行っていたら、知らなかったでは済まされずに税理士が巻き込まれて使用者責任で懲戒処分!

何となく、従業員に押し付けてたんじゃないかな感もあるけど笑。昔はともかく、今は従業員に押し付けきれないってことね。

②税理士法人の巻き込み懲戒

税理士法人の場合、パートナー税理士がやらかしてしまった場合、一緒に懲戒処分らしい?当事者よりは罪が軽いんだろうけれども、税理士法人は安易に作るもんじゃないね。

やはり、家族経営ですよ、税理士法人は。他人同士の税理士法人には、限界があるね。

そうすると、税理士法人の趣旨にそぐわず、結局、街の税理士法人は、節税的な意味合いで税理士法人なのでしょうか。

とりあえず、平成14年に設立できるようになったから作った、みたいな税理士法人ばっかりではなく、税理士業界では税理士の事業承継が問題になっている。

税務賠償のリスクもあるので・・・。顧問権を売る(最初聞いたときはびっくりした)ことが、今後はなくなっていくと思う。

③所属税理士の巻き込み懲戒

税理士事務所や税理士法人が、税理士を従業員として雇用することがあり。こういう従業員税理士を、所属税理士と呼び、普通の従業員よりも責任が重い。

なんせ、従業員であっても税理士なので!

といっても、従業員であるため、上司の命令と税理士としての税務判断との間で揺れることがあるんじゃないか。

例えば、上司の税理士からの命令で疑問をもちつつ税務申告した場合には、上司税理士と所属税理士と一緒に懲戒処分!ということが起こりえてしまうのではないか。(これは勝手な妄想ですが、実際に税務賠償で起こった)

責任の度合いは薄まる(のか?)可能性があって、そうなると所属税理士で働くにはある程度のリスクがあるよね。長年勤めて、試験合格して、引き続きの勤務って形だと、問題ないんだと思うけど。

4、業務懈怠で懲戒処分

税理士の懲戒処分の第3位は、業務懈怠!

①自分の確定申告を期限後申告

本日の税理士監理官の研修によると、税理士自身の確定申告を後回しにするケース多いんだって。消費税は期限内に提出する(簡易課税なのだろう・・・)けど、所得税は還付だから後回しにしてしまうことが多いんだって。

まぁ、普通はお客さんが優先だからね。自分の事務所の経費をまとめたりする時間がとれなかったりするのかもしれないね。

毎回繰り返し、注意をしても改善しないと、懲戒処分になるらしい。1回ならセーフって決まりもないので、早めに申告しておくのがいいよね。本当は2月16日から確定申告の受付期間なのだけれども、2月15日以前に提出しても、大丈夫みたいだし。

ついでに書いておくと、個人の確定申告は、源泉徴収額を引く前の税額(配当控除と年末調整住宅ローン控除後の税額)が100円以上であれば3月15日までの申告がマストとなります。

②納税者の申告を忘れ

クライアントの申告を忘れてしまうというケースがあるらしい。決算期を忘れちゃったんだろうか?

クライアント自身は自社の決算期を忘れたりしないと思うけど、均等割りだけもらって安心してたとか?

そういう税理士は何度連絡しても連絡がつかなくて、しかも常習化するらしく、見かねて懲戒処分ってこともあるんだろう。

期限後申告を繰り返しても、クライアントが税理士を見放さないってすごいね!

5、まとめ

税理士の懲戒処分は、思わぬところから発生することがある。従業員がいる事務所、業務過多には気を付けましょう!懲戒処分の先には、税務賠償があり、ナイトメアの始まりなわけです。

余談ですが、顧問税理士が懲戒処分を受けた場合には、私のような若手税理士に顧問を変えましょう♡ かつての顧問税理士への悪口は拝聴のみとし、文句を付けに行くことは私はしませんのでご了承ください。穏便に引き継ぎをしたいわ。

余談ですが、お忙しい税理士さん、業務過多で申告書が間に合わなくなる場合には、私のような若手税理士に顧客をプレゼントし、未然に懲戒処分を回避しましょう♡

なお、お金で顧客は買いません♡

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。