30.10.7 公開研の資料を読む!2018、地方税の現状と展望。近畿の税理士会の論文です。
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・地方税について色々。
地方税がなぜ必要なのか、などについて書かれている。
第1章は、地方税法について色々。応益負担ってどうなのだ?ということや地方税は地方公共団体の自治権を大事にしたいというシャウプさんのアツい思いがあったらしい、ということなどが書かれている。
税金ってどうなん?という話も出てきて、租税義務説という国家権力が徴税するという考え方と、租税利益説というみんなで費用は負担し合おうね、という考え方があるらしい。今は、租税利益説が人気がある。
昔は、地方税は警察や消防など、資産を守る的な性質が多かったけど、最近は福祉や教育という「みんな」という概念が強くなった、という考え方が書いてあった。うーむ?警察や消防なども「みんな」のためだと思っていたけど、福祉や教育とは少し違うよね。難しい。ま、いっか~。
32ページ。
・住民税と所得税の適用関係の相違
個人住民税について語ろうコーナーが始まる。
エンジェル税制と個人住民税。
特定中小企業が発行した株式の株式購入費は、所得税は措置法37条で、購入時の取得費とすることも選択適用で出来るが、個人住民税では出来ないー。知らなかった!
経済産業省HP 留意点の4→ http://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/angel/application/direct.html
エンジェル税制自体が、街の税理士には縁遠いわけですが、適用がある場合には「住民税では違うから、売却時に損しないようにネ!」とアドバイスは必要、だ。(たまに、税金が減るからといってやりたい、という素人の方がいますが、手元の金も減るということに気が付いてもらいたい)
青色専従者給与と個人住民税。
個人事業主が家族従業員へ支払う給与は一定のルールが存在するのであるが、実は青色専従者給与の届出を忘れてしまっていても、住民税では救済があるんだってさ!知らなかった!(地法32、313、地令7、48)
所得税では経費にならないけど、住民税では経費になる。所得税では扶養対象になり、住民税では扶養から外れる、ということがありえるのか?という疑問が湧き、調べた。→ 国税庁HPを探してみて分かった。ありえた!
所得税で一定の理由に基づき専従者給与届出書を提出しないで配偶者控除や扶養控除の対象とした方を、住民税や事業税では青色事業専従者とすることができます(青色事業専従者の要件は、所得税の場合と同様)。
これに該当する専従者がある場合には、その方の氏名と給与の額を記入します。
国税庁HPより → https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/b/03/order6/3-6_01.htm
繰り戻し還付
地方税には繰り戻し還付がないのであるが、個人住民税にもない。
個人住民税は賦課課税だから、意識しなくてもいいかもだけど、たまに法人でほぼ意味のない繰り戻し還付をしていることがあり。法人税と地方税とで欠損金の額がずれている場合には、過去に繰り戻し還付を受けていたかどうかを確認すべきね。
コンサル会社とかに依頼している場合に、こういうことが起きる。還付金の一部を成功報酬としているのかもね。あんまり、会社さんが意味わかってないことがある。・・・自己責任だな、と思うわ。
住宅ローン控除と個人住民税
住宅ローン控除について、所得税額から控除しきれない金額は住民税から控除できるので、自動で住民税が安くなる(はず)なのであるが、実は住民税から控除できる金額には上限がありました!
そういえば、どこかで見たけど、改めて金額を知ったわ。ありがたい~。
なお、住民税から控除できる住宅ローン控除の上限は、課税所得金額の5%。平成31年まではオマケで7%。
所沢市HPより → http://www.city.tokorozawa.saitama.jp/faq/kurashifaq/kurashifaq2/21.html
居住用財産の譲渡所得税の特例
居住用財産を譲渡した場合で所有期間が10年超であると、所得税の世界では3000万円控除を受けて譲渡所得税率が10%の特例を受けるのがよくあるパターン。ところで、住民税率は5%と思っていたら、居住用財産の売却益については6000万円以下なら住民税率4%なんだそうです。
知らなかったわー!しかし、土地建物の譲渡は、納税額が大きいことがあるため、住民税についても言及しないと後で納税者に怒られちゃうよ。
土地建物の譲渡所得がある場合は、扶養から外れてしまうことも言っておかないとね。健康保険の扶養関係については、「外れちゃうかもね~。詳しくは健康保険証の裏の電話番号に電話して聞いて」と言っておくべきね。
退職所得の住民税の特別徴収
あんまりないかもだけど、退職所得の場合、住民税は支払時に特別徴収義務が発生することがある!住民税率は10%。
退職金を支払ったときは、金額や状況により、所得税の源泉徴収・住民税の特別徴収が必要で、住民税に退職所得申告書を、退職者の市町村へ提出するらしいです。
特別徴収制度
この後、特別徴収義務者の決まりについての話。
年金から住民税が天引きになるなど、「そういえば・・・」みたいなことが書いてあった。
明治10年代に始まった、世帯がどれだけ土地持っているか・所得がたくさんあるか、で課税していた住民税でしたが。戦争に負けたり個人単位課税になったりなど紆余曲折ありまして、昭和25年から個人住民税の均等割り・所得割が始まり、昭和26年から住民税の特別徴収制度のはじまり、です!
個人住民税が賦課される、給与支払報告書の仕組みなども書いてあって、充実していました~読み飛ばしちゃったけど。
41ページまで読みました。次は、個人住民税の歴史、です!(が、まとめるかどうかは未決)