30.10.29 お金が無くて自宅しかない人は、固定資産税を負担できるのか、という疑問。
政府税制調査会30.10.10では、東大の教授が「固定資産税を相続時に清算すればよいのではないか」と発言した。
おもしろい。
1、固定資産税の納税猶予制度?
相続時に精算って、税理士から見ると贈与税と相続税の話であるが、考えてみれば死んだら払う、という税があってもいいかもね。
(ちょうど今回の政府税調では、遺産税方式という話もあったので、相続税の納税者は被相続人、という考え方に寄っているのかもしれぬ)
相続時に清算というか、納税猶予という発想に近いのではないか?
お金がない低所得者が、固定資産税の支払いのために自宅を手放すのは可哀想である、という考え方なのだろうか。ふむ。
お金がない低所得者層に限定し、自宅の固定資産税の納税猶予制度を設立し、抵当権を市役所が付けて、自宅売却時又は死亡時に固定資産税を回収するという手段もいいかもしれないね。
リバースモーゲージみたいな考え方だよね。
(余談だけどリバースモーゲージは、自宅所有権をあらかじめ売って、ちょっぴりのお金をもらって、死ぬまで居住権だけは確保される制度。私は断然勧めない。)
2、需要はあるのか、という疑問
しかし、その管理コストが問題だよね。だいたい、そういうプア層の自宅って大した金額ではないケースが想定されるし、そうすると固定資産税自体も年間で数万円なのではないか。
それすら払えない人を救うべきだと思うけど。
税って、効率化を度外視して考えるべきものであるから。
3、資産を持っているのに・・・
しかし、資産課税であるから、「今、お金がないから払わなくていい」はナシでしょう。賃貸の人とのバランスが保てない。
先祖代々の土地であったり、夫婦で何とか購入したマイホームであったり、とにかく長年住んだボロい自宅があると仮定する。
もらう年金が少なくて貯金が底ついた、固定資産税が納税できない、ならば売却してとにかく払え、というのは可哀想な気がするよね~。
何か、救済措置があってもよいかもしれないね。でも、所得制限が必要だと思うな。線引きをどうするか、という問題もあるよね。
しかし、自宅の固定資産税は1/6減免しているのであるから、実際に困る人というのは、ひっそり暮らしている間に路線価が高騰した場合くらいかもしれない。そうすると、土地を売れば結構なお金になる・・・。
4、いっそ推定相続人へ連帯納付義務?
議論の延長上に、推定相続人に固定資産税を納税させればいいという考え方もあるよね。所有者不明土地の議論で聞く、めっちゃ遠い親戚の子孫に固定資産税をバサッと請求するという連帯納付制度もある。
それとごっちゃにして、今、自宅の固定資産税が納税できない場合は、推定相続人に納税させればいいという意見も出てくると思うけども。
でも、自宅の固定資産税は、家族である推定相続人に肩代わりを強制できないと思うの。
なぜなら、誰に相続財産を相続させるのかは、所有者の意思で決めるから、肩代わりした推定相続人が必ずしもその土地をゲットできるとは限らないんですよぅ~。
遺言だって、書きかえることができるっ
うむむ、固定資産税の納税猶予制度は、検討事項ですな~。