ヤッちゃんのアイス~富の再分配~

30.11.08 民主的とは何か、富の再分配とは何か、という話です。

私が小学校一年生の頃、ランドセルを家に置いたら、近所のヤッちゃんチに行きよく遊んでいた。

ヤッちゃんチは中華屋さんで、14時過ぎになるとランチタイムが終わり、ヤッちゃんのパパとママと家族従業員の方の3人でまかないを食べるの。

ちょうどおやつの時間として、我々は逆算してどこで遊んでいようと、まかないの時間にはお店に行くようにしていた。私もヤッちゃんチの中華屋さんのチャーハンとスープをヤッちゃんと半分こしていただいていたもんだ。

チャーハンスープはしょうゆラーメンをベースにした茶色で白ネギが少し浮かんでいた。すっごく美味しかった。今は、もう商店街の配置換えでなくなっちゃった。

ある時、ヤッちゃんのママが50円をヤッちゃんに渡し、「これで自販機のアイスでも買って二人で食べなさい」と言ったの。(自販機アイス懐かしい!)

営業の都合で、まかないがないから、おやつの代わりだったんだと思う。

ヤッちゃんは言った、「あずき最中アイスを半分こしよう」(クッキーサンドアイスだったかな・・・)

私は反対した、「いや、あずきは好きじゃないから他のがいい。2人で分けなさいとヤッちゃんママは言ったのであるから、1袋に2つ入っているパピコにしようよ。」

あずき最中アイスとパピコの攻防戦は続いた。

ヤッちゃんは言った、「・・・・分かった。じゃぁ私が買ってくるからここにいて。動かないでね」

ヤッちゃんは、しばらくしてあずき最中アイスを手にして戻ってきた。

私は怒ったよ!

「ヤッちゃん、分かったと言ったのに、なぜあずき最中アイスを買ったの!」

激昂する子供のわたし。(夫:どうして君はそんななの。もらえるだけありがたいと思いなさいよ)

ヤッちゃんは言った。「間違えて買った」

***

わたしは思うに、もしあの時ヤッちゃんが、「でもさ、ウチのお金なんだから、分けてもらえるだけありがたいと思ってよ」と言ってあずき最中アイスを買って来たら、私はあんなに怒らなかったと思う。(多分ね!)

原資がヤッちゃんチのお金であることは、子供の私にも分かっていた。

けど、ヤッちゃんは話し合って「分かった」と言ったのに、確信犯的にあずき最中アイスを買った、と子供のわたしは思ったわけ!

つまり、民主的じゃないよ!

しかし、ヤッちゃんチのお金であるのだから、ヤッちゃんが一方的に決めて良いよね。

ヤッちゃんが悪かったとは思っていないだけど、今でもスッキリしない。

わたし、今でも思う、何が正解だったのかなと思うわ。

お金を持つ人が、高い税金を納めてプア層の生活を支える必要性について、考えるべきよ。色んな意見があってよい。

 

ヤッちゃんアイス事件の時、私は語彙力がないなりにも、「民主的である重要性」「不公平と感じることは何か」ということを感じていたんだと思う。

さて。

富の再分配とは、金持ちが貧乏人の不満を払しょくさせて治安を維持するためにある。

異なる意見については、相手を納得させようとする姿勢を提示することは大切である。

飢餓は戦争の元。格差はケンカのもと。

あずき最中アイスは良くない。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。