研究集会講演 レポ

30.11.08 やり遂げましたよ!研究集会の講師レポ。事業主さん向けではありません。

事前準備

15時から16時まで、50分ほどの講義及び残時間で質疑応答というお話をいただく。内容は平成30年税制改正について。お話をいただいたのが8月か9月。

期限だけはいっちょ前で、期限ギリギリに講義内容をレポート。

当日一週間前から、毎晩講師の練習。あれもこれも言いたい。毎回時間が超過してしまう。うむむ・・・。しかも段々声が枯れてくる。のどの調整を始める。B’zの稲葉気取りで。

ギリギリまで修正&説明会へ参加。

夫、練習台を拒否する。毎回1時間とか、勘弁してくれる?とパワポすら見てくれなくなる。ひとりで頑張るしかない!

ちゃっかり講演便乗傍聴

当日、超早めに到着し、受付で挨拶だけして現地でランチして時間調整する予定だったけど。

ふと見たら、税の学者、ミキ先生の名前が!

わたし「あの~もしかして、ミキ先生が講演されるんですか?」

事務局「ええ、傍聴されます?」

わたし「いいんですか♪ラッキー!あの~そのレジュメってわたしにももらえません?(がめつい)」

講演を聞きながら、今回の研究集会の全体像を見ると・・・・。

うわぁ、講演するのは偉い人ばっかり・・・。肩書が有名&長い人の間にポツンと「税理士 小野寺美奈」あひゃぁ。ま、臆することなく全力を出すのみだ!むしろハードルが下がったと思えば(強心臓を発揮)

事前にランチしながら講義の最終確認をしようと思っていたが、これまでの練習の積み重ねに期待し、ミキ先生の講演を聞く。わ~、軽減税率と配偶者控除って話がちょっとかぶってる。私の講義でもなるべく反映したいところ。

わたしの講義の後、労働関係の講演があるので、ここは触れておく・・・などうっすらと。講師が複数の場合には、他の講師との専門性のバランスを考えねばならぬ!

さて、いよいよ私の出番である!

司会「では、休憩で集まりが悪いですが始めちゃいます。講師略歴は記載の通りですので省略します」(無名者の略歴など誰も興味ないと思うので、省略してもらってよかった。ホッ)

講義の反応

0、自己紹介・レジュメの確認

1、年末調整の留意点

・配偶者控除の改正、制度趣旨とざっくりの内容(力作のワンちゃんネコちゃんの夫婦!) → ダメ

H30税制改正。配偶者関連。わたしが作ったので・・・・

・年末調整書類、現場で起こりえる問題と事前対策(自信あり) → ダメ

・平成32年税制改正(簡単に。年末調整事務は増えるよ)→ ふつう

・事例 → 時間の都合で飛ばし

・年末調整の問題点と展望(私見) → 従業員と雇用主の気持ちのズレ・今後の納税環境整備の話。割とよい

2、消費税の軽減税率

・軽減税率補助金の注意点・ランニングコストとクラウド会計 → まぁまぁ。補助金取消しとクラウド会計の惨状あたりは反応がよい

・消費税の税率3種類 (10%だからテンパーセントでてんとう虫、のくだりはダダ滑る)→ ダメ

テン%だからてんとう虫。

・消費税のインボイス制度の趣旨 益税を問題しています! → わりとよい(後から偉い人が制度趣旨を補足してくれた)

・適格請求書の紹介、軽減税率時から導入を(自信あり) → 不満そう

・価格の表示、どうします?(自信あり) → パターン紹介はダメ、消費者の心情をのせた部分はよい(198円と思って買ったのに、レジで213円請求されてアタマに来た話)

3、法人税法等の改正

・所得拡大税制 教育訓練費 → ダメ

・固定資産税の減免制度 → 冷え。

・情報連携投資等促進税制 → なぜかまぁまぁ。政府の動きを伝えたのが好感されたかな

・事業承継税制 → ダメ。内容が伝わってない

4、税制改正から読む諸問題

・法人課税から個人課税へ。→ ふつう

・外資の誘致、結局うまくいくの?→ ダメ

・クラウドワークスや格差拡大 → ふつう。クロヨン・ワーキングプアという文言は分かりやすかった気がする。

・じぶん年金、イデコNISA(最新のデータも入れ込んで自信あり) → ふつう

・寄稿した主催会の会報誌を引用 → ウケる

・消費税の増税と健康保険制度 → 割といい(やはり共通の問題意識かな)

・中小企業は厳しい → なぜか笑いが起きる(心の悲痛が現れてた??)

・大企業にはない中小企業の良さでがんばりましょう! → 冷える

パラパラとした拍手で終了・・・・。

質疑応答・意見交換

特に質問もなく。偉い人が気を遣って意見を話してくれたので場が持ちました。

Q:消費税について、税理士会の議論はどうか。インボイスについて、どのような議論が行われているのか。

わたし「税理士は軽減税率には大反対していて、毎日国会陳情を行っているようです。軽減税率がなくなれば、インボイスの議論はなくなります。インボイスの議論自体は、ご指摘の通り、税理士業界ではあまり積極的には語られていないように感じます」を、司会の方に助けていただきながら、やっとこ説明。

(おのでら:消費税の増税はよくない。お話しがあった通り、間接税という仕組みは分かりづらい。しかし、最終消費者が負担した消費税はきちんと国庫に入るべき。そのため、わたしはインボイス制度には賛成)

Q2:富の再分配について、税理士としてあなたの見解はどうか。

わたし「税理士会では、富裕層の金融所得について総合課税をしてはどうかという議論もあります。所得1億円から負担率が下がるという問題点がありますが、それは金融所得、配当や株式譲渡の税率が20%だから起こります。ですが、超過累進税率をそこまで引き上げるのはどうでしょうか。当時の時代を知らないので何ともですが。」

わたし「相続税などの資産税を含めた議論で考えるべきです」

(おのでら:空気を読んで答えたけど、金融所得は20%のままでよい。負担率ばかりではなく、負担額も考えるべき。取れるとこから取ろうっていうのは微妙じゃないか?)

Q:法人にもっと税負担させるべきでは

わたし「議論の風潮としては、個人課税に傾いています」

Q:消費税を毎年1%ずつなど、継続して上げれば買い控えがなくなるという議論がある。実務的な意見を

わたし「毎年消費税率を上げるのはどうなのでしょうか。できなくはないかもしれませんが・・・。社会インフラというか、インボイスが普及化すればありえるかもしれませんが、現状では難しい。作業するのは事業主や我々税理士ですし(オイ)ちょっと現実的ではないと思います」

(おのでら:消費税はプア層ほど負担が重いので、もう上げないで~!心の叫び)

他にも、意見があって理解できることがあるので、質疑応答は大事!しかし、とっさに回答できず、帰り道に「あっ!」と思うことは多くあって、未熟である。

反省点

前回の新設法人説明会の講師の反省点を反映!

いっぱい練習したので、割と何とかなりました。しかし、練習しすぎて「アレ?これって説明したっけ?会場置いてきぼり?」みたいな状況もあって。

今回はマイクがあったのだけど、意識してなかったので後ろの方は聞こえなかったかも。次回からは、マイクは顔にくくりつけるべきと思いました。

パワポはデータ持参したけど、マーカー機能が使えなかったから諦めた(操作が分からなくて)。

手元資料とパワポデータが違うので、探す人多数。最初に「全部は印刷していない」とは言っても、聞き逃す人はいる。毎回、「このページは手元にないよ」「このページは手元資料にもある」とアナウンスするようにした。

「この部分について説明する」場合、手元資料や画面ではどこを話しているのか共有できるように時間をかければよかった。

表情は内容に応じて変化させるようにした!問題点の指摘(年末調整で従業員のプラベ丸見え、健康保険制度の疲弊、など)は間をとり、笑顔を消す。中小企業庁への文句は笑声で話す、など。(なにこの、舞台役者感!!)

会場を見渡す。目があうと、反応を返してくれる。でも、同じ場所ばっかり見ると他の人が疎外感を感じるので気を付ける。

知らない人への講義は、深度が難しいね。質疑応答があって初めて「序盤の説明はいらなかったな~」や「もっと丁寧な説明をすべきだったな~」などの反省点が見える。ま、しょうがないよ、これは。時間的な制約があるし。ある程度は妄想で行かないと。

時間は守ることが大事。あとの都合がある場合は、時間延長すると迷惑しちゃう。

思わぬ部分が記憶に残るみたいであった。

おのでらはレベルが上がった!!成しえた!!

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。