インボイス導入時の登録事業者と課税事業者選択届出書

2019.5.28 市ヶ谷へ、軽減税率制度とインボイス制度のポイントセミナー(大蔵財務協会主催)に行ってきた!説明者は東京国税局の消費税課長、森田さん。おつです。

0、売上げが少ないことがバレるインボイス制度

売上げが少ないことがバレてしまうインボイス制度。令和5年10月からは、消費税を納税すれば、売上げが少ないことがバレませんよ。

事業者との取引がある免税事業者は、消費税を納税した方がいいんじゃないでしょうか。

消費者としか取引がない場合や、売上げが少ないことがバレても構わなければ、免税事業者のままでよいんじゃないでしょうか。(負担した消費税は戻らないわけだけどネ)

なので、私はいずれ登録事業者に、なるぞ!(売上げ1000万円を超える宣言をしないところが悲しい)

免税事業者の方は、今から少しずつ、検討して行きましょう。

1、制度導入時の登録事業者

★2019.5.28時点の話なので、変更の可能性があります

・登録事業者になりたい

インボイス制度が始まる令和5年10月1日に免税事業者である場合には、半年前の令和5年3月31日までに税務署に対して、「登録事業者になりたい」という登録申請書を提出します。(4月1日以降になっちゃった人は、9月30日までなら救済措置あるので諦めない心をもとう)

令和5年3月31日までに登録申請書を提出すると、令和5年10月1日から消費税を納める人となる。基準期間の売上げ1000万円のラインは関係ないよ!

・情報は公開されるの巻

インターネット上で、事業者の名前、登録番号、登録年月日、法人は本店などの所在地が公開されます。(個人事業主などは、公表の申し出があれば屋号・事務所等の所在地も公開できます)

・登録事業者をやめたい

登録事業者になって消費税を納税したけど、その後免税事業者に戻りたい時は、「登録事業者をやめたい」と登録を取り消す必要があります。

登録取消届出書は、手続きに30日かかる。だから、事業年度の終わり間際に駆け込んで登録取り消しする場合には、1カ月以上前に手続きをしておかないと、免税事業者になるのが翌々事業年度になってしまう!

決断と実行には、気を付けないとなりません。

・経過措置は課税選択届出書は不要

資料45ページによると、制度開始の際には経過措置があるので、「消費税課税事業者選択届出書」は提出しないらしい!制度のはじまりの場合には、課税事業者選択はしなくていいんだそうです。本当か??変更ありそうだから、詳細はご確認ください♡

(こういうの読むと、いずれ免税事業者という概念がなくなると思う)

例えば個人事業主の場合、令和5年1月1日~9月30日までの売上げについては免税で、10月1日~12月31日の消費税を納税するんだって。

2、令和5年10月1日以降に手続きしたとき

・課税選択届出書が必要なとき

令和5年10月1日以降に免税事業者が登録手続きをする場合には、課税選択が必要、とのことです。(10月1日を含む課税期間はセーフ規定あり)将来的には変わるんじゃないかな?詳細はご確認ください♡

なんか、制度が始まる前の経過措置と、制度開始後の手続きで、課税事業者選択届出書の提出の有無が変わるので、事故の元・・・・。こわいですね。こういうの、あらかじめ何とかしといてくれないとさ・・・。

手元資料の例では、令和5年12月期の法人の場合、令和5年11月30日までに登録申請書を提出し、令和5年12月末日(年末だから休日の提出期限を確認!なんか改正があったはず)までに課税事業者選択届出書を提出すると、令和6年1月~12月の事業年度は消費税が納税となる。

つまり、令和6年1月1日以降に行った資産の販売や役務の提供については、「私は課税事業者です。お客様、どうか私へ支払った金額は消費税の計算上経費にして仕入税額控除を受けてね。」と言える訳である!

売上げが1000万円いってないことも、バレないよね~。

(激変緩和措置があるから、令和11年9月30日までは、免税事業者からの課税仕入れでも仕入税額控除の適用がありえるけど。まぁ先方に売上げが少ないのはバレるね。しかも面倒くさいし)

奥深いな!

3、説明

・インボイス制度

インボイス制度(適格請求書制度)は、平成35年、令和5年10月1日から始まります。(予定)

インボイス制度は、事業者が預かった消費税を仕入税額控除といって消費税の計算上経費として考える制度。現状の、免税事業者の益税問題はなくなります。

免税事業者が取引から排除されることを問題視されていますが、だったら預かった消費税を納税すればいいわけです。

預かった消費税を納税するのはイヤ、課税事業者のみんなから仲間外れになるのもイヤ、はナシじゃないか?

・課税事業者選択

さて、免税事業者が消費税を納税するようになるためには、「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出し、「私は消費税の納税義務者になるっ」と宣言すると、提出日の翌課税期間(翌事業年度・翌年)から消費税の納税義務者になれます。

一回、「納税義務者になります、立候補」をしたのであるから、「やっぱり納税義務者をやめたい」ときは、立候補をやめる手続きをします。(2年間は強制)

「やっぱり納税義務者をやめたい」と言った翌課税期間から、納税義務者の立候補宣言はやめたことになる。(だからといって、納税義務がなくなると限らないわけだけど。まぁ、詳しくは聞いて。)

4、セミナーレポ

テレビ東京の取材も来ていて、「あ、税理士さんですか。じゃぁいいや」とか言われていました。来場者はほぼ税理士さんです。

ご挨拶の最後には、「税理士さんのお力が必要ですのでどうかよろしくお願いします」という原稿を棒読みされていた。全然心がこもっていない。

セミナー終了後、聴講者が質問のために集まると、結構な感じで嫌な顔をしていて、はっきりしている人でしたね。イントネーションから、関西の人かな~。

軽減税率について、報道で「おもしろおかしく繰り返し報道されていますが、インボイス制度は適正な消費税の転嫁ですから」とちょっとムカついてる感じで言っていたのが面白かったです。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。