防災の日と防災農地

2019.9.1 今日は防災の日。防災農地について考えてみたいと思います。

・東京都民の防災の日の追憶

私は東京出身なのです。

私が小学生の頃、9月1日といえば、夏休み明けの久しぶりの学校の登校日。

今も東京ではそうかしら?神奈川県では、8月下旬から小学校が始まっちゃうみたいだけど。

9月1日は防災の日。これは、1923年(大正12年)関東大震災があったのが9月1日だったことが由来しているみたい。

私が小学生時代の9月1日は、防災頭巾を学校に持参し、夏休みの宿題を提出したり、実は宿題が終わっていないけれども、とりあえず忘れたテイをしてみたり、めちゃくちゃ日焼けした友達を羨んだり、自由研究のクオリティをマウンティングしたりしたもんです。

夏休み明けの9月1日は、みんな気が緩んでいる。

防災訓練の日なので、避難についての授業を受けるんだ。毎年、そうだった気がする。小学校3年生ぐらいになると、「トイレの途中だったらどうすればいいですか~(クスクス)」みたいなお調子者質問が出て、担任の先生の返答センスを問うたりなどしていたもんだな~。

避難訓練のサイレンが鳴り、机の下にもぐり、先生のいいつけ通りに暑い中、防災頭巾をつけます。親のお手製だったりすると、やっぱり嬉しかったりしたよね。大きくなるにつれて、既製品がブルジョアっぽくて心惹かれたけど。子供って勝手だよね。

すべての生徒が校庭に集合して、体育座りをして(昔はこんなに暑くなかった気がする)、親が迎えに来るのを待つ。・・・なんか、6年生が1年生の世話するみたいな作業もあったかもしれないな。集団下校した気もする。

防災の日の追憶。当時の私が、ママがいつまでも迎えに来なくて、不安な気持ちを思い出すな。

・防災農地

地域が異なるのか、世代が異なるのか、きっと両方だと思うけれども川崎のこどもたちと私の子供の頃の「防災の日」では認識が全く違うのかもしれないな、と思ったの。

川崎市のこどもたちも、9月1日に防災頭巾をかぶって校庭で親のお迎えを待つのかな?

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川崎の北部は(港に近い工業地帯は畑がないので事情が異なる)農地があって。

麻生区では「防災農地」という看板をたま~に見かけるんだよね。

私は7月の下旬、農業振興センターでの会議傍聴をしたのだけれども、その会議では防災農地の話題も出ていた。

消費者としては、単純に「災害があったら避難できる場所」「災害があっても農地があれば食べ物は何とかなりそう」みたいな災害時のメンタル保険に近い存在になると思うんだよね。

一方で、農家さんのお気持ちとしてはどうなんだろうか?

農地は、農家さんの私有財産だから、自分ちの延長なんだよね。災害時には市民が防災農地に入っても不法侵入とはならないのだけれども、勝手に農作物を取ってはダメ。

どこまでが農地なのか、どこからがプライベートなのか、判断がつかない農家もあるんだって。

・・・確かに。かつて存在した、とある梨農家さんは、農家さんの自宅の前を通って梨畑に行くので、まぁ、農地と自宅の線引きなんてなかったかな。飼ってるワンちゃんや縁側が丸見えですもん。

農家も市民も川崎市ですら、「防災農地」の存在について、あんまり考えていないのかもしれないな。なんとなく、「農地は公共性が高いから、防災時にはヨロシクね」みたいなノリで看板を立てちゃった、みたいな感じに思えるんだけど。

農家さんの思いと市民の思いには、温度差があって。その温度差は学校教育で超えられるとは思えないんだわ。

ところで、川崎市のホームページによりますと、防災農地とは、「一時避難所としての役割」だそうです。

基本的に農地は農家さんのものなので、勝手に入ってはダメ。災害時でも、勝手に農作物を取ったり食べたりしちゃダメ。

(映画 火垂るの墓で、トマトを盗み食いするシーンがありましたね。農作物は私有財産なので、勝手にトマトを盗み食いするのはお金を盗むのと同じです。せつ子が可哀想なのだけど。)

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川崎市のこどもたちは、防災の日の授業で、「防災農地」についてレクチャーがあるのかしら?どのくらい、川崎のこどもたちにとって、農地が身近なのだろう?

・都市農地は必要ですか

都市農地という存在について、私はよく考える。

あるべき都市農業の姿とはなんか?食育の観点から都市農地は必要だとは思う。一方で、経済的な思惑(不動産価格の安定)も含まれているところが、都市農地、主に生産緑地が政治利用されているようで美しくないなと思います。

そこまでして、生産緑地について市民からの理解を得ようとする理由は何かと邪推してしまう。

農地税制は奥深く、課税の公平性や税の在り方を考えるにあたり、都市農地は研究対象にふさわしい。

農地税制は、現状のまま守られるべきよ。農地は私有財産とはいえ、市民の生命線を握る食べ物。だから、単なる金儲けの手段としての農地の運用が難しい面もある。

こういった都市農地(生産緑地)の特徴が、私には税理士資格と同じに思えるのです。

・川崎市HPより 市民防災農地とは

川崎市HPより 市民防災農地とは → http://www.city.kawasaki.jp/280/page/0000017804.html

 農地は食糧生産拠点としての機能のほかにさまざまな機能を有しますが、そのうちの重要な機能のひとつが防災機能です。特に都市部において空地は避難するための貴重な空間であり、本市では平成9年より農地所有者の協力を得て市民防災農地登録制度を開始しました。

登録の対象は生産緑地地区内の農地、またはそれ以外の概ね300平方メートル以上の一団の農地です。

この制度では農地所有者の申出により市民防災農地に登録することで、本市に災害対策本部が設置されるような大震災時に一時避難場所として利用することが可能となります。

距離が離れているなどにより指定避難所に避難することが困難な時や緊急を要する時には、このような一時避難場所はとても助かります。

 

よくある質問では5つのQ&Aが記載。一部、引用。

Q1 平時でも防災農地を利用することはできますか。

A1 災害時に利用されることを条件として農地所有者が防災農地登録しているので、避難訓練のような平時の利用はできません。

 

Q4 大規模震災時に防災農地内の農産物を食べることはできますか。

A4 この制度においては、たとえ大規模な災害時であったとしても、農地内の農産物を食べることはできません。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。