農地を贈与するケース

2020.8.12 農地を贈与する場合の注意点ってあるんですか。あります。

さて、相続対策で生前贈与、というキーワードは人気で、税務相談の際にはよく質問があった。

農地は?農地の贈与ってどうなんでしょう。考えてみました。(執筆のお手伝いをしている関係もあり!)

都会の農地の贈与は、贈与税が高いのでおすすめしません。農地の納税猶予があるけど、ほとんど利用されていないのでは。納税猶予打ち切りリスクが高いからです。

相続時精算課税制度なんて使っちゃダメなケースがほとんど。)

農地を贈与した方がいいのは、

地方の農地で、相続を待たずに純粋に後継者に贈与したいケース。

地方の農地で、後継者が決まってて、他の推定相続人から異論が無いケース

いずれも、贈与税の納税猶予をつかっても、税務リスクが少ない場合が多いから。

相続発生まで待つのがセオリーだと思うけど、高齢農家さんの健康状態などの関係で、今から農地を贈与しておきたいならいいかもね。

遺言書っておおげさだし。

遺産分割協議の段階になるとアレコレ言い出す人もいるよ。だってさ、ご家族が亡くなっているんだもん。普通の気持ちを保っていられないよ。心が疲れてて、後悔があって、親兄弟への不満が出ちゃってけんかになる。

だったら、農地を贈与しておいたらいいよ。遺留分?そういうの、教科書には書いてあるけど、実際に請求する人って少ないと思う。不公平がでない遺産の分け方を、話し合って決めればいいよ。

多くの家族なら、「農地は兄ちゃんにあげたんだね。いいよ。私はお金をもらえるから」ってなるんじゃないかしらん。(甘い?)

わたしは、農地の贈与税の納税猶予は、まだまだ詳しくないので、今、勉強しているところ!相続税の納税猶予とちょっと考え方が違うのです。

精進致します!!

がんばって、都会の農地を健全に残せたらいいと思う。

農家が頑張って生産できる環境、農家が生活できる環境、まちの人が地元野菜を食べられる環境、があるといいなと思う。

おいしいね、安心だね、ありがとね、見守るね、が聞こえる都市農業になるといいな。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。