2020.8.14 税制調査会2020.8.5開催。WEB会議です。今回は委員の意見がメイン。意訳の上、書き起こしメモ!
8月19日まで視聴可能。
https://www.cao.go.jp/zei-cho/chukei/index.html
追記:議事録がアップされました→ https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/2zen2kaigiji.pdf
学者さんやコンサルタントは、事務局の説明資料を自分の言葉で言い換えて言っているだけで、面白くないです。
今回も佐藤委員の具体的な意見が良い!他にも、たまごクラブひよこクラブの方、消費生活相談員会の方の意見もいい!安定の土居委員、神津会長も。
全体的に「デジタル化しましょう。格差是正。マイナンバー活用して給付。持続化社会。コロナ増税すべき」の意見でほぼ。
WEB会議だから、一人ずつのスピーチを聞いているだけ。
クリックできる目次
・委員の意見メモ
「中空さん」BNPパリバ証券㈱
クレジットを見ている。都心の不動産もっていればオーライだったが、格付けが高かった。空きが出てきて先行きが見えない。コロナの影響も考えていかねばならぬ。
金融政策とセット。金利が上がると大変なことになる。財政を立て直したい。
格付けが下がると金利がかかり設備投資が大変になる。
新たな収益源を模索していきたい。CO2削減などに着目するなど。社会構造の変革の中、どのように変えていくのが
「??女性」
財務体質がよく手元資金があった会社は、コロナ対策もすぐに出来た。コロナ後もお金があれば落ち着いて取り組めると感じた。
グローバル化について。サーズなどもあった。災害もあった。特別対応はコロナ以外にも起こりえる。今回のコロナ禍をレガシーにしたい。
企業なら財務体質手元資金CF健全化が大事。国は財政に余裕を持つ方が良い。
「赤井委員」大阪大学教授
1,税制対応
コロナ禍の社会について税制の役割が求められている。企業・行政へのデジタル対応。意欲がない企業には課税など、強引でもやるべき。(玄関からピンポーンの音が笑)
危機意識があるので冷静に対応しているが、終われば忘れる。平常時に備えて
「熊谷委員」
気候変動問題に税制が対応していく必要がある。社会変革への対応が必要。
一番大切なのは5番目財源。リーマンショックは人災に近いが、コロナは天災なので同調圧力が強い。
地方の問題を深掘りした方がいいと思う。
(単なる資料のまとめをかっこよく言っているだけ)
「足立委員(女性)」甲南大学経済学部教授
財源確保と社会保障が大切だ。
中期的な税制の方向性は、前回依然と同じで良いがコロナがあったので優先順位を考えよう。
措置法はゼロベースで考えるべき
「石井カオリ委員」中央大学教授
グローバル化デジタル化。納税者の利便性の向上、電子申告の推進・自治体の納税環境の向上に積極的に取り組むべき。
中期答申にもあった通り、プラットフォーマーには一定の責任を課すべき、法整備が必要だ。電子申告等の際にも重要な立場を担うべきだ
「翁委員(女性)」日本総合研究所
デジタル化・副業への高まりなど、働き方が変化している。
ニューノーマルな生活に対応していくべき。税制も対応できる税体系が望ましい。
コロナ禍による格差拡大についてデータを注視していくべき。デジタル化推進を。
財政支出に懸念を持っている。次世代への負担は残したくない。
「土居委員」慶應義塾経済学部教授
(音声途切れ)
消費税率10%まで上がってきた。待望論があるが、格差拡大してしまう。財政赤字が
低所得者層は給付されても生活費で使ってしまい、余裕がある層の貯金が貯まり、格差が拡大する。
コロナ収束後にどういう税制改革を行うのがよいのかを議論すべきだ。今後、(社会保障もあるのだから)負担減はありえない。
低所得者の負担はないようにしたいが、負担増をどうするか、消費税の意義について国民的同意を得る必要がある。
「神津信一委員」日税連会長 42:00
雇用的自営と給与所得者(5900万人)との線引きが難しい。
副業・テレワークや雇用的自営という働き方が増えるであろう。稼得形態(テレワーク・雇用的自営)による税制の中立性公平性に気をつけるべきだ。
基礎的人的控除は課税最低限を維持するべき。生活保護費の水準程度まで上げるべき。
給与所得控除公的年金控除を減らして基礎控除等人的控除の引き上げをし一体的な控除を。所得控除方式がよい。
在宅勤務が進めば、給与所得控除に含まれているとされている背広代金相当額は不要で、基礎控除で対応できるようにすればよいのでは。通勤費も不要になる。給与所得控除についても検討すべきだ。
「武田委員」三菱総合研究所
持続的な社会を目指すべき。そのために税制の懸念が3つ。
1,行政のデジタル化。2,労働事情。非正規の増加(デジタル化推進であぶれてくる人) 3,財政の悪化。
「寺井委員」慶應義塾大学経済学部教授
私的年金が老後の資産形成の役割を担っている。退職所得課税・年金税制への議論をすすめるべきだ。
企業年金・私的年金への非課税拠出限度額設定がよい。国民が理解しやすいため。
国際課税について。経済のデジタル化で課税区域間の租税逃れへの強化が大切
「森委員」鹿児島市長
鹿児島市は地方税徴収やコロナ対応をしっかりやっております。地方税の財政収入が減少するので、よろしくお願いします。
地域の実情において様々。地方自治体の事務執行に見合った税源の安定性を求める。地方税の偏在性が少なく安定的基盤が必要であると考えております。
「神津リキオ委員」日本労働組合総連合会会長
立場の弱い人、非正規等にしわ寄せがきている。雇用・生活に関わるセーフティネットの不備。教育格差・労働環境格差は見過ごせない。税制の役割が必要だ。
人間中心の社会への問題点。税制のあり方を確立すべきだ。
緊急対応のための巨額な国債発行がある。国民的理解が必要。
国民の危機感が根強いものがある。逆進性対策、消費税は議論すべきだ。低所得者に対する給付付き税額控除がよい。一律10万円給付では解決できない。底支えが必要。
「平野委員」株式会社シナモンCEO
デジタル化の専門家です。
時間管理についての概念。アウトプット主義への変化。専門性の希少性への概念の変化。ヒトとAIとの競争が起こっている。意思決定がAIにより早まる。
「大田委員」政策研究大学院教授
マイナンバーを口座と紐付けて給付を簡素にしていくべきだ。国民の理解を求めるべき。支援が必要な人に迅速な支援を受けられないのは問題。
限りある財源を有効に使うためにもタテワリやってる場合ではない。
マイナンバー活用し、所得情報と社会保障給付の紐付けを。
「諸富委員」京都大学経済学地球環境学教授
財源はどうしていくのか。ECは復興税を検討している。復興後の投資を目的に財源調達し、(既に使った財源は)成長のアガリからとっていくべきだ。(成熟した市場からさほど成長は見込めないと思うけど??)
「清家委員」日本私立学校振興・共済事業団理事長
社会保障と税の一体改革会議の会長をしていた。
少子化の昨今、経済社会の支え手を増やすべきだ。具体的には女性・高齢者の就労の促進。配偶者控除の抜本的見直し。子育て支援強化にまわせばよいのでは。
公的年金等控除が手厚いので、在職老齢年金制度(廃止を検討)の検討を。
「辻委員」一橋大学大学院法学研究科教授
オンライン時代の税制の標準化の推進。オンラインと自治体について。
カリフォルニアに視察に行った。アプリやシステムの適用範囲が周辺団体に限定されてしまい、政府サイドとは効率的に発揮していなかった。
日本では、部分最適にとどまらず、全体最適するよう国・自治体で整備すべきだ。
自治体の課税根拠、どこに財源を求めるかを考えるべきだ。現在、育つ自治体と勤務地と老後の住まいとは異なるケースが多い(ゆりかごから墓場まで、同一地域であるとは限らない、という意味)。住民税・固定資産税といった考え方について中長期的に考えていきたい。
「加藤委員」東京大学大学院法学政治学研究科教授
経済のデジタル化、税制、国民の理解について。
消費税の減税は、高額所得者の税負担額が減るので問題だ。倒産が増えるのであれば措置法を作るべきだ。
「吉川委員」立正大学長
(声が小さくてよく聞き取れない)アクセルとブレーキについて・・・・税制が・・・・・ブレーキは・・・・経済条件・・・・財政再建そのもの・・・・・歳出・・・しれない・・・・税制調査会が、令和の税制と・・・・長期的な税制・・・・・全体としてどのように・・・・・。です。以上です。
「吉村委員」一橋大学大学院法学研究科教授
コロナ対策はターゲットを絞った対策が必要だ。低所得者に対し、税で出来ることは限られている。
回復期、起業される方も増えるであろう。働き方の有利不利が起こらないようにすべき。
(話し方が頭がいいなぁ~)
「田中委員」醍醐ビル㈱代表取締役社長
産業界では、デジタル化AIによる効率化、生産性向上、合理化に取り組む企業は少なくない。企業の目的は、稼ぐための仕事だけではなく地域社会の構成員としての仕事など、利益目的だけではない。
収益性だけで企業を見るのは限界がある。雇用を生み出して社会貢献している(という意味で良いのかな?)。(利益が出ていない企業も)尊重して欲しい。
「宮崎委員」千葉商科大学教授・国際教養学部長
学生の能力算定の指標が変わってきている。計画立案しにくい。コロナなど、将来が見えないから。
予定納税の仕組みがおかしい。(減額申請や仮決算方式があるけど?)
税制と歳出の問題。歳出にも踏み込んだデザインが必要だと思う。
「大竹委員」大阪大学大学院経済学研究科教授
感染症によるショックはいくつかある。マクロショック、ミクロショック。一時的なショックは平常時に戻す。永続的ショックは~(話が抽象的で分かりにくいなぁ・・・・言いたいことが分からない)在宅勤務推進を~
~感染症に強い税制を構築するべきだ。
「仲村委員」㈱風讃社編集本部部長
たまごクラブひよこクラブの編集などに携わっており、税制は素人です。
結婚できない、乳幼児検診すらできないコロナ禍で母親の心配の声が増えている。
育児の不安、就労の不安。何があるのか分からないから貯めておく、というのがリアルな声。
父親母親の不安は子供の成長にも影響を与えるため、心配している。初めての育児は社会のサポートが必要。孤立しない子育てが必要。家庭の負担が増えているので、多様な子育て支援、様々な生活スタイルに合わせた子育て支援が欲しい。
次世代への負担を増やさない方法を先生方に考えて欲しい。
中里会長:子育て世代のこと、真剣に考えましょう。
★「佐藤委員」一橋大学大学院経済学研究科、国際・公共政策大学院教授
3点ほど。
1,コロナ禍における財源について
平時の社会補償のための財源と災害のため財政とは切り離して考えた方がいい。
消費税は平時のための財源である。
コロナの経済対策への財源確保は、(中略)諸富委員からもご発言があった環境税。金融取引課税、金融課税、法人課税の適正化という観点からデジタル課税。
2,所得税について
源泉徴収と年末調整で終わる関係は時代遅れ。雇用の多様化、副業の時代。多くの人が確定申告が必要な時代が来る。10種類の所得区分が多すぎるし簡素にすべき。判別(事業・給与・雑)が分かりにくい。事業所得の概算控除制度。プラットフォーム業者に源泉徴収義務をつくるすべき。(いいね)
住民税について
前年所得課税になっているが、収入不安定な人は、今年仕事がなくなると納税資金がない。現年所得課税にすべきだ。国と地方で合わせて徴収という意味も含めている。(サトーさん、それな!それそれ!)
3,税と給付の一体化
縦割り行政だ。困っている人に手が届かない。
負の所得税があってもいい。所得が下がったら補償する仕組み。給付付き税額控除、それがイヤなら社会保険との通算をするなど、なにかする。そのためにも所得補足の考え方を変えるべき。(金持ちの)納税のための所得補足だったが、給付の適正化のための所得申告になるのがいい。(サトーさんすごいな!それ、すごくいいね!一応、住民税申告がその役割を担っているんだけどね!)
所得税には再分配機能があると言われている。所得税の保険機能を強化するのもいいと思う。(考えたことなかった)
「沼尾委員」東洋大学国際学部教授
グローバル化と言われていたが、コロナ禍でローカルが重要視されるようになった。東京のリスク、食糧・エネルギーの自給の安心、地域での経済循環の視点が大事。
災害対応への財源を検討すべき。温暖化対策のための財源があってもいい。
若者を中心に行き先のない農作物の買い取りなどの参加型取引が増えてきた。
税金の使途への説明責任が問われている。税務広報のあり方を検討すべきだ。
「増田悦子委員」公益社団法人全国消費生活相談員協会理事長
消費者の事情を知る立場から申し上げます。
グローバル化デジタル化キャッシュレスは、消費者にとって利便性と共にトラブルも生じている。
オンラインの実効性を消費者は分かった。ネットリテラシーの低さも問題になっている。ネット販売の問題、越境問題、複雑化し困難は簡単に解決できない。
在宅での仕事のトラブルもある。コロナの収入減少のほか、働き方の多様化による在宅ワーク・サイドビジネス、在宅にてネット取引が可能となったことなどがあげられる。
デジタルプラットフォーマーを介した個人間取引のトラブルも発生している。デジタルプラットフォームには適正な取引の環境整備が必要だ。
個人ビジネスが発生すると納税義務が生じるため税務の理解が必要となる。安全な取引のためには教育が必要だ。公正な制度がなければ国民の理解が得られない。
「岡村委員」京都大学法学系(大学院法学研究科)教授
納税環境整備について。2つの柱がある。
電子化の利便性、適正納税の確保がある。働き方・雇用の確保のためデジタルが必要。
国内にPEがない外国法人の課税情報確保が難しい。PEがないデジタル課税の具体案が出ている。税調でも納税環境整備について検討すべきだ。
中里会長:重要な指摘ですね。(え、そうですか?中里会長の専門分野だからでは?)
「宮永委員」三菱重工業㈱取締役会長
経済界の視点から申し上げます。
テレワークを推進しているが、書面押印、対面方式の抜本的見直しが必要だと思う。事業者の声をよく聞いて欲しい。地方税納税共通システム、固定資産税への拡張、税務書類の簡素化についても検討して欲しい。
国際課税について、積極的に関与すべき。課税確保の観点もあると思うが、途上国は自国の課税権強化の方向性があるが、紛争が円満解決できるように(してほしい?)
コロナの緊急対策の収束方法について検討すべきだ。長期的に国民のコンセンサスが得られる方法を考えるべき。向かっていく方向をクリアにすべきだ。
「田近委員」一橋大学名誉教授
多様な働き方について。所得再配分のために所得補足して課税してくべき。
税制を通じて持続可能な社会形成をすべきだ。
「井伊重之委員」㈱産業経済新聞社東京本社論説委員
WEB上で挙手せずにいたら、事務局から電話があり発言するようにと笑。会社からも電話がありましたので、発言させていただきます笑。
消費税減税について。コロナ給付金等が国民へ遅れて支給されているから消費税をこの段階で減税したらどうかと野党から意見があった。
消費税の10%への増税、軽減税率の効果などをデータで示して欲しい。
「林委員」東京大学大学院経済学研究科教授
岡村先生からのご指摘通り、電子化の遅れは納税の他、給付も遅れた。
追加財源について資産課税を議論すべきでは。資産把握は難しいと言われているが、電子化強化を進めるべきだ。
「梶川委員」太陽有限責任監査法人代表社員会長
リモートワークによる人事評価が発生している。
格差が生じているので、格差に対応するのが重要なテーマだ。
医療体制について。国と地方のやることの違いが国民は理解していない。自治体が固有で行えるような、財政の議論をすべきだ。
保険負担と税、国と地方、合わせた形の議論が必要。国内の課税負担だけではなく国際課税も必要だ。
「刀祢館 (とねだち)委員」公益社団法人日本経済研究センター研究主幹
持続可能な社会を。環境に配慮した経済活動を両立すべきだ。
「神野委員(会長代理)」日本社会事業大学学長・東京大学名誉教授
中里会長:神野先生、ご発言を。
あるべき税制の具体的な議論をしたい。ガゾから操作的ガゾへ
(中里会長のマイクからも発言が拾われていて聞きにくい)
コロナ禍があっても、財政を有効に機能させなくてはならない。
「中里会長」まとめ
税務手続きの電子化、国際的な適正課税、民間の取引慣行、課税庁の実務上の問題点についても検討したい。今回も岡村先生からのご指摘通り、専門家会合を行いたい。専門家会合のメンバーや進め方について、ご一任いただきたい。