収入の差は、頑張れば超えられるかもしれない。
学歴の差は、頑張れば超えられるかも知れない。
男女の差は、頑張っても超えられない。だから、性別による不公平・男女差別はよくない。
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以前、税理士試験に合格したばかりの頃、横浜の先生たちが祝賀会をひらいてくれて。ちゃっかり参加しました。そこで、わたしは三木先生に聞いたの。
「寡婦控除は男女差別です」三木先生は言った「そうだよ。しかし、憲法違反はとれない。判例があるから」と言われた。
わたしは、びっくりした。まさか裁判所が前例踏襲のような仕組みになっているとは思いも寄らなかったから。
様々な場面で、男女の違いを活用したフィールドがあるよね。なんでも男女お揃いではなくていいですよ。オリンピックは男女別でしょ。
でも、税法で男女別はダメ。
女は稼げないから20%オフとか、男性は稼げるから15%加算とか、それはおかしい。
様々な世界で、男女差がある。きっと、なくならないだろう。
だからこそ、税の世界だけは男女平等であるべき。
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2020年10月12日
最高裁では、某寡夫控除的な裁判について、
「男女差別ではありません、サラリーマン税金訴訟でも言っている通り~」と判断したようです。
裁判所は立法について口出し出来ないので、判決も制限があるようです。まぁね、これで「違憲!」と言ってしまうと、租税法律主義に基づいて行った国民の確定申告はどうすればいいんだ、ってことになっちゃうもんね。
裁判所でどうにか出来ないのであれば、税制改正しか手段がないでしょう。令和2年から開始の寡婦ひとり親控除の改正は、ひとり親に焦点をおいた改正で、改善はされたものの男女平等と言い切れない。
税理士会には、官公庁に対して、租税に関する建議権がある。(税理士法49条11)
(ちなみに政治家に対して税制の問題点を説明するのは、税政連が担当する)
税理士は、税務上の性別による不平等を見過ごしてはならぬです。
第49条の11 税理士会は、税務行政その他租税又は税理士に関する制度について、権限のある官公署に建議し、又はその諮問に答申することができる。