政府税制調査会2020年11月13日@納税環境整備デジタル化

2020.11.28 政府税制調査会2020年11月13日開催の議論をWEB視聴。おのでらの偏った意訳メモです。

1,岡村委員から、納税環境整備に関する専門家会合の議論の報告〕があり。

資料は次の通り。

内閣府HPより 税制調査会 納税環境整備に関する専門家会合について報告PDF → https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2020/2zen4kai1.pdf

岡村委員は、京都大学の法学系教授さんです。

2, 委員の意見

2-1 佐藤主光委員(一橋大学の教授)

わたし、大好きなのです、サトウ先生。変わったことばっかり言う。本当に面白い。

①2023年のインボイスで会計どうなるかの議論もよろしく

②el-tax、固定資産税も含めるべき

おのでら:(これは意味が分からないけど想定しているのはどういうこと?)

③デジタル化、制度全体について考えるべき。個人住民税は現年課税にしていくべきだ。出国して個人住民税がかからないのはおかしい。デジタル化になれば住民税の現年課税は出来る。

おのでら:(デジタル化せずとも、住民税の現年課税は可能だと思います!)

岡村委員からの回答:インボイスと固定資産税el-taxは議論の俎上には上がらなかった。住民税の現年課税化は議論されている。

財務省?中島さんからの回答:①過去の議論でインボイス導入を見据えて検討した。ペーパーレス化などが求められている課題を認識しています。

総務省からの回答:固定資産税の共通納税について、検討を進めている。実現に向けている。

市町村民税課長の回答:電子化が進めば現年課税化への課題が解決されていく。ただ、切り替え年の前年課税分と現年課税分の徴収の課題があることを理解している。議論を深めている。電子化の進捗を見ながら検討していく。

2-2 熊谷委員(大和総研)

①外国ではコロナ給付が早かった。日本は遅いのでデジタル化は急務だ

おのでら:滅多にないよ、こんなことは。調べたから言いたかっただけな感じ。

②岡村委員からの報告を受けて、申告から納税まで電子化で済ませるシステムが急務だ

おのでら:仕組みは既に出来てます。

③無謬性(むびゅうせい。誤りのなさ)へのこだわりを捨てるべきだ。過剰なコストになっている。改ざん防止は必要であるが、費用対効果を考えるべきで、規制を緩めるべきだ。

おのでら:いやいや・・・・。それは違います。税は効率性ではなく公平性が一番なので、多少のズルは見過ごすという考えは危険です。隣の人がズルしてバレてなければ、みんながズルし出す。公平性が保たれないと感じたとき、民衆は暴動を起こしてきた歴史があるように思いますが。

2-3 林正義(東京大学教授)

①クラウド会計について、クラウドを強調している理由はなんですか

おのでら:ほんとですね!ほんとよ!素晴らしい指摘です。

②国と地方のシステムを統合できないのか。課税ベースは重複しているのであるから、納税者にとって二度手間では?

おのでら:そうなんですよ!タテワリなんですよ!もっと言って。

③ハンコ省略でむしろ電子手続きが煩雑になることがある。手続きの簡素化が目的であることに立ち返るべき

おのでら:そうよね!政治家の「やりました感」が優先してますよね!国民をバカにしていないでいただきたい

④医療費のお知らせについて、医療費控除のために役立っていないようであるが。

岡村委員からの回答:①クラウド会計利用者が増えているからクラウド強調しました。クラウド利用による改ざん防止(ログが残る)への期待。②今回の守備範囲外。

財務省?中島さんからの回答:①クラウドを強調している理由、低コストで個人も手軽に利用できる。バージョンアップの際にクラウドなら自動でバージョンアップできるなどあります。利便性の良さがある。補足します。②国税・地方税の統合。納税について、国税と地方税でそれぞれ手当てしている。(国と地方は統合していないので、答えにはなっていない)

総務省からの回答:たとえば給与支払報告書はel-taxに提出すればe-taxに回すこともあるので国税と協力して進めていきたいと考えている。

2-4 清家委員(私学共済理事長)

マイナンバーカード活用について。納税者にとってメリット・インセンティブを考えるべき。対応のために大変になるなら意味が無い。中小零細企業の(対応能力?)のことも考えるべきだ。

2-5 足立委員(甲南大学教授)

デジタル化は、もはや一部企業に迎合したものではない。所得申告は社会インフラに使われる(コロナの支援のように)ので、記帳水準向上に努めるべき。

2-6 神津リキオ委員(労働組合長)

フリーランス、あいまいな雇用といった立場の弱い方々も含め、国民生活を守るべきだ。正確な所得把握は大切。プラットフォーム業者からの情報提供を制度化すべき(支払調書でフリーランスの収入把握すべき、という意味と思われる)。マイナンバーカードを活用すべきだ。

2-7 赤井委員

デジタル化を進めるべきだし、そのチャンスだ。すべてに於いてマイナンバー連携をして活用すべき。

押印の代わりにマイナンバーカードでもよい。(ハンコの存在でなく)本人に結びつくことが大切だ。

おのでら:マイナンバーカードがハンコの代わりになるのは、本人に結びついていない。カードを渡せば何でも出来ちゃうのは問題。実印と印鑑証明書がマイナンバーカードに変わるのは、安全性が保てない。マイナンバーカードがあれば何でも出来るはダメ。

2-8 土居委員(慶應義塾大学教授)

記帳水準向上は、事業者の経営力アップのインフラだ。クラウド会計ソフトがあるから記帳水準向上は出来るだろう。それがあっての税務の適正申告につながる、という順序だ。

政府からは経営力アップ→税務計算にも利用する、という言い方にすべき。会計ソフト業者に開発してもらえばいい。(おのでらの独自解釈)

おのでら:クラウド会計業者は儲かるだろうけど、事業主が騙されているように聞こえるけど・・・。クラウド会計は、一部の中小零細企業にはいいけど、ある程度の規模になると活用弊害が出てきます。単語が一人歩きしています。

2-9 田近委員

税務手続き電子化を進めるべき。データをデータのままやりとり出来るように改革すべき。

2-10 吉村委員(一橋大学の教授)

個人データ保護の観点から不安に思う人もいるだろう。他国から学ぶべきだ。

2-11 大田弘子委員(政策大学院特別教授)

①中小法人もe-taxを100%にすべき。導入支援し、その後ペナルティを課すべき

②白色の記帳不備70%について(岡村委員からの報告より)。クラウド会計が(手頃に?)つかえるのであるから、支援し、白色は廃止又は例外的措置とすべきだ

③複式簿記のインセンティブをやめて電子化へのインセンティブに切り替えるべきだ

おのでら:全然ダメ。

申告納税制度なのであるから、e-tax強制は国民主権制度にそぐわない。ダメ。

白色記帳不備70%は、税務調査に行った先の否認理由かと思われる。調査に行って課税庁が満足する帳簿がなければ記帳不備とするのであるから、70%記帳不備という岡村先生の情報提供方法はミスリードしている。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。