政府税制調査会 第8回ハズレ回 令和4年4月4日開催レポ

2022.4. 政府税制調査会の第8回!令和4年4月4日開催。

外部有識者に聞く!「デジタル化が社会に与える影響」がテーマです。

デジタル化について、大学の先生達のプレゼン会。税の話ではなく。ハズレ回です。

3人の先生達のお話。面白いのもあったけど、税制調査会でソレ??

外部有識者からのヒアリング
テーマ:「デジタル化が社会に与える影響」
➢ 慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室 宮田 裕章 教授
➢ 東京大学大学院工学系研究科 森川 博之 教授
➢ 東京大学大学院工学系研究科 松尾 豊 教授

第8回 税制調査会(2022年4月4日)資料一覧 : 税制調査会 – 内閣府 (cao.go.jp)

プレゼンの感想

松尾豊先生は、「教え子の多くはスタートアップを選んでいる。支援を」とのことで、税制を調査する場ではなく補助金プレゼン回の模様・・・・。

ベテランの教授から教わるのではなく、年が近い教授の下で教わるのではなく作業をしてみるのがいいらしいです。そうなのかしら。

東大って国立大学だから税金が投入されているので、そういう、「学生がやりたいことをやる」のはサークルでやってもらえません?

意見交換

1:09 サトウ先生からの意見

宮田先生(だったかな?)母子家庭の支援についてお話があった。徴収と給付の一体化をすべきだ。組織の縦割りの弊害を解決するといい。給付付税額控除、所得税に関連するだろう。

(おのでら:弱者救済の論点からデジタル化推進は、違うと思う。支援を受けている人たちは、所得がないなりに申請しているので市役所で把握しているはず)

消費税のインボイスについて考えるべき。電子インボイスを推進するべき、紙は無理だ。サプライチェーンの見える化にも貢献できる。

(おのでら:電子インボイスはいいと思うけど、個人商店などの小さいお店は対応が無理です。あと、もうデジタル化のための電子機器部品のレアメタルがないよね。3万円未満はインボイス無しOKにするしかないわね)

スタートアップへの支援はすべきだ。今の企業の支援ばかりではなくこれから生まれてくる支援をすべきだ。

(おのでら:お金を貸してあげるならば賛成。人からのもらいもんを当てにするのは違う。クラウドファンディングだって充実している。ある程度のリスクを背負って成功を目指すべき)

5Gの船に乗ってみようはそうだが、リスクを誰が取るのかが不明確。

(おのでら:国のおカネを取り合い合戦だから、リスクなんて誰もとりません。雇用調整助成金の大盤振る舞いで、雇用保険料の事業主負担が令和4年9月から激増します。結局はこういうことなのですよね・・・・)

1:12 岡崎委員

社会保障の仕事を長くしてきた。介護保険のデータがある。母子手帳からのデータを活用すればいいのでは。学校に入ると文科省のデータになってしまい、卒業後に何年か後に削除され、大人になって以降にデータが繋がっていない。赤ちゃんから高齢になるまでデータを一元化すれば健康管理出来るのでは。診療報酬もオンラインすべきだ。

(宮田先生)システム連携をすることが大事。一元化というと誤解されるのだが、イギリスのように相互運用可能性を考えてサイクルの中で繋がるようにするべき。プランバシーに配慮しながら、データを繋げるべき。

1:17 イイマサコ委員

IT投資は医療分野でもしてきた。なぜうまくいかなかったのか。

デジタル化を前提にした診療についての意見も聞きたい。

(宮田先生)繋がるITシステム、マイナンバー連携など外国では成功している。連携運用をデザイン・発注までコントロールすることが大事。持続可能な税制を考えると、病気になる前から支援するべきで、スマホで歩行速度が分かるので、健康で長く生きることができるように医療システムを考えるべき。

1:20セイケ委員

最大多数で中間層以外の方(シングルマザー)に手厚い支援をしようという理屈は分かる。困難な状況を多数の人々に伝えるといいのでしょうか

(宮田先生)共感されにくいことをデジタルの力で自分事だと認識してもらえばいい。「自分がどんな立場に置かれても肯定できる仕組みが良い」(ウクライナという弱者が困っている今に言及)

多様性に配慮するコストを下げ、デジタルの力で対応できるようにすべきだ。

1:25 トヤマ委員

デジタル化には業務効率化と付加価値を生むという論点がある。スタートアップ支援が大切。既存企業は業務効率化は出来るが、付加価値を生むのはできない(限定的?)。スタートアップ支援は将来の税収増加のために必要だ。設備投資税制より、東大慶応のスタートアップ支援

(森川先生)変化球コメントですが、スタートアップ支援を行う企業が大事。スタートアップはパーツなので、パーツを組み合わせる企業も必要だ。

(松尾先生)スタートアップ支援大事です

(宮田先生)スタートアップ支援をする人が少ない。

1:31あたり 熊谷委員

伸びてる分野に支援が必要では。産業の新陳代謝が起こっていない。現状維持バイアスが強い。選挙があるからだし、マスコミや教育にも問題がある。デジタル化が外国と比べて遅いのは何故ですか

※おのでら:質問ではなくて意見表明

(森川先生)国のコントロールが必要では

1:37 アダチ委員

子供の貧困等情報のデジタル化

(宮田先生)一人ひとりのためにデータを使う。プライバシーに配慮し、人々から信頼される価値を作るべきだ。データを使うための権利擁護が必要

取引情報の把握情報について

(森川先生)価値はなんなのかを考えてデータを集めるべきだ。コストも考えるべきだ

AIと中小企業の相互連携について

(松尾先生)AI技術者も増えてくるので、中小企業もAIを活用していくであろう。その投資促進もすべきだ

1:42 テライ委員

デジタル技術の地域振興について。地域政策、これまで過疎過密を考えてきた。(都会から地方へ若い人を移住させたい)人口分布をデジタル技術でどうにかできるのか

(松尾先生)人口分布を変えることはどうなのかと思う。地方でも働きやすい環境を作ることは可能だ。高専などでは、技術について出口から逆算するニーズが高まっている

既存企業との連携、技術の活用という視点では現在かけている視点はなにか

(宮田先生)地域に仕事がないと若者が地域に未来がないと考えがち。地域単独ではなく地域同士で連携して未来を作れるようにすべきだ

(森川先生)遠隔で仕事できるようになった。地方ならではの価値を考えるべきだ。地銀のデジタルが遅れているが、地銀に期待している。

1:49 タケダ委員

労働市場の柔軟性が必要。配偶者控除や退職金税制(長期勤務が有利)など、変えていくべきでは。デジタル人材、といった”名前”が躍っているのでは。

(宮田先生)論文しか評価されない業界がある。多様な人材が力を発揮できるようにするならば、人材評価の在り方は変わるといいだろう。副業で連携から発展させていくようなやり方がいいと感じた

(森川先生)デジタルで何ができるのか、という雰囲気を感じておくことが大事だ。1時間あれば分かるので、現場の方々に理解していただきたい。主役はあなたたちです、と分かってもらうことが重要だ。

(松尾先生)デジタルという言葉が躍っていてもいいと考える。どんな手段でも進めていけばいい。プログラミング等ができる人材のことを指している。

1:55 ウメザワ委員

スタートアップ政策、退職金税制は変えるべきだ。個人のリスキル費用について全額所得控除すべきだ。キャピタルゲイン課税の増額には反対だ。

WEB3,トークン評価益課税を実現益課税にすべきだ。暗号資産課税は申告分離課税にすべきだ。政府の持つ情報をタイムリーに外部に出すということだと思うが、そのインセンティブを考えられないか

(中里先生)少しテクニカルになりますが、、、

おのでら:質問ではなくドヤ意見という感じ・・・・・回答する先生も苦慮されている様子。質問力が乏しかったのでは。時間をとってお話してくださる教授などの先生に対し、さん付けしたのはウメザワ委員だけ。

(先生)データの死蔵はよくないが、国がデータをなんでも抱えてしまうのはほかの国のような問題がありえる。組織の出がらしに価値があることはある。

2:02 ミヤナガ委員

データの使い残しを溜めておく何かがあり、その(データの提供の見返りとして?)インセンティブたる税額控除などがあるとありがたい。スタートアップには今ある資産を再利用(?)することが多いのでは。

(宮田先生)出生児体重をデータ共有すれば虐待との関連性も出せるだろう。中国では光熱費支払いのデータを活用している。つないで価値創出すべきだ。

2:08 石井委員

政府が子供のデータベースを構築するという意見を聞くたびに思うが、プライバシーへの配慮がどこまでできるのかという懸念はある。困難を抱える前に子供を救いたいと思う。

仮想通貨が一般的になる場合の経済秩序について

(宮田先生)プロファイルまでに踏み込んだ一元化したデータということまで踏み込んだ議論ではない。担当部署間の運用可能なフローを作ればいいと考えるべきだ。集めるだけではなくプロセスの運用も含めてシステムを考えるべきだ。

(森川先生)多様性について。テトリスのパーツの組み合わせについて。

(松尾先生)3Dアバター(メタバース)でAIが使われる。

2:17 神津委員(税理士)

蒸気から電気への移行が30年かかったというお話、生産性についてはじわじわと浸透させることが大事なのだと分かった。税制調査会なので税務の話をしますが、税務のデジタル化が急務と言われています。電子申告がはじまり相当な年数が経過していますが、来年10月から消費税インボイス制度が始まり、電子帳簿法の完全実施が2年後と、急速な対応が要請されている。

長野県の農家さんとお話に行きました。

田んぼを麦作に変えられないのかと質問すると、脱穀機など稲作対応だから麦作に急に変えられないのだというお話を聞いてきたばかりです。

(森川先生)インボイスは早急にやるべきです。ガタガタしてしまうかもしれませんが、やるべきです。長い年月がかかると言ったのは、価値が分かりにくいものを言いました。インボイスのような明確にやらなくてはならないものは急速にすべきです。

2:20 ナガサク委員

お金がまわるのかという懸念があります。霞が関ですら数字のすり合わせができていないのに大丈夫なのか。国民がデジタル化が自分事として考えられるかどうか。マイナンバー取得率を100%にして、でDX化が達成されるのでしょうか。

(宮田先生)マイナンバーについて。人々にとってどんな価値があるのかを説明しなくてはならない。マイナンバー取得率100%は役所の目標です。デジタル化でシングルマザーが救える。

(おのでら:お金配れば、マイナンバーカードのありがたみを感じるけど、それでいいのかしら)

(森川先生)試行錯誤が大事だ。どんどんチャレンジしてくことが大事。失敗はしょうがない。

(松尾先生)スピード感をもってやっていくことが大事だ。

2:26 秋田委員

子育て福祉が専門なので言いたい。短期的・長期的、なにを重視していくのか。

(宮田先生)サイクルをまわしていくことが大事。ともに何を大事にしていくのかを考えていく、可視化していく能力

(森川先生)変えない方が楽なので、変えたくないのでしょう。厳しくないと変わらない。厳しさも必要だ

2:32 辻委員

CXについて、どのくらいの時間をかけるべきか聞きたい。

高専について、高専の人気が低迷しているように思う。人の流れカネの流れを変えるべきであろうか。

排他的所有から共有へという無形資産の話があった。資産課税のあり方を変えていくべきであろうか?

(森川先生)直接的な回答ができないが、僕の夢は税金でお酒が飲めるようにしたい。

(松尾先生)高専には今でも優秀な人材がいる。これからさらに人気が出るだろう

(宮田先生)有形資産そのものも運用価値が変わっていくだろう。データとつなぎながら運用していくことになると、有形資産の価値もどう変わるのかを考え税の在り方を議論していくことが大事であろう。

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雇用の流動化と退職金課税の廃止について

おのでらは思う。退職金課税廃止はいいけど、最初に公務員の退職金と共済年金を廃止してよね。雇用の流動化はいいと思いますが、それはベーシックインカムのような生活保護システムがなければならないので、厚生年金を廃止してみんな基礎年金だけというシステムにしないと、仕事にあぶれちゃう人が治安を悪化させてしまいます。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。