政府税調 第20回 消費課税 車体課税の説明

2022.11 政府税調 第20回 令和4年10月26日開催 消費課税について。今回は車体課税の制度について、役所の方の説明を聞いたおのでらのメモです。

政府税調 第20回 資料 → https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2022/4zen20kai.html

(関連記事:政府税調 第20回 一般消費税の説明)→ https://mina-office.com/2022/11/06/seifu-zeicho-20-shouhi/

(関連記事:政府税調 第20回 委員の意見)→

0、おのでらの感想:

ネットニュースやSNSで、「走行課税けしからん」って何かと思ったらコレですね。ちゃんと確認しないで変な煽りニュースになっている・・・・。

電気自動車だらけになったら、道路の維持管理の財源が不足するんだね。20年後くらいでしょうが、走行課税でよいと思います。

地方の公共交通は減少しているって、地方に鉄道で行くと強く感じます。鳴子から鬼首温泉へ公共バスで行った時も思った。デマンドバスの普及をどんどんやってほしい!

私は自動車が不要なほどの都会で暮らしていて、ドライバーのレベルが落ちていると思う。スマホしながら運転したりわがままな路上駐車が増えている。都会でチャリ代わりに車を使うと渋滞するし駐車場は足りない・・・・。

自家用車でなければならない事情があるのかもしれないけど、都会ならタクシーもあるしバスも頻繁にあるから活用してね~!

将来的に走行距離課税にするにしても、公共交通の乏しい地方への配慮をお願いいたします。都会の後期高齢者への免許更新は制限してほしいです。(後期高齢者になると、タクシーの乗り方も覚えられないケースがあるけど)

46.30

1、財務省より車体課税の説明

財務省 税制二課 ヤマカワさん

車体課税について

総20-2 PDF → https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/4zen20kai2.pdf

1-1 車体課税の経緯と現状

車体課税は、地方税の方が多い。国税は利用の車体課税として車体重量税があり地方に譲与している。走行の車体課税として揮発油税等がある。一部地方に譲与している。

昔は国税も道路特定財源だったが平成21年に一般財源化された。

4頁、燃料課税の税収は年々減少している。省エネが進んだことが要因のため良いことである一方、(後程補足の説明をするが)電気自動車が増えると加速度的に燃料課税の税収は減る。

5頁、平成21年、自民党政権末期の頃は一律6300円だった(長方形だった)。リーマンショックなどの経済背景もあり民主党政権でエコカー減税導入。環境に悪い車は6300円のまま、といった改正がなされ、階段状になっていった。

1-2 ガソリン車と電動車の公平感

8頁、財務省の視点。

短期の視点として、環境性能に応じて自動車重量税の免税・軽減がある。免税・軽減の対象外の自動車は31%である。この状況が公平かどうか。厳しい財政の中でインセンティブになっているのか。

9頁、経済産業省、2035年までに電動車100%を目指すとしている。エコカー減税でそういった仕組みが妥当かどうかを問題提起したい。

1-3 電動車も道路補修費用の負担を

10頁以下、中長期の視点をご議論いただきたい。

道路特定財源だったという歴史を申し上げた。昔は道路特定財源の税収が多くて無駄遣いしているといった批判もあったようだが(そんなことはない)、今は財源が足りない(かなり足りない)。道路等インフラ維持管理・更新の見通し、壊れたから直すのではなく、予防管理を行って節約していっても財源は全然足りない。

車体課税の性格、車両の重さに応じて道路のダメージを考慮して課税している。EV車の方が電池を積むので20%~30%重い。2倍から9倍ほどのダメージが多い。

12頁以降、自動車についてグローバルな視点から説明を行う。大変革の時代になっている。「CASE」

「S」はシェア&サービス。ライドシェアが増えた。「E」は電動車の普及。充電インフラが必要。(だが財源はどうするのか)

15頁、「C」のコネクト、「A」の自動運転も含め、道路空間の高度化(資料にある自動運転のための整備)が必要。

1-4 交通弱者の解消(重要な視点!)

16頁、視点を変えて、子供も巻き込まれる高齢者ドライバーの事故がある。高齢者の免許返納が増加している。しかし、交通弱者となる高齢者の不安の声が大きくなっている。予算の効率的な執行はあるが、自動車社会を横で支える地域交通への目線は重要と考える。

(おのでら:それ!!)

17頁、電気自動車は取得・保有では税負担があるが、走行段階ではガソリン税がないため税負担がない。

(財務省として、個人としても?)EV車の普及を推進するべきと考えており、妨げる意図はない。

EV車の普及の後、欠けている部分がないかをご検討・ご審議していただきたい。

1.01

2、総務省より車体課税の説明

総務省アマリ室長

資料 総20-5 PDF → https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/4zen20kai5.pdf

地方税では、取得時と保有時に車体課税を行っている。利用時と走行時に一部国税から地方に譲与を受けている。

車体課税の地方税収も年々減少している。

自動車取得税は、消費税10%増税と同時に廃止、(名前を変えた)環境性能割(道路補修を目的に取得時に課税。非課税部分もある)などが創設。自動車税の恒久減税も開始。

自動車税は財産税的性質、道路損傷負担金の性質がある。排気量により税負担が大きくなる。電気自動車は少ないランクにしている。

9頁、令和4年度上半期の段階で、ガソリン車が54%、年々、電気自動車(ハイブリット含む)が増えている。

10頁、地方税の車体課税も減少している中、道路インフラの維持管理コストは増加するため財源不足になる。

11頁、地方偏在性が大きい。

(おのでら:これは違うと思います。東京は人口が多いけど、車を持たない人が多いので、取得・保有の税について偏在性はしょうがないです。都会は、自宅から駅まで歩き、通勤や移動は電車で済む人が多いです)

12頁、国際比較すると車体課税は低め。

1.10

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。