政府税調 第20回 消費課税について 委員の意見

2022.11 政府税調 第20回 令和4年10月26日開催 消費課税について委員からの意見。おのでらが聞いたメモ(なので、書き起こしではありません)

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0、おのでらの感想

国外のアプリ作成事業者には事務処理能力がないのでプラットフォーマーが役務の提供を行ったとみなして課税すること、いいと思います。源泉所得税ならぬ、源泉消費税みたいなもんかしらね。

車の課税、勉強になりました。地方のお年寄りが、外に出られなくてつまんない思いしなくていいようにしてほしい。20年後、自家用車の保有は贅沢品になるってくらい車体本体価格(レアメタルなどの原材料が減るので)と維持コスト(税負担含む)が上がるかもしれない。それでいいように思います。なるべくライドシェア(ご近所などの相乗り)。

神津会長のブッコミでインボイス。盛り上がりました!デジタルインボイスで決済機能もついてれば、利便性が高いから中小企業もやるよ。ついでに消費税の予定納付も出来るようにしておけばよい!コストの問題には引き続き注意が必要。政府税調は現場感覚がないので会計ベンターの営業代行みたいになってるときある。

消費税率は、上がるんでしょうね。まずは贅沢品の複数税率からするのかもしれない。現在の10%の消費税率を「せーの」で13%にするなど、一斉に上げれば財源になるんでしょうけど、そんなのダメ!好き勝手に使っておいて、足りないから消費税率上げればいいやは絶対ダメ。

消費税の増税はちゃんと対策(お金持ちに所得課税や資産税を増税し、低所得者への配慮として税額控除など)してからにするべきです。

1、委員の意見

1.10

吉野委員

自動車関連税には欧米所得と比較して税負担が重いので過重な税負担をやめるべき。関税率の廃止、事業者重量税の廃止、課税根拠、税の在り方を整理し簡素化・廃止するべき。地方財源確保の観点は必要。(前半で退室するからと意見表明されていました)

石井委員

23頁、グローバルな消費税について、デジタルプラットフォーム業者に納税義務を課す方向でいいと思う。消費者の個人事業主について、グレーゾーンがあり、きれいに分けられない取引形態について、どう税額を決めていくのか気になる。

地方の車体課税について、インセンティブと財源、税負担のバランスを考えていくべき。(EV車が)最低税率のままでいいのかという問題提起をした。

神津委員 流れ無視してインボイス

今回の説明がされていなかったインボイス制度の適用について意見を申し上げたい。

令和5年10月から適格請求書保存方式の導入がされるが、中小企業者の柔軟な対応をお願いしたい。

免税事業者の益税の問題などがありインボイス制度が決まった。日本全体のDX化の観点からインボイス制度の必要性を感じている。一方で中小事業者の取引排除の観点もある。中小事業者の事務負担が軽減される仕組みが必要だと感じている。その中小事業者への事務負担軽減への配慮があればインボイス制度のスムーズな導入が可能だと感じる。

消費税について国民への周知が足りないと感じる。国民の制度の仕組み理解のための広報を願う。(おのでら:消費税は、最終消費者が国民であるという前提での発言かなと思いました)

吉村委員

消費課税について、出張して聞き取りをしてきたが、仕向地主義の観点からプラットフォーム業者に一定の義務を負ってもらうのが必須だ。

自動車関連諸税について、インフラ維持のために費用の一部を負担いただくのが自然だ。カーボンニュートラルの観点を含め、体系的な税制の議論をすべきだ。

(前半の質問で)外国人のみ消費税率アップという意見があったが、租税条項があるので無差別条項があると不可能です。(なので外国人のみ消費税率アップは不可能)

1.19

佐藤委員

1、インボイスについて。確実にやる。デジタルインボイス普及に努めるべき。税取引だけではなく様々なデータ(生産地など)を入れることも出来る。広い視点で始めてもいい。

2、プラットフォーム業者課税について、資料24頁。プラットフォーマーに納税義務を課すのは世界の潮流なのでやるべきプラットフォーマーの情報提供義務は所得課税の観点からも必要

3、車体課税について。軽自動車税、エンジンの大きさと道路の摩耗は一律ではないので道路の摩耗に着目するならば車体の重さを尺度にするべきだ。(県税と市税で)課税標準が全然違うので一本化すべき。保有の課税を続けるならば重量に着目する課税がいいのでは。

保有から利用への展開、利用段階での課税もあるのでは。

(高速道ではなく一般道)道路利用税があってもいい。GPS使うかカメラを使うか、時間帯に応じて課税を変えるなど道路利用の利便向上も出来る。個人情報に配慮の上、技術の進歩に期待し、中長期的視点で考えるべき。

財務省二課長の回答
・石井委員の発言について

事業者かどうかのグレーゾーンについて国によってやり方が違う。日本ではもっぱらBtoBに着目しているため~(とリバースチャージとそれ以外との説明)。海外ではサービスごとではなく、インボイス番号があればリバースチャージ、インボイス番号がなければBtoCで売り側が納税している。累積排除する仕組みが出来ている。

・神津会長の発言について

インボイスについて月に2000回~3000回の説明会を行っている。不足ということであればもっと努力する。小さな事業者には基本的なこと(インボイス発行義務がないこと)も浸透していない。6年間は経過措置もあるので、免税事業者の取引排除はないと考えている中小事業者への配慮も検討してまいりたい。

(広報は税務署の人お疲れ様。神津委員は「一般消費者への」プロパガンダが足りないと言ってると思います)

・佐藤委員のご発言について

ご発言通り、デジタルインボイスが目的ではなくデータが統合され、世の中全体のデジタル化に寄与してまいりたい。(デジタル庁の予算もついている)

(中里会長)インボイス制度はくれぐれも現状を踏まえた丁寧な対応をお願いいたします。

1.27

翁委員 インボイスで金融取引も連動し

今ご指摘があったインボイスについて丁寧な説明で広げていくことが必要。デジタルインボイスで経理関連(入出金)もスムーズになることを望む。

車体課税について、佐藤委員からあったように保有から利用への変化があると思う。なぜ車体に課税かを立ち返ってデータを取りながら議論できるといいなと思う。

(中里会長:デジタルインボイス、金融との連動ということですよね。いいと思います)

赤井委員

財務省資料の26頁の通り、皆さんと同様にプラットフォーム業者への納税義務に賛成。いつどのように始めるのか議論を始めるのがいいと思う。

EV車にも税負担してもらって普及促進と財源確保をするのがいい。高級EV車もあるので、垂直的公平の観点から取得時の課税も考えるべき。

財務省資料の3頁、今日の説明では省略されているが航空課税、コロナ前に戻す検討してもいいのでは。国際旅客課税の整備財源で負担していただくのがいいのでは。

刀祢館委員

中長期的な消費課税の視点から、私も消費税率の引き上げ検討は必要と考える。使途を国民によく説明すべきだ。勤労世代と老齢世代とのバランスは必要。社会保障制度の改革も必要になる。(足りないから増税、では納得されないだろう、の意味かな)

財政の持続性、健全化の観点から、防衛予算の増額などの論点が出てくる。消費税の役割、歳出歳入の全体像を議論するべきだ。

寺井委員

ガソリン車とEV車との公平感を検討するべきだ。

国境を越えた役務提供について。25頁、

佐藤二課長の回答:国内取引で完結できるが、執行上の課題があるのでプラットフォーム業者を事業者とみなして課税するという考え方が成立すると思う。欧州の場合は域外取引・域内取引・国外取引がある。域内は自由に取引をしていた。プラットフォーマー課税に意義があった。共通のマーケットだからです。海外の事情を勉強してまいります。

(中里会長:田中主税局長と深く議論したので、それをまとめて寺井委員に報告をお願いします。)

(おのでら:リバースチャージ関連は説明が難しいので、本筋ではない「気になるから知りたい」の質問への回答を完璧にするのは時間の制約がありこだわる部分ではないように思う)

辻委員 消費税は少額少率で上げられないか

自動車課税、大前提として一時、道路を作りすぎと言われていたが維持管理にお金がかかっている。維持しなければ意味がない。EV車が広がっても(道路は)維持しなければならない。(ので、負担してもらう)

現在のエンジンがないから安い税負担は疑問。高級EV車には税負担を多くしてもいいのでは。

消費税全般について、社会保障財源が足りないので住民の負担感覚が少なく消費税率を上げればいい。まとめて上げるよりも少額少率で上げるのがいいと感じる。

武田委員

1、国境を越えた役務提供について、クロスボーダー取引に対する日本の姿勢を表すことに賛成をする。時代の変化に対応しつつ、一歩先を見据えた検討が必要だ。

2、社会構造が変化する中で、消費税のウエイトが増えた。他の意見と同様に社会保障改革と一体して消費税の在り方を考えるべきだ。日本は受益の議論が先行しがちだが、受益と財源の議論はセットにすべきだ。

足立委員

自動車諸税の視点から、受益と負担について抜本的に考えるべきだ。税収の利害関係者(国・県・市)が多い。(前半で退室する人用に続けて)

岡村委員

田近委員佐藤委員寺井委員、中里会長からの発言があったが、これまでの経緯がある。プラットフォーム事業者については、報告義務の回があったが、不動産賃貸・フリマサイト・カーシェアの回で議論があった。

田近委員からピラ―1の話題が出た。国内に事業所がないのに国内に役務提供があったらどうする、という話の事です。EUではDSTが出来ているが、日本では事情が違うので(どうするんだろうか)。

電気通信利用役務の提供の改正と、前回の会議であったプラットフォーム事業者の報告義務の問題、PEなくても課税権を主張する、について一体としてお考えいただければと思います。

佐藤二課長の回答:デジタル化経済において小さい事業者でも(従来なら相手にされないような規模の事業者でも)デジタル化だから取引の中に入れるようになっている。プラットフォーマーの果たす役割は大きく、なので欧州では受け入れられていると感じる。DSTについては縦割りですので、私からはなんともコメントできませんが(笑いが起きる)プラットフォーマーの責任が重くなっていくのは国際的な流れだと思います。

1.56

2、途中退室する委員の意見表明

24.30

土居委員 消費税増税を 走行距離課税を

20.6兆円が不足しているので社会保障財源として社会保障財源確保するために消費税の増税を検討するべきだ。すぐにはアップできないのであるから(後回しにしないで)

総20-1の24頁25頁にある通り、欧州のようにプラットフォーム事業者を事業者とみなす制度を導入するべきだ。

途中退室するため(事前資料を読んだだけで説明を聞いていないが)自動車課税について。脱炭素化に向かって電動車普及に賛成するが道路を消耗させるため、ガソリン車が減るため道路整備の財源が確保できず、道路がデコボコ・・・という状態は避けたい。走行課税を検討するべきだ。走行距離課税を提案したい。

田近委員

クロスボーダー取引についての意見を述べる。日本がどう取り組むのかの姿勢を示すべきだ。総20-1の19頁、オンラインゲーム配信の課税についてだけではない。直接税の方でも議論されている。OECDの2つの柱の問題、クロスボーダーの問題。税調できっちり把握してピラー1ピラー2、付加価値税についてしっかり考えて欲しい。

秋田委員 消費税増税はいつから

時代変化と共に日本が取り組むべき問題がよく分かった。土居委員の意見と同じで有効な政策に配分されたと考える。質の保証、子供子育て保障についてベストではない。消費税は海外比較して低いのでいついくら上げるのかを議論すべきだ。逆進性の配慮も必要だ。デジタルプラットフォームの付加価値税の納税義務を取り組むのが必要だと感じる。地方消費税は偏在性が調整できている。人口減少による格差を調整できる(と期待している)

吉野委員 消費税はマイナンバー利用を

安定財源確保の観点から2つ。

①消費税について、軽減税率制度では低所得者に対する逆進性を解決できない。マイナンバーを活用した制度にするべきだ。

②酒たばこ課税は二重課税なので廃止すべきだ。

足立委員

デジタル時代に即した課税にするべきだ。(おのでら:国外事業者非課税、ではないです)国外事業者の公平性の確保が必要。国外事業者の2年間免税には違和感。

国境を越えた役務提供に関する税収は清算基準から除かれている点は問題視している。(おのでら:ん?こちらの意見はなんだろう?)

宮永委員 取引の公平性

クロスボーダー取引についてより深く詰めていきたい。プラットフォーム業者は公益性が出てくる。サービス(ソフトウェア)とハードウェアに差が出てこなくなってきていると感じる。輸出・輸入といったモノがある場合とサービスとの課税は同じであるべき。

消費税率は国際比較も考慮し、競争力の観点から国の在り方を考えていくべきだ。(消費税の)課税対象を(公平感の観点から)広げるべき

中空委員

国により税率が違うため消費行動が変わっているのか。海外の人が払っている分がいくらか聞きたい。

高齢者が多い場合には消費税がフェアという意見にそうだな、と思ったが、国際的には高齢社会の消費税率は何%が「べき論」があれば聞きたい。

円安なので嗜好品(贅沢品だけ20%といった複数税率)や外国人からの消費税率を上げることは可能か?

(サトウ課長の回答)海外の消費税率は国内消費です。ヨーロッパのような陸続きではないため日本の場合、海外へのモノの移動が(陸続きの場合と比べて)容易ではない。海外の旅行者が主に日本の消費税の負担者となるが、国内消費は計測していないが、全体から見ると少ないと思われます。

高齢化率と消費税率の現象面をまとめたものを見たことはあるが、「生産年齢人口が低いので所得課税を上げて勤労者の負担増」となるので「広くみんなで課税を」という観点から消費課税に負担が寄ってくることが予想される

外国旅行者に対してのみ消費税率アップは実効性が伴わない。

(おのでら:消費税は、専門外だと理解が難しいですよね。特に外国がらみの消費税は、資料の説明で充分ではあるけど詳細まで説明しきれないから、部分的に意味が分からないですよね。)

(おのでら:中空委員は、税の専門家ではないのに今回の参考資料まで目を通している。ほぼ毎回くらいに端的に発言されていて立派だなと思う)

0.45

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。