確定申告の税務支援、インボイスの説明をどうするかを検討ス

2023.1.29 今週からとうとう税務支援が始まるよ!前シーズンではほとんど質問されなかったインボイスについての質問がありそう。どうするかを検討いたしました!

前から決まってたのに、直前になって何言ってんのよと思いつつも税務支援ではそれなりの大人の対応をしなければならぬこともあると思います。

・青色申告会の消費税について

青色申告会(JA含む)の職員は、所得税には馴染みがあっても消費税はまったく分からない担当が多いです。そりゃそうよ。消費税には青色申告制度がないのだから、青色申告会の職員は消費税について詳しく知らなくていいと思います。

なので、税務支援の税理士はそのあたりを勘違いしないでね!職員の仕事だろと押し付けちゃうのは酷かなと思います。(臨税制度が残っている地域の場合は押し付けて終わりだけどネ。だってそれが臨税でしょ?助けないよ。)

で、税務支援なので、青色申告会の会員(納税者)の税務相談についてどこまでか、という疑問があると思います。後から消費税の説明不足だと言われても困るもんね。

うちの青色申告会では、消費税申告する会員はかなり少ないです。

多分、簡易課税は売上の数字を入れるだけ、という程度だからやっていられると思う。けど、インボイス制度が今年の10月から始まるので、免税事業者が「どうしたらいいの~」という相談が寄せられる可能性は高い。

青色申告会の職員で対応しきれないケースが多くあって、「税務署で聞いてと言ったけど会員さんにゴネられちゃって。税理士さん、対応していただけませんか?」なこともあるかも。

税務支援の範疇外として、税務署へ行くよう指導して終わり、が正解だと思います。

私は中小事業者の消費税は得意な方だし、地元青色申告会の会員状況もある程度把握できているので、課税になることに決めた会員と直接話す場合に限り、こっそり対応するつもりです!おもしろいし。

(課税と免税と、どっちが得か決めてください、な質問は断る)

青色申告会や税務支援は、支部によって随分と差があるので、私の方針はご参考にとどめてちょうだい。

・私の税務支援、インボイス制度への対応

インボイス制度への対応は、自分のインボイス番号をゲットして、請求書・領収書に記載をすればほぼ終わり!原則課税の人は経費処理にもう1手間あるだけ。

・顧問先ではないから、詳細な状況を把握することはしないので、説明漏れが発生している可能性が高い。参考にとどめてください。

・最終的には事業主の判断ですから、自分で決めて自分で責任をとるのが税務申告。特にインボイスは、覚悟が決まるまで処理しないでください。

・免税事業者のままならば、レシートに「消費税10%」と記載できないので、インボイス制度が始まる10月1日からレジの設定を変更する必要がある。なお、1100円は1100円のままでよく、1000円に値下げする必要はない

・免税事業者だからといって、仕入れや経費の消費税はかかる。

・免税事業者である証明書は存在しない。(インボイス不発行業者の証明書は現在存在しない)

・免税事業者の不動産オーナーで、今までもこれからも居住用の貸付けしかしない人は、インボイス制度は関係がない。(設備投資の還付はない、と言うと長くなるので自分で調べて)

・免税事業者の不動産オーナーで、事務所や店舗など課税の貸付けがある場合、契約書の確認事項があるから不動産屋さんと連携を緊密にする。更新が近い場合は、今からどうするか決める。インボイス制度の知識がない場合、致命的になるので、3月以降に再開される税務署の説明会と相談会を予約して必ず行くこと。(確定申告期はインボイス説明会・相談会は開催されないと思う)

・課税事業者になることを決めたら、インボイスの登録申請書を提出する。書類作成は青色申告会で手伝ってくれる。

・インボイス発行事業者になったら、お客様に渡すレシート・領収書・請求書に、あなたのインボイス番号と消費税率と消費税額を記載する。インボイス制度への対応は、自分のインボイス番号をゲットして、請求書・領収書に記載をすればほぼ終わり!

・簡易課税については一般的な知識だからパンフを読むか税務署の説明会で聞いて。原則とどっちか得かは、税務支援では判断できないから答えない。

・免税だけどインボイス発行する場合、インボイス特例があれば3年間は最大で2割納税の特例が出来る予定だから、納税が少なくてラッキーでしたね!納税資金は売り上げの消費税の20%を確保すること。

・消費税の課税事業者になるからといって、複式簿記が必須ではない。青色10万円控除でも白色申告者でも消費税の計算に有利不利はない。インボイスがなければ免税事業者だったけどインボイス発行事業者を選んだから課税事業差になるの場合、インボイス特例のうち、2割納税については適用可能性は低い。

・既に課税事業者の場合で原則課税の場合(青色申告会では極少)、課税売上がずっと1億円以下ならば、経費1レシート単位で1万円未満は全額控除できる。外注さんなど、1請求書単位1万円以上の場合はインボイス番号の有無で消費税の仕入税額控除の種類を変える。軽減税率8%と10%の区分をするのと同じで、慣れだから大丈夫。できるよ。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。