映画「桐島です」見て来ました。

2025.7.13 映画「桐島です」を見て来ました!民衆運動のことをうっすら長く研究していて、興味があるので。

新宿の武蔵野館は、新宿駅からすぐです。ZARAの上3階。

企業から搾取される労働者、格差是正と世界平和?を願った学生は、正義が高じて暴力的行為へと傾いていき、指名手配されて逃亡生活へ。

・話題の映画ではないのに

この頃の話題の映画といえば「国宝」。歌舞伎界を舞台にした映画で、どうやらガラスの仮面の北島マヤ・姫川亜弓のライバル関係と残菊物語のようなストーリーらしいのです。特に演技演出が素晴らしいと評判です。映像も美しい「国宝」を見ればいいのに(オフィスの建物のエレベーターで広告映像が流れてた)。

しかし!わたしが先に選ぶのは「桐島です」

どうして、普通の大学生だった普通の人が、連続爆破犯として指名手配されるようになっちゃうんだろう?

「理想とする国の未来に対する考え」や「自分が思う正義」が、毒と刃になってしまう境界線はどこなんだろう。

テレビでドキュメンタリー番組を見て、行きつけのバーのマスターや高校時代の同級生、「さそり」のメンバーで満期出所した宇賀神さんの3人が出ていて視聴者の私は気になってまして。

映画があると知ったので!行ってきました!

指名手配犯の顔は見慣れてよく知っているけど、どのような犯罪の容疑なのかすら、あんまり分かってないのです。

イオンシネマ新百合ヶ丘でも上映されていたんだけど、夫の休みと時間が合う新宿の映画館へ行ってきました~。

・どんな映画?

企業連続爆破犯として指名手配された、桐島聡容疑者について事実を元にした物語でした。思想には触れず、普通の大学生が逃亡犯になり、逃亡中の苦しい心情を描いた「一人の人間の青春を描いた」映画だそうです。

高橋伴明監督(パンフレットより。1000円)

単なる社会派の映画でもなく、政治運動の映画でもなく、一人の人間の青春を描いた

桐島聡容疑者は既に亡くなっているため、本人の気持ちは分からないわけだし、フィクションを含めた物語です。

身分を隠しているために諦めた幸せとか、理想とした世界への挫折、仲間への想い、を感じました。

私が期待していた民衆運動についてのテーマは少なめだったけれど、おもしろい約100分で満足です!

・指名手配犯 桐島容疑者について

最後は自分の名前で

桐島聡容疑者は実在の人物です。

現実の桐島聡容疑者は、神奈川県の藤沢市で49年間、身分を内田洋(うちだひろし)と偽って労働者として働いていました。令和6年(2024年)1月に路上で倒れているところを通行人が救急車を呼んだ。搬送された鎌倉市の病院で、末期胃がんで入院。最後は自分が指名手配犯の桐島聡です、と名乗り、3~4日後に亡くなったそうです。

最後は自分の名前で、が大きくニュースになりました。

藤沢?小田急線の快速急行で40分くらいだけど・・・・。

指名手配犯だからマイナンバーがつかえず、健康保険証も作れない。住民票を取得したら身柄が発覚する。銀行口座も作れない・使えない。だから、現金払いの仕事しかできないです。スマホ・携帯も契約できない。

容疑

桐島聡容疑者は、「東アジア反日武装戦線」による連続企業爆破事件(1974年~1975年)の容疑者として指名手配。他の9名は逮捕されましたが、桐島容疑者だけ逮捕されずに逃亡した。

映画パンフレットによると、1974年の爆弾テロで三菱重工業東京本社ビルを爆破したのは桐島容疑者が所属していないグループの犯行だったとありました。

映画パンフレットによると桐島容疑者が関与したのは3つの爆破で、人の体を傷つけないような状況・時間帯を選んでいたものの、残業者がいて怪我を負わせてしまった。

身体的被害は怪我1名だったので、それだけ見ると指名手配するほどだったのかな?と私は素人だからつい思ってしまうんだけど。

搾取する会社だからといって、財産を爆破してはいけないし、余罪があるかもしれないし、爆破の知識があるんだろうし、仲間の事を聞きたいから指名手配したのかもしれないなぁ。庶民・労働者の言い分に耳を貸さず、資本家が暴力で抑え付けたのだからこっちも実力行使するしかない、と思ったのかなぁ。

こんな大きな爆破テロ事件、犯人を捕まえてもらわないとね。

飛行機ハイジャック事件が起こって、桐島容疑者の時効が延びた、とインターネットで見ました。

思想について映画内での説明

映画の中では、私は桐島容疑者のそもそもの理想は理解できました。大学生だから勉強も出来たし勝ち組になり得たのに、人同士の格差に反対したんだなって思いました。

私は共産党ではないし社会党ではないけど。

植民地支配をして地域住民の自由を阻害して虐げたことはいけないと思っているし、労働者を安く使い捨てる経営は恨みをかうと思ってます。

1970年代、大会社から安く下請けする会社は、労働者を安く使っていた。昔の炭鉱夫と同じだ。今だって、無くなった訳じゃないんでしょう。

それで、安く労働者を使って高く売り、差額の利益を大きな会社が持っていき、格差拡大しているのが問題という考えだったのかなと思いました。

私は「役割や能力による差」は容認ですが、程度の問題だなと思ってます。目先の事しか考えない人はいます。経営者だって感情的になることはあると思うけど、どこかで冷静な将来目線がなければビジネスが続かないと気が付くと思うんです。従業員の中にも明晰で働き者な方はいるけど、消耗させられて壊されちゃうことがあるみたいね。どうすればいいんだろう。

話を戻して、映画の中の桐島容疑者は、学生運動から派生した赤軍と自分は違うと言っていた。過激ではない、と言いたかったのかもしれないなぁ。

末端の労働者の味方の気持ちだったと解釈しました。弱い立場から搾り取ればいいという考えが許せなかった、というストーリーを感じました。そういうポリシーだとしたら、自分の爆破行為で誰かの身体を傷つけてしまうことは絶対的に失敗だったんだろうなぁ。

どうして、爆破なんて恐ろしいことをしようと思ったんだろう?

自分たちの行動で、国民が怖がると気が付かなかったのは、仲間とだけいたから?偏ってしまったんだろうか?

映画の中に答えはありませんでした。

関連する事件

映画の導入にあった事件の三菱重工業東京本社ビルを爆破は、Wikipediaによると、1974年発生、通行人を含む8名が死亡、負傷376人、サリン事件があるまで戦後日本最悪・最大規模の爆弾テロだったようです。。。映画の窓ガラスが割れて悲惨な映像は、もしかしたら当時の本物の映像だったのかも???

連続企業爆破事件で逮捕された9名のうち、数人は、仲間が飛行機ハイジャックをして(゚д゚)!彼ら数人の釈放と身代金16億円ほどを政府に要求し、日本政府首相は「一人の生命は地球より重い」と法治国家としては恥ずべきことであるけれど超法規的措置として要求をのんだ。(ダッカ日航機ハイジャック事件。Wikipediaより)

(゚д゚)!日本で??日本赤軍てあさま山荘事件の?なんという恐ろしい時代だったんだろうか・・・・。

・終わりに 感想

*****

私には分からない。学生運動が高じて恐ろしい組織になっていくと思っているし、同じ考えを持つ人たちが集まる場所って、仲良くなると引き返せなくなることがあると思う。

彼らの願いや理想は良かったのに・・・。百姓一揆や自由民権運動、武相困民党も中野騒動も三池労働争議も、桐島容疑者が所属していた「サソリ」も、なんか似ているんだけどうまく説明できないです。ある一線で「やりすぎ」を感じる・・・。

当初の考えは分かる。けど、実力行使以外の手段でどうにかできるはずなんだよ。

それが政治で選挙による民主主義で叶えられるはずなんだけど、目先の利益に捕らわれてしまう有権者が多いと、将来の安定性が損なわれると思うんだよな。私も巻き込まれることになるから、他人事ではない。

自分の正義は間違っているかもしれないし、他人の正義とはどこかしら自分と違う部分があるよね。

私はブツブツ言いながらみんなで決めたことを受け入れるだけで、賛成運動や反対運動に参加しないけど。

もうすぐ参議院選挙があり、私はさほど立派な政党があると思ってない!この政策がいいなあとか、この政策はダメだなとか、まるっと賛成な政党はないのですが、マシなところを選ぼうと思います。。。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。