2025.10.4 日税連が主催する、毎年10月の上旬の金曜日に行われる公開研究討論会。あらかじめ、論文をゲットしまして、読みます。今年は論文公開日が9月24日と遅めでしたが、当日までに一応、読み終わった!
研究発表会当日よりも前になるべくなら読んでおきたい。わたし、勉強熱心だから!えらいっ(と、誰も言わないから自分で言う)
第51回(2025年開催)公開研究討論会。今回は横浜で開催です!
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千葉税理士会のテーマ:多様性と税
家族って多様化していて、所得控除も複雑になった、な第1部でした。人的控除の話題が印象深いです。
インターネット上の世界が発生して来て、今までなかった仕事が発生してる、な第2部でした。
都会と地方って事情が違うから財政で不公平感をなくそう、な第3部でした。地方交付税の話題が印象深いです。
全体的に私の興味が深い話題が多くて、楽しみに読みました!読みやすかった~。
以下、私の感想を備忘します~。
第1部 社会の多様化~(家族・人的控除)
第1部では社会の多様性と税法の課題(後略)について書かれていて、
第1章の家族制度の基礎情報では、こんなに変化したんだ!と驚きです。(まぁね、当時の単身者が40年後も単身者でありえるけど、)夫婦と子ども世帯が、減り過ぎ!
・そんなに働きたくないのでは・・・
改めて論文で読んでみて思うけど、専業主婦の減少もほんとそうで、20年前くらいからパートが増えた感じ。20年前も生活費が足りなくて妻がパートする人はいたけど、どっちかというと自分の小遣いや子供の習い事代のためのパートが多かった印象でした。今は違うのかな。ギッチギチで働いている空気がある。。。。
もともと仕事が好きな女性は一定割合でいるけど、別に働きたくないけど生活のためにしょうがなく働いている女性が増えた気がする。
・人的控除の歴史を丁寧に
論文に戻りまして、所得控除のうち、人的控除をその歴史も含めて丁寧に書いてあって、こういう時じゃないと改めて確認しないことだし、知らなかったむかし・どこかで読んでも忘れていたのを思い出すので、私にはありがたいです。
それぞれの問題点がまとめてあって、「なるほど、そういう視点もあるとは」「そうそう!」と思ったり、「そうかな~?」と思ったりしながら読みました。
・年収の壁や社保は税理士あるある
年収の壁や社保と事実婚のことも言及されてて。
ほんとにね~(^^;)税金だけじゃない税理士業務の日常的な想い「あるある」が書いてあって親近感を持って(?)よみました。
全部で7節です。
・消費と所得税22条?
第2章では消費税と所得税を組み合わせての論文で、学術的で理解が及ばなかったけど、そういう考えがさっぱりなかったので、とても新鮮でした~。
所得税法22条、なんだっけ?(しらべた)そうだ、「課税標準」でした。
第2部 新しい多様性の姿と~(インターネット・働き方)
第2部 新しい多様性の姿と税を取り巻く多元的視点として、インターネットの世界を視点にされた論文でした。
・単発のしごとはインターネット?
インターネット経由で受注する仕事は、私には馴染みがないけど、増えましたね~。ウーバーのほか、ランサーズ、タイミー(スキマバイトを紹介するアプリだそうです)もそう?単発の仕事や日雇いだから面接いらないという仕事もあるだろうけど・・・・。私はコワイなと思うタイプだけど、時代遅れなのだろうか。
人間同士の信頼関係の構築がある仕事だと面白いんだけどね。決めつけはよくないね。人それぞれだし、安全な仕事であれば、単発でもなんでも構わないと思います。
・プラットフォーム業者
論文では、テレワークとかフリーランスという働き方が増えましたね、という導入から始まります。
第1章の論文ではフードデリバリーのプラットフォームを取り上げていて、なんとなくしか分かってなかった税理士さんは多かったと思いますが、仕組みが分かった気がした人は私だけじゃないはず笑
・フリーランスを守れるか
マッチングサービスと強調したけどプラットフォーム業者が負けた労働委員会があったと紹介されていて、そういえばそういうことあったな、、、2022年のことだったそうです。
う~ん、労働者かぁ、と混乱してしまう訳だけど、2024年11月にフリーランス法が出来たりして、今後も動向に目が離せないなという気持ちです。
論文の提言について、詳細に丁寧に論じているので、そもそもの事業要件の考え方を新たに学び・復習しながら提言をよみました~。
論文と関係ないけど、労働力の供給と仕事の割り振り、代金支払いを代行するなら、プラットフォーム業者って鉱山の飯場制度と部分的に似てるとこあるかな?
・メタバース
第2章は働き方・生き方の多様化の税について書かれてました。
苦手意識のあるメタバースとプログラミングは、目次を見た時から飛ばそうと思ってましたが、( ´艸`)
メタバース、比較的分かりやすく発表されてたと思います~。税務の話をするためにメタバースの説明をするから、分かりやすく書かれたんだと思います。
メタバース、私の理解ではインターネット上のモノやサービスのことです。ネットゲーム内で狩りに有利なグッズを買う、みたいな?
私は仕組みがばっちり分かってないな、と思いながら読み進め、
実際の日本国内の不動産売買と、メタバース内のエリア売買の課税関係の違いを、暗号資産を絡めて税務判断の上、計算されてました。
所得区分と消費税の内外判定の話でなんとなくメタバースが分かった気になるという笑
・プログラミング言語
第3章はプログラミング言語による~
税金試算の業務効率化をされている税理士さんの論文です。
プログラミング言語では、こういう順序で考える、ということが分かりました~。今の私じゃ全然無理なんだけど、まぁいつか分かる日が来るだろう。。。か?笑
分からない部分は気にしないまま、全部ざ~っと読んで、実際のプログラミング・横書きの部分を見て、だから逐一OKを押してください、などが出るんだな~と思って読みました!
第3部 地域間格差と~(地方交付税など)
第3部 地域間格差と地方税制の解としての多様化として、地域別の違いが研究されました。
期待高く読みました!
・エネルギー施設
第1章と2章で人口の推移と地方財政の現状、というタイトルでそのままズバリです。
エネルギー関連施設がある地域は、財政力指数が高くて、と知りまして。
読んでて思い出したけれど、8月に言ってきた青森で、「六ケ所村で働きませんか」の鉄道車内吊り広告がありました。山の森の中を走る大湊線、浅虫温泉方面への海岸沿いには風力発電がゆら・・・とありまして、太平洋側に六ケ所村があるんだったわ。
もうひと昔前の地方財政は、鉱山(炭鉱を含む)が稼ぎ頭だったんでしょうか。興味深い!!
・地方交付税
地方交付税について、その変遷があり、国税だったり法人事業税だったり、やっぱりやめたりなど、複雑。。。
地方交付税の原資は、県税の特別法人事業税(国税)の全額、所得税の3割、法人税の3割、消費税の2割(地方消費税のことでしょうね)、酒税の5割、地方法人税の全額、、、という理解でいいのかしら。(令和7年10月現在のことです)
地方交付税には2種類あって、普通交付税(通常の)と特別交付税(災害の他、インフラも)がある、と知りました。
特別交付税について、さらに深く書かれています。地方が不足だと思って力を入れたいけどお金が足りない部分だったりするので(単なる枠取りの可能性もあるけど)、予算やお金の使い道を調べるって大事ですね。
・離島
第3章で離島から財政と税制を考えてみましょうという視点で書かれてます。
日本に有人の離島は416あるそうです。そんなに!(ちょっと離れてても離島だし、すっごく離れてても離島だけども)
当たり前だけど、那覇も離島なんだな~。
最近ハマっている鉱山研究で、西表島や軍艦島の炭鉱惨状を見てきた離島のショックが残っていますが、美しい離島を思い出します。
大島、小笠原♡旅行者は楽しいけれど、離島の人がなんらかで心細い思いはしてもらいたくないなぁと思います。
・ふるさと納税
ふるさと納税についての話題へと続きます。
私はふるさと納税の制度には消極的で、まぁ、自分も少額ながら訪問地にふるさと納税して返礼品の品にニンマリしているわけですが、制度としては美しくないなと思う。法人のふるさと納税は、私みたいなまちの税理士には縁がないし、後から税務否認される可能性が残るなら、すぐに懸念を表明する!けど、ふるさと納税をするかどうかは、納税者の自由です。
寄附だからね!税務否認されようが、寄付金控除枠以上の寄付をして控除できないとしても、結果論だからね。(けど、税金が控除できる範囲内で寄付したいのが人の心ですよ!そうだよ。クライアントには損?させないように少なく伝えるんだ。)
離島の未来を考え、願い、3章の離島は終わり~。
・不交付団体と実例
4章は、地方交付税の不交付団体があるよと始まります。
青森県の六ケ所村のエネルギー施設、原子燃料リサイクル施設の始まりは大きい出来事でした。
愛知県の飛鳥村、長野県の軽井沢町、熊本県菊陽町のTSMC誘致、と具体例を挙げて地方財政のヒントを考えてました。なるほど~。
企業版ふるさと納税は、その経緯と変遷がまとめられてました。(3章で思い出したのは、4章で見たからでした)
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千葉会の論文、「多様性と税」私には興味ある分野がほとんどで、読みやすくて難易度もちょうどよく。分かりやすく学べました~♪
千葉のせんせいたち、お疲れさまでした!