小笠原村の財政状況は

小笠原村には、国が助成金を出している。自治体だけでやりくりするのがベストだけど、過疎地や離島は厳しいので、地方交付税や、特別な場所には特別な措置法で補助金を出して地域ごとの均衡をはかっているよ。

1、地方交付税と国庫支出金の違い

調べてみたら、地方交付税は、もらった自治体が好きに使ってよいお金。国庫支出金は、使い道が限定されたお金、という違いがある。

こちらのブログが分かりやすい。セルフ塾のブログ→ http://selfyoji.blog28.fc2.com/blog-entry-2713.html

地方交付税は、自治体間の不公平さをなくすために、お金がない自治体に対して国がカンパするお金のこと。一定の基準により、地方交付税を受ける自治体になる・ならないを決めているよ。

地方交付税を受けるために、基準の数値をクリアしようとしている自治体もあるみたいで、私はあんまりそういうのは好きではない。

2、小笠原村の財政状態は?

では、小笠原村の財政状態を見てみよう!

小笠原村 平成27年度決算 → https://www.vill.ogasawara.tokyo.jp/wp-content/uploads/sites/2/files1/b6a80f20da5aa5009e4d2756667e79bc.pdf

・・・見たことない勘定科目がある・・・。まぁ、決算書を作る訳でもないし気にせず見て行こう!

住民税や固定資産税などの地方税収入が5億円弱。業務使用料収入が4億円ほど。

もし、平成26年度と比べると、税収が0.7億円近くアップ。よかったね!

平成27年度の地方交付税と国庫支出金の合計が27億円。使途が自由な地方交付税は、前年の平成26年も14億円ほど、同水準となっているよ。

トータルの収入は39億円。

行政費用41億円も、平成27年と平成26年は大きく変化なし。若干、平成27年は費用負担が増えた感じ。

平成27年度は、39億円の収入があって、行政費用などの費用が約42億円あり、だいたい3億円近くの赤字となっている。(うち、減価償却費8億円)

キャッシュフローを見てみると、新しく地方債などを発行して借金をした金額が約3億円、返済金が約7億円。順調に借金を返している。

平成27年度末の小笠原村の現預金が2億円ほど。残りの地方債などの借金が24億円となっている。

・・・こういう自治体の数字を見ると、償却資産税などの地方税を減らすことが自治体を困らせてしまうよね。でも、地方交付税で補てんするからドンマイだよね。って、地方交付税がない川崎市はピンチに陥ってしまう。頑張ろう~。

3、小笠原村と川崎市を比べる

小笠原村は104k㎡に3000人が住んでいる。川崎市は142㎡に1,500,000人が住んでいる。川崎市は小笠原村と比べると面積は約1.5倍で人口は500倍住んでいる。ええっ~!平地の面積が小笠原村は少ないので、人口密度については単純に割り算できないからスルーしとく。

小さめの島だな~と思っていたけど、川崎市と大して変わりがなかった。川崎市にも多摩丘陵など山(ぽいやつ)があるし、川崎市南部には海と接しているし、うちの近所には多摩川があるから、そんなに負けた気がしないよ!いいとこよ!(なにを張り合っているのか、自分でもわからない)

行政コストが41億円で人口が約3000人なので、頭割りすると140万円となる。川崎市が頭割りすると40万円とのことなので、小笠原のコストは川崎の約3倍だね。会社の数が違うので、ちょっと無意味な数字だけども。(平成27年度)

小笠原村の行政コストが41億円に対して、川崎市は6026億円。146倍となる。

小笠原村の借金残高が3億円に対し、川崎市は8446億円。小笠原村は人口一人当たり10万円だよね。川崎市は人口一人当たり55万円の借金、と考えてよいのかな。桁間違えてたりして・・・。

小笠原村の国庫支出金が13億円に対し、川崎市は国庫支出金を1000億円もらっている。社会保障費かな。

4、感想

自治体の決算書を眺めてみて、面白かったよ。自治体の決算書は特殊で、分からない部分もあったけど勉強になった。前にも、府中市のことを見たりしてテキトーなしょうもない記事を書いた。(関連過去記事)府中市の財政状況をみてみよう→https://mina-office.com/2017/01/02/fuchushi-zaisei/

お世話になった小笠原村が、財政的に逼迫してたら困るな、と思ったけど、切り詰めながらもなんとかなりそうで安心よ。

小笠原にはごみ焼却施設があり、毎月60トンを処理している。燃料は大事だから、ゴミはなるべく減らそう。小笠原のスーパーではレジ袋は有料だったよ。

小笠原諸島は世界遺産になったらしい。平成30年は、日本返還50周年となる。

キレイな海、キレイな山、キレイな星空、キレイな島。携帯やインターネットはつながってしまうけど、仕事を忘れてゆっくり時間が流れるのを楽しむにはもってこい。コーヒー豆を摘んでその場で挽いてくれるという農園体験もあるらしい。

ぜひぜひ、小笠原村にのーんびり命の洗濯をしに来てよ。島の税収にもつながれば、世界遺産の保全ももっとうまくいく。

ふるさと納税も受け付けているよ。返礼品はないけど。小笠原村HP → https://www.vill.ogasawara.tokyo.jp/furusato/

もはや、小笠原諸島は、島民の宝のみならず日本、世界の宝なのです!(キマッタ!)

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。