国に住所があると、居住者ではなくなる?
非居住者の税務は難しい。毎回、国税庁HPで確認すべきよ。
所得税法では、非居住者ともう1つ(忘れた)がぶっちぎりに難しいらしい。おかげ様で、非居住者の税法は予備校の暗記対象から外れていて、計算問題として勉強するよ。
・居住者と非居住者の違い(源泉所得税)
日本に住民票をおいたまま出国したら、居住者と思うよね?でも税務では、実態を重視するよ。
国税庁 源泉徴収制度のタックスアンサーより。(29.8.17 国税庁HPより)→https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2875.htm
No.2875 居住者と非居住者の区分
(中略)
したがって、「住所」は、その人の生活の中心がどこかで判定されます。
ある人の滞在地が2か国以上にわたる場合に、その住所がどこにあるかを判定するためには、職務内容や契約等を基に「住所の推定」を行うことになります。
「居所」は、「その人の生活の本拠ではないが、その人が現実に居住している場所」とされています。
ところで、海外赴任を命じられた場合で給与が日本の法人から出てる場合、留守宅手当てという名前と、その他の名前とで、取扱いが変わったものがあった気がする。所得の源泉はどこから?という考え方が強いよ。この場合だと、留守宅手当は国外所得になるケースが多いよね。現地と日本との給与との格差均衡のための給与格差負担金も、国外所得になるね。
それぞれ、その都度確認すべきよ。微妙に状況によって変わるからね。
・非居住者の国外源泉給与所得の源泉徴収票はない
例えば、実は国外に本拠地を置いて仕事をしているのに、住所を日本においてるというケースもあるみたい。良くないよね。
非居住者で、海外赴任して国外源泉所得のみ場合、源泉徴収票はなく、証明書を会社が発行してくれるみたい。
この場合のほか、租税条約により、日本の国内源泉所得がない場合には、源泉徴収票が発行されないんだねぇ。なるほどねぇ。
・住所は日本にしておきたい気持ち
国外で子供が働いている親としては、海外に住所を移されると帰国しなくなるんじゃないか、という感情の問題もあるみたい。
健康保険をはじめとする社会保険などの問題もあるし、あんまり良くないよね。
戸籍上は居住者だけど、所得控除は諦め、実態は非居住者なのだから、住民税は納税義務ないけど、払っておくというケースもあるみたい。
非居住者は所得控除に制限があり、基礎控除、寄付金控除、雑損控除のみ所得控除とできるが後は所得控除できない。
納税者の意思表示を尊重することは大事だし、日本で多く税金を納税しているのだから問題ないでしょうという考えもあるんだろうけど、どうなんでしょうねぇ・・・。
・不動産売却時の注意
ところで、非居住者に対して不動産を売却すると、源泉徴収をしないとならぬことが多い。住所が日本だから、居住者だと思っていても、外国居住をニオわせる場合には要注意ね。取引金額が大きいからね。
これ、住所が日本だったら、どうしようもないと思うけど・・・。
所得税法(平成16年法律第14号による改正前)2条1項5号所定の「非居住者」に当たる者に対して支払われた不動産の譲渡対価が,所得税法(平成17年法律第21号による改正前)161条1号の2所定の国内源泉所得に当たり,所得税法(平成16年法律第14号による改正前)212条1項により
源泉徴収の対象になるとして,前記譲渡対価の支払をした者に対してされた所得税の納税告知処分につき,前記源泉徴収に関する制度は,
国内にある不動産を譲渡した非居住者等が,申告期限前に譲渡代金を国外に持ち出し,無申告のまま出国する事例が増え,
申告期限前に保全措置を講ずる手段がなく,他方,申告期限後の決定処分をしても,実際に税金を徴収することは非常に難しい状況がある中で,
こうした事態を放置することは税負担の公平を欠き,納税思想にも悪影響を及ぼしかねないことから,
これに対しても適正な課税を確保できるようにするために導入された
(中略)
支払者が源泉徴収をしていなかった場合において,税務署長から納税告知により徴収されたときは,
所得税法222条により受給者に対する求償等の権利も認められていることからすると,
前記源泉徴収制度は,非居住者等が不動産を売却する場合における所得税の徴収方法として能率的,合理的であって,支払者においても格別の負担を強いるものでもなく,合理性があり,
全文はこちら(私は読んでないけど)→http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/655/081655_hanrei.pdf
29.2.17当初作成、29.8.17 加筆