せめて公的年金控除120万円

消費税の論点では、世代間の公平という言葉を聞くことがある。年寄りは大事にしよう。

・公的年金控除120万円の継続を

年金受給者には、60歳~64歳までは70万円までは年金に対して税金がかからない。公的年金控除があるよ。

年金受給者には、65歳以上からは120万円までは年金に対して税金がかからない。公的年金控除があるよ。

税理士会や税理士団体の一部では、公的年金控除が世代間の公平性を損ねているという議論がされている。

それは間違い!

公的年金控除の120万円は、絶対に死守すべき!120万円超の控除縮小・廃止はいいけど。

・高齢者の労働力に限界あり

年寄りの閉そく感は半端ない。

自分が事業主で、飲食店を経営するとするよね。未経験の20代のバイトと、未経験の70代のバイトでは、どっちを採用するか。モスバーガーのように、高齢者採用がうまくいっているケースもあるよ。でも、一般的に、労働力として比較すると20代のバイトの方が採用率は高いよ。

これって、世代間の公平でしょうか?

年取ったら、仕事は限定されると私は思うよ。能力は人によるから、一概に年齢と言う数字で測れないけど、不利だと思うよ。

つまり、高齢者のアルバイト先は限定される。年を取ると、人生の選択肢が、限定される。

・精神的な担税力という考え

現役世代とシニア世代とで、「今」の選択肢は違うじゃない。だったら、「年齢」を軸にして公平性を語らないと意味なくない?

今の高齢者と、将来の高齢者と。社会保障はともかく、税務についてはイーブンであるべきじゃない。

80代で起業した人がいたよね。テレビのニュースになっていた。ニュースにされるほど、珍しいってことだよ。

高齢者の選択肢は限定される。なのに年金にも税負担を、という議論には疑問だよ。得る収入の意味が違う。自分で切り拓く道が少ない人には税負担を重くしないでもらいたい。

努力でどうにもならない人には、税負担を減らしたい。

精神的な担税力という観点。

高齢者の使い残したお金には相続税が課せられる訳だし。出来れば、高齢者の好きなもので消費してもらう方がいい。

・年金不信の世代の備え

年金は貯金ではないので、死んだらもらえない。現役世代によくある、「将来の年金がもらえないかもしれないから、年金を払いたくない」はナシ。もはや、年金も税金みたいなもんだから。諦めよう。

自分の負担が苦しいから、今、給付を受けている高齢者を批判するのはおかしい。気持ちは分かるけど、冷静に考えてみてね。うん、生活が苦しい。

マスコミに煽られすぎなところもあるよ。

実際には、国の給付年金だけでは不十分で、自分でもちゃんと備えておこう。

生命保険年金は、超オススメ。税制適格・元本割れの可能性が低い商品を選ぼう。株式もいい。私はポートフォリオは無視派。円は強いと思うし、投資信託よりも自分で銘柄を選びたい派。こういうのは好き好きね。

といっても、貯金がない人には手の出しようがないけどね・・・。

・こんな社会がいい。

自分が、どんな社会で暮らしたいかな。

私は高齢者が安心して生活できる社会がいい。

高齢者は自分の未来。今まで私を育ててくれたのは高齢者だし、次は私が高齢者になる。そのとき、「年金もらってケシカラン」とか言われちゃうの?そんな社会のために税負担するのは残念よ。

公的年金控除の120万円は死守すべきよ。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。