住民税がちょっと分かった日

29.10.11 住民税についての税理士会主催の研修会に行ってきた。住民税について、理解が深まった!

・「税源移譲」国から地方へ

住民税は、平成19年までは一律5%だったんだって。だけども、「税源移譲」により10%にし、所得税率を下げた。地方自治体にお金を集めて、各自でガンバレば?ということだったみたい。

当時、「税源移譲」により所得税と住民税の納税者のトータル負担率は変わらないようにするために色んな努力をした跡がみられます。

・・・知らなかった!「三位一体の改革」でこうなったらしい。そういえば、そんなスローガンは聞いたことがある。堺市HP なぜ税源移譲をするの?→ http://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/zei/tokei/kaisei/nazeijo.html

地方自治体が地域の特色にあった活力あるまちづくりを進めるには、国によって使途を限定された国庫補助負担金を廃止・縮減する一方、自らの判断と責任で自由に使える地方税財源を充実させることが急務となっています。

これがいいことなのか、よく分からないけど、別に地方自治体が重視されているという意識は全然ないよ。結果として地方自治体に色んなことを押し付けただけなような・・・。

・住民税、頑張ったね

「税源移譲」により、住民税率をアップし、所得税率をダウンさせたことによる納税者の負担が変更されないよう、住民税は所得税に配慮しつつガッチリと調整をしていた。

知らなかった、住民税の苦労!

所得税法と住民税法では、所得控除の金額がちょっぴり違う。基礎控除が38万円と33万円のように、足並みがちょっぴり揃っていない。

そこで、調整控除というものを設けて、所得控除の差による税負担の差を排除する仕組みが出来ている!住民税、頑張ったね!

なぜ、所得控除の金額を所得税法に合わせなかったのか、「詰問」したい。ぜひ今から、所得控除の金額を一致させよう!

住宅ローン控除は、所得税から引ききれなかったら住民税から引けるようになっているんだけど、これも「税源移譲」の遺産の一つ。

さらに、ふるさと納税のように、所得税法の限度額を超える金額が住民税から控除できるようになってるよね。住民税頑張ったね!

・所得税は住民税と結婚すれば

ふるさと納税のワンストップ制度がある。これは、所得税負担も考慮して住民税で調整してくれるシステム。期待に応える、住民税!

こうなってくると、所得税も住民税の一部とすればいいんじゃないの。地方自治体が会費として国にお金をあげれば?貧乏な地方自治体は、負担能力を考えて会費の減額をしてあげればいい。地方交付税みたいな考え方で。

国税と地方税の一本化ですよ!しつこいけど!住民税の源泉徴収制度を導入して国が地方の徴税事務も代行、年末調整事務はマイナンバー紐づけして役所が行い、自動的に個人口座に還付できるシステムを。

(関連過去記事)住民税はプラベ丸見え → https://mina-office.com/2017/10/02/nenmatsu-chosei/

(関連過去記事)国税と地方税の一本化 → https://mina-office.com/2017/10/03/ipponka/

 

・住民税申告書のみ提出する税務メリット

確定申告書作成の際に、住民税のことも思い出してあげて、という研修会だった。住民税の専門家は超少ないし、ましてや所得税の確定申告書を提出したり、年末調整することで住民税は自動計算だから軽視されちゃってるよね。

しっかり住民税と所得税を勉強できた!

年金受給者の申告不要制度を利用する場合には、住民税申告書の提出が必要な場合もあり。株式の配当は、住民税申告書の提出をすることにより、税務メリットがあることも。

・顧問税理士がいる人は得?

こういう、知ってる人だけが得をするというシステムはあんまりよくないよね~。しかも、人によってケースバイケースで、それを一人一人にアドバイスするのは役所がやるべき仕事ではない(してはならぬと換言してもいいかもしれないね)。

まぁでも・・・。残念ながら住民税申告書を提出することによる税務メリットは、多くの場合は苦労の割の数百円とかだったりすることもあるので・・・。インターネット検索で乗り切ったらどうかしら。これが正しい申告納税制度ですし。しかも、状況次第で微妙に有利不利が変わるし。

専門家に依頼するほどの見返りがあるわけでもなく、ちょっと聞いただけでフォローしきれないシステムなんだよねぇ…。税務顧問してないと、正しく回答できない。

給与所得者や年金受給者は、申告書作成コストを事業主や役所に押し付けて負担せずに済む一方で、ちょっとの税務メリットが受けにくいよね。無料相談では、残念ながらルーティン申告書作成が限界だね。

つまり、事業主が申告書作成をはじめとする専門家への継続的な出費は、場合により取り返せるやもしれぬと考えてよいのです!(出費の方が多いこともあるけど!)

「ホラ、税理士に依頼してよかったでしょ」という数字を所長から渡すように言われ、事業主に嫌な顔をされるから伝えずに資料の間に挟んで渡していただけの従業員時代でしたが、これからは嫌な顔されてもドヤ顔で出そうかしら。

・住宅税制が難しすぎる件

所得税法の受験では、住宅税制がすごく負担だった。で、今日の研修会であの地獄のような負担感が甦って気絶して寝ていた。

「自宅を購入しようかしら」「自宅の改修しようかしら」などの大きな買い物は、結構前から顧問税理士に相談してから行うのもよいかもね。即答できるのは、住宅税制専門の税理士しかいないと思うな。超複雑だから。泣きそう。

・税金は払えばいい

税務メリットなんかより、「欲しい気持ち」を優先して、税額控除できたらラッキー、できなくてもドンマイという気持ちが一番、精神衛生上よろしいのです。

税理士は、税務メリットが!税務メリットは!言い過ぎよね。納税者にとっては、税金は払えばいい。日々の気持ちや生活の方が大事よね。

決断してしまってからでは受けられない税額控除の説明など、不要だよね。決断後の税務相談ではどうしようもないのだから。

事前相談で税金を安く!が正しいと思いすぎていました、反省いたしました。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。