平成30年の所得税の改正、どうなる

29.12 与党では、所得税の改正が議論されている。高齢者増税はとんでもない。

個人事業主の減税が目玉?給与所得者を個人事業主として契約させられてしまうと、年金制度が破たんしますが大丈夫でしょうか。

会社員が真面目に頑張れば定年まで働ける社会が安定すると思うのだけども。独立したい人は、好きにできるのだから・・・。

現状の議論では、どうやら給与所得控除を一律10万円減らし(増税)、公的年金控除を一律10万円減らし(増税)、基礎控除を中間層以下の人へは10万円アップする(減税)、というもの。公的年金等控除と基礎控除には、所得制限をつけることを議論している模様。

単純に、給与収入だけの中間層は税負担に変化なし。給与と120万円以上の年金収入がある人は一律増税になり、(12.15追記:所得金額調整控除、なるものを創設し、増税にはならないように手当てされていた)

それ以外の所得(事業所得・不動産所得など)のみの人は減税になる。(12.15そうとも限らないことが分かった)

例えば国民年金だけの不動産オーナーには減税、という内容で議論が進んでいる。(2500万円超の所得は増税)

住民税や国民健康保険についての基礎控除も同様に上げるんだろうね。

※上記すべてまだ決まっていない

給与所得控除はともかく、基礎控除を複雑にしてしまうと、税金計算がまったく簡素ではない。

高額所得者が所得控除の恩恵を受けやすいことが問題点であるのなら、所得控除方式をやめて税額控除方式とし、誰しもが所得控除に関する税金軽減額は一律(例えば一律10%の税額控除)とすべき。

公的年金等控除の減額には、怒っている。でも、大綱までにきっとよい方向にしてくれるはず。(上限は400万円でよいのでは)

税理士会会長が税制調査会で発言した通り、国民年金のみの満額受給で毎月7万円近くだけでは生活できない。炎天下の中、生活のために社会のために、命を削って働く高齢者もたくさんいるでしょう。

自営業者の中には、リッチな状態で引退する人ばかりではなく、貯金は従業員の給料に回し、年をとって後継者もなく廃業した人もいる。

年をとっても勉強すれば新しい仕事につける、という本が流行っているらしいが、それは外国の話で日本でそれが実現するのか?ボランティアという範囲であればともかく、不足する生活費の足しになるもの、としての確固たる位置づけになるのかどうか。

高齢者の仕事は、決して多くない。池上さんのテレビでも韓国の窮状を放映していたような宅配のアルバイトもあるけど高齢者には厳しいと思う。

年金だけでは足りないから命を削ってアルバイトして、何が悪い。

公的年金等控除と給与所得控除のダブル適用をうけて、何が悪い。

高齢者の控除のダブル適用を問題視しているのに、青色特別控除65万円とのトリプル適用に言及していない。

(12.15追記:詳細発表を読んだら、言及されていた。すみません!)

目先の「高齢者への税負担を重くしてやってます感を出そう」に捉われている議論のように感じる。

年寄りは、これまで日本を築いてきてくれたんだよ。

今、こうして年金だけでは食えない世帯にもジワリと増税(12.15追記:別に増税ではなさそう)し、今の若者はそれを見て「次は自分がターゲット。お金は使わずにため込んで、会社では出すぎず嫌われず無難に生きよう。」と、将来不安で消費意欲が減退するとは考えないのだろうか?

今の子供は、将来の高齢者になるのだから、そのような議論は現役世代の冷静な要望であるのか疑問。

今の高齢者が年金と自助努力で暮らすことが難しくなれば、今の現役世代は親に別途、不足部分を仕送りをしなければならない。貧困の連鎖を助長する結果になる。「所得の再分配」の議論はやめたの?

基礎控除は、「課税最低限」では?所得制限つけちゃって大丈夫?

現在も議論は進行中、どのような結果になるのか見守りたい。

公的年金等控除120万円は死守すべきよ!(関連過去記事:せめて公的年金等控除120万円) → https://mina-office.com/2017/09/01/nenkin/

私は税理士政治連盟に会費を払っているので、政治家には、年金収入では生活できない高齢者への増税はやめてもらいたいとちゃっかり伝えている!

文句だけでなく、行動もちゃっかりしております♥

(関連将来記事:H30税制改正大綱 所得課税 →https://mina-office.com/2017/12/16/h30-taiko-shotoku/

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。