農業の未来をインタビュー

29.12.22 ひょんなことから、農業の未来について、大学教授へのインタビューに同行。

・経緯

私は法人を立ち上げて、地元の商工会議所に入会したところ、「士業の勉強会があるから入れば?」というお勧めがあって、入会した「地産地消研究会」

面白そうでしょ?他にも、事業承継や相続、といった研究会にも入ったけど。

よいタイミングで、「来週、インタビューに行くけど来ます?」と地産地消研究会の方からコンタクトを頂き、スキップをして大学へ行ってきた。

(こんな人だと知ってたら声をかけなかっただろうね。不運ね)

・どんな方へインタビュー?

地産地消研究会なのだから、農業関連の方にインタビューかと!生産緑地や、梨農家のこと、税制改正大綱で話題に上がった栽培設備についても聞いてみたい!

難しい話ばかりで、意味が分からないかもしれないけど、こんなチャンスないでしょ!

さて、今回のインタビューを快諾いただいた教授のお名前でインターネット検索。

・・・芸術関連の専門家って書いてあるけど・・・。農家と関係なくない?なんか、農家の建物を建てるときの専門家なのかしらん?謎。

と、さらに検索し、論文を発見して拝読。学校内新聞・・・と書くと軽い感じがするけど、読みやすくしているので、私でも理解できたし楽しく読めたよ。

でも、なぜ芸術関連の教授が栽培施設に関する研究を?という謎は解けぬまま当日へ。

・農業に対する応援に壁なし

「どうして、デザイン関連なのに農業なのか、ですか?デザインは生活ですから~」

ということで、農業に対して関わり方にルールはない。確かに。自分の興味の中で、役に立てそうなことをすればいいし、専門家だからって遠慮することはないよね。

だから、私も税金に関係なくても色んなことを応援してよい!!

少し難しい部分もあったけど、人に寄り添うのがデザイン、というお考えのように思った。立派ねぇ・・・。

よく思うんだけど、本当に立派な人ってアホな人にレベルを下げて分かりやすい話をしてくれるんだよね。さっきまで、他の同行者(士業)と話すときは横文字や専門用語が多かったけど、私に対して説明してくれる時は中学生にも分かるように説明してくれる。・・・なんか、かわいそうな私。

インテリのふりして意味不明で帰るより、アホがばれても理解して帰される方がいい。ありがたいよ。

・栽培施設という存在

当該教授の論文には2013年ではあるけれども栽培施設(植物工場)についての考察が発表されていた。今後の可能性がある、という論調。

そうなんだろうね。

栽培施設は、国も力を入れていくことが分かる。今回の税制改正大綱でも、栽培施設の敷地は相続税法上農地と同様に取り扱う予定(農地法の改正に伴う)だし、ICT化で農業を効率化って行政側のセミナーにも行った。

農家は高齢化してきていて、後継ぎがいない。このままだと生産緑地も解除されてしまい、農地を維持できずに土地の売却を余儀なくされてしまうので、一定の農地の貸付けでも生産緑地OKとする税制改正大綱もあったし、農地の納税猶予もそれに合わせて考えてきている。

税制面では、農地を応援するスタイルがあるように見える。

ところで、もし、栽培施設であれば、今の農家の方が腰をかがめて寒い日も暑い日も農作業をしなくてよくなる。お天気に左右されずに、安定価格で一定の供給が維持される。

これからだと、スマホで農業という時代がやってきて、肉体労働がなくなるので後継者候補は格段に増えるかもしれない。

・露地栽培の良さ

「教授、世の中から農家の姿がなくなるととても寂しいです。私が年寄りになっても、梨農家の光景を南武線から見たいです。栽培施設ばかりとなってしまったら、露地栽培をする人はいなくなってしまいます。太陽を浴びない農作物にも違和感があります」

と、教授にそんなこと言ってどうするんだ、私のアホっ!

を発動(おなじみ)してきました。安定の実績があります!

当該教授は、露地栽培の良さや土から農作物を育てることを重視し、実際に行動されていた。露地栽培の重要性を丁寧に説明してくれた。なんか安心したよ。

露地栽培はなくならない。

心のこもった野菜が食べたいじゃん。

・農業の未来の選択肢

当該教授も、参加者の誰も、「これやったら農業安泰だぜ!」の策はなく、あくまでも「選択肢を広げていこう」という趣旨の話だったね。決めるのは農家さんだし。

今まで通りの農家も大事だし。だけど、現状のままだと後継者不足で農家そのものがなくなってしまう危険性もある。

もし、栽培施設やICT化など、新しい技術を提案することで農業の幅が広がって、農業の魅力がレベルアップしていくといいよね。

先日、別の団体の飲み会(ま~私はどこにでもホイホイと行くわけよ)で、農家さんの話が聞けて、ざっくり説明すると「ポリシーをもって大事に育てた農作物はブランド」と聞いた。

当該教授の論文では、栽培施設の普及はまだまだ時間とコストがかかるだろう、という結論であったし、緑は心を癒すのであるから、絶対に必要だ、という強いメッセージもあった。

まだまだ、農家の方の農作業に頼り、手作りの野菜が食べられる。

だけども、そういった農家の方の体力の消耗と引き換えになっていないか、という心配もあるんだよね。

栽培施設にすれば、その心配はなくなる。雇用される高齢者も安心してボタンをポチリと押せばいいだけ。長期の旅行にも行ける。

栽培施設と露地栽培と、いいバランスが保てたらいい。市議会議員が言っていた通り、ビジネスとしての農業と、生活インフラとしての農業を切り分けて考えていくべき。

農業という、ある種、神聖な部分に「もろ金儲けザクザク」という精神が入ってくることに私は違和感があるのかもしれない。

お金じゃなくて、今までの農業を支えてきてくれた人たちへの尊敬や感謝をもって新たな農業の姿にチャレンジしてもらいたいってだけなのかもしれない。

私が抱く税理士業界に対する思いと、似ている。積み上げてきてもらった税理士という地位は、大事に次世代に繋げたいじゃん。

・・・私は尊敬の念をもって、お金持ちになりますのでご安心ください!

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。