基礎控除の謎を追う!

29.12.25 基礎控除ってなんのためにあるの?の疑問から、基礎控除の謎を追う。ミステリーは続く。

H30税制改正大綱の、基礎控除が所得に応じて減少していくシステムなんてありえん訳よ。超過累進税率でフォローすればいいだけじゃん。

・基礎控除ってナニ者?

基礎控除って食費じゃない?年間38万円といったら、切り詰めた食費くらいしかうかばないよ。

親と実家に同居なら、家賃いらないわけで。(家にいくらからいれるべきよ)

私は、憲法の「健康で文化的な生活を国が保証する」は、社会インフラを指しているのだと思っていて。空気を吸っても生きてるし、川の水飲んでも生きれそうだし、図書館はタダだし、ありがとうって感じ。(実際には野生化しておりません)

「課税最低限である基礎控除が少ないんだー!ワー!」という意見には「へー」としか思っておらず。

基礎控除ってナニ者!?

こういう場合には「コンメンタール」を読めば謎が解決するはずだ。早速、所属支部へ交通費かけて見てきた。

基礎控除は奥が深かった。次回乞うご期待。バタリ。

・基礎控除の歴史

明治20年から昭和21年までは、所得に応じて免税点があったんだって。

例えば昭和15年の場合、ざっくりだけども、不動産所得には250円までは課税なし、配当利子所得には100円までは課税なし、という免税点があったんだって。これらが比例税率の分類所得税というものだと思うけど、ちょっと難しくて分からない。

超過累進税である総合所得税には基礎控除として5000円。・・・総合所得税ってなに?今でいう事業所得みたいなもんかな?

給与所得・退職所得・山林所得は、今でいう別計算をしていたみたい。

給与所得は、当時から甲欄乙欄丙欄があり、つまらぬところで伝統が続いている。乙欄の制度とか、ほんとやめてもらいたい。

昭和22年改正で、所得の種類に応じた免税点(基礎控除)を搭載していた分類所得税を廃止して、基礎控除4800円で一元化!

昭和22年に一元化された基礎控除4800円は、今でいう所得控除的なシステムだった様子。控除しききれなかった基礎控除は、給与所得や退職所得から控除できるシステムになっていて、給与所得は今とは取扱いが違っていたみたいね。

昭和26年までは、どうやら資産所得の合算制及び扶養親族の所得合算制があったらしく、基礎控除に関しても扶養者の分の基礎控除は上乗せしてよかったみたいね。

・一家の所得を合算していた時代

家父長制度というのか、一家の主が偉かった時代には、家族の所得は主のもの、という考え方だったのだろうか?だから家族の分の基礎控除も一家の主に集約していたのかもね。

家族の所得を合算してしまう、というシステムがあったとはねぇ。まぁ今でも、妻がこっそりパートをしてウッカリ扶養から外れちゃったとしても、市町村から夫の会社にチクられて(扶養の是正は秋頃!)妻のヘソクリがバレるシステムが残っているので、伝統は残っている・・・・。

この考え方があり、配偶者控除や扶養控除が残っているのだろうか?基礎控除って人的控除を網羅して考えないと答えが出なそう。

・続く・・・

で、当初の疑問だった、「基礎控除はなんのため?」の疑問が払拭しておりません。

昭和35年以降、人的控除に関する税制調査会等の答申(議論)があったらしく、そういう資料を見つけてしまったので、基礎控除の謎を追うシリーズは続く。バタリ。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。