障害者控除は、こうすればよくなる!

29.12.28 所得税・住民税の障害者控除は、「ケア控除」と名称変更し、該当者も介護保険認定などにより認めればもっと良くなる!

・名前のセンスが悪い

例えば、寝たきりの親を「障害者控除」したくない。いつか歩けるようになると信じたいじゃん。

ネーミングセンスが悪い、「ケア控除」に名前を変えたらいいのに。

税理士サイドだって、確認しやすくなるよ。今までは「障害者に該当しますか?」という質問だったけど、これからは「日常の生活でお手伝いが必要な方はいますか?」で良くなる。

なんなら、小さいお子さんがいる世帯や寡婦寡夫もケア控除の対象に含めたら?

・亡くなってから更正の請求もアリ

現行制度では、ご家族の心情を考えてあえて所得税の障害者控除をとらず、亡くなってから更正の請求をするという手段もダメ元で検討すべき。(期限は5年。かつては当初申告のみだったけど、今は大丈夫)法律上は、調査して更正処分をしてくれるので、証拠書類(役所などからの障碍者控除対象者認定書)を取り寄せましょうー。

・適用範囲も拡大しよう

現在の障害者控除は、手帳だったり認定証が必要なケースが多い。6カ月以上寝たきりという要件でも適用がある場合もあるけどね。

(国税庁HP 障害者控除)→ https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1160.htm

介護保険の認定だけでは、現状の税法だと障害者控除NGなわけでわざわざ認定を取らないと安心できない。

・・・そういうのは無駄!こういう法律は変えなければならぬ!現場の公務員はきっと痛感しているに違いないよ。

認定証の管理事務の時間は、市民生活支援に充当して使うべきじゃない?

・所得要件を設けるのも

障害者控除は、他の人より生活費が大変だから税負担を軽減する目的がある。だけど現状の所得控除だと、お金持ちほど障害者控除の恩恵が多くなってしまうんだよね。

所得に関わらず、ハンディがある人を応援します!という意味で障害者控除は存在してもよいかもしれないけど、金額をほどほどにするとか・・・。

障害者控除こそ、所得に応じて逓減していくシステム(配偶者特別控除みたいに)するといいんじゃない。(逓減システムを基礎控除で使うのやめようよ~)

てかさ、所得控除はやめて、税額控除方式にして、一律3万円(重度は7万円)などの税額控除すればいいんじゃない。

個人的には、障碍者・寡婦寡夫控除は残してもらいたい。みんなが応援しているという意思表示をしたいじゃん。お金の問題ではなく。

・障害者控除の黒歴史

コンメンタールを読んでみると、障害者控除創設時には目が不自由な人のみが対象だったみたい。その際にも、「最初は限定して、社会の要請に基づきどんどん拡大していくのがヨロシイ」との結論があってのことだった。(シャウプ勧告)

だから、介護保険認定で障害者控除(ケア控除)を受けられるようにしても、当初のスピリッツは生きている!!

扶養控除に集約されていた障害者控除は、昭和25年の税制改正で扶養控除からいまでは使われていない用語の控除として独立した。当時の所得控除額は12,000円。

昭和27年税制改正では、障害者控除を税額控除(4000円)にレベルアップさせた時代があったんだって。寄付金税額控除のように計算後の所得税額の税額控除だった時代があったんだねぇ。

戦争からの帰還兵や障害年金(昭和19年から)などへの配慮が伺えます。

昭和42年、税額控除方式だと、国民からの税金軽減に対するありがとうがない(税額軽減の自覚が乏しい)ことと、人的控除が所得控除と税額控除の二本立てだったことで分かりづらかったため、物価のバランスが悪いなどの理由で現在の所得控除に集約されたという黒歴史がありました。

昭和41年12月の中間答申(誰と誰の議論なのだか?分からないけど)では、「高額所得者には税負担軽減を多くするべき(しん酌の程度が減少するから)」「所得控除の方が分かりやすい」という議論がされていて、私と逆だね!

昭和58年11月長期答申では、「所得控除だと金持ち優遇だから税額控除方式にするという意見もあったけど、歴史的に税額控除から所得控除になったので、ま、このままでいっか」という記録が残っている。

ちょっと~。頑張ってくださいよぅ。

・こうすればよくなる!障害者控除

・名前を「ケア控除」に代えて、適用要件に介護保険の認定も加えて全体的に条件をゆるく。適用者の心情に寄り添える

・障害者控除の所得控除方式では、所得に応じた逓減方式(配偶者特別控除のような)を導入を検討すべき

・プア層もリッチ層も同じだけの税額軽減額とするため、所得控除方式をやめて税額控除方式にすべき

以上のようになれば、
該当者や家族の気持ちの面で障害者控除を受けやすくなるし、
現場の公務員の障害者控除認定に関する事務負担が軽減されて市民ケアの時間を増やせるし、
所得の再分配も果たせる。

みんなハッピー、どうよこれ!

お金持ちの障碍者には負担が重くなっちゃうけど・・・。ご協力をお願いできないかしらん?

障碍者年金も、いずれマイナンバーで所得捕捉されれば、所得要件も付くだろうし、いつまでも非課税とも限りませんわけです。

・こんな将来がいい

一番いいのは、ハンディがなくなって生活扶助なく自分で生活費を稼ぐことだよね。そのために社会インフラが当然のように備わっていて、「障害者」という垣根がなくなることだよね。社会インフラや周囲からの雰囲気のせいで、家に閉じこもっちゃうのは悲しい。

平成30年税制改正大綱では、高齢者やハンディがある方への一定の設備投資には税額控除を設ける予定もある。きっと、もっと一人でお出かけしやすくなる将来がもうすぐ来る。

誰しもが良くも悪くも特別扱いを受けずに生活できるようになるといい、と私は思うんだよねぇ~。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。