私は分かる、医者が大至急必要でもなさそうでも薬を処方する理由が。膨れ上がる医療費削減のために、安易に医療を制限するべきではない。
1、医者の存在は希望
病人は言った、「わたしは見放された」
私は医者に相談した、「見放されたと言われました」
医者は言った、「それは医療に見放されたという意味ですか」
私は知った、治るかもしれないという希望は一番の薬だと。
2、胃薬を処方された話
調子が悪いときに病院へ行き、どこも悪くないから帰って休めばと言われたことがある。薬も処方されなかった。きっと、余計な薬品代を制度が負担しなかったから、あるべき効率的な判断だったんだろう。
私は不満で帰った。
調子が悪いのに、専門家が分かってくれない。
何ヵ月も調子が整わず他の医者へ行った。
「睡眠不足だったりしない?そう、遅くまで勉強してるんだ。なるべく規則正しい生活をしてね。そう、8月が試験なの。それまで、胃薬出しとこうか。勉強中に眠くならないやつにしよう。」
無理しないで、なんて無理だよね。頑張り過ぎないで。お大事にね・・・
3、薬品ロス問題
捨てられる薬が日本にはたくさんあり、もったいないよね。それにも税金が使われている。
医者の言葉がきっかけで体調を自ら整え、薬が不要になることもある。
薬を眺めて、辛くなったら飲めばいいからと安心して生活できることもある。
捨てられる薬がもったいないという結果だけでなく、その薬の存在で救われる気持ちもあるよね。
医者の仕事は治すことではない、治すのは自分。そう言った人がいた。
4、国民皆保険制度の疲弊
日本はすべての人が何らかの健康保険制度に加入することが義務になっている。健康保険料なんて、単なる名前を変えた税金に過ぎない。本当は、みんなが出し合った健康保険料でみんなで医療費の制度負担分を賄えるようにしたい。
でも、受診・処方薬の方が多くて、徴収した健康保険料では足りない事実がある。徴収額を不足分だけ増やすのは計算上は簡単ではあるが、限界があるのではないか。
これから、団塊の世代が一気に高齢化して、医療や介護や年金など、制度側からの支出が増えていくことになる。
どうすればよいのか、私にはアイデアがない。
5、医療に制限があってはならぬ
だからといって、医療に制限を設けていいのか?
まずはジェネリット薬品から優先利用の推進をしているようだが、嫌がる人はいる。小児科ではジェネリックは嫌気されているようだ。ジェネリック医薬品を半ば強要してもよいものだろうか?
子供の医療費は全額を制度・国負担だと聞いた。
一部の医療専門家が提唱する通り、先発医薬品を希望する場合には100%負担してもらうなどの、選択肢は必要なのではないか。自己負担であれば受診は無料でも遠慮せず堂々と購入できる。
子供を優遇するのはいい、しかし家庭の方針すべてを持ち込むもの違うでしょう。安心だからと街の病院に子供を置いて買い物に行く人がいた。まさか買い物のために受診させているわけではないだろうが・・・。
何でもかんでも権利ではない。だからといって、受診にハードルを設けると、遠慮がちな人が救われない。
それに通院・入院するお年寄りに冷たい社会にはガッカリする。
慶友国際医療研究所の冨澤達弥氏の言葉を引こう。
「国民皆保険制度のもとでの医療制度は,単に人々の健康を回復させる役割だけでなく,制度を通じて個人を社会に包摂するという機能も果たしている。つまり国民皆保険制度とは,いかなる個人も医療を受ける機会から放り出さない,という社会的に合意された意志の表明に他ならない」。
(引用元 株式会社 医薬ジャーナル2013年1月号)→ https://www.iyaku-j.com/iyakuj/system/dc8/index.php?trgid=26025
数年前からとっておいてある胃薬、いつまでもお守りのように眺めていないで、もう捨てないとな。