固定資産税・法人税・所得税を減免。投資促進税制

30.5.28 さいたま新都心合同庁舎で、中小企業庁が開催する生産性向上特別措置法の説明会に参加。わたしは認定支援機関だから参加できたのですわ。

中小企業が設備投資を行う場合には、税額控除・固定資産税(償却資産税)の減免措置があることがある。固定資産税の減免は3年~5年の効果がある!(法人税・所得税の税額控除は原則として取得時のみ)

その設備を購入する前に、顧問税理士や認定支援機関に相談しましょう!

設備等を取得後60日以内に役所に計画書を提出する必要があるので、買ってしまってからだと税制優遇が受けられないかもしれませぬ。しかし、ダメもとで頑張る選択肢もアリ。

・実際の流れはこんな感じ。

1、事業主さんが認定支援機関(税理士等)へ事前に「こういうの買おうと思ってる、税金が安くなると聞いた!」と言う。(報酬が発生する可能性が高いので、費用対効果を確認)

2、認定支援機関が税制優遇があるか確認後、役所に提出する書類を作成し、認定支援機関が押印をして役所に提出する。

3、役所から「イイヨ」「ダメ」のお返事が来る。(30日間くらいは見ておく)

4、イイヨの認定を受けた該当する設備を購入する。

5、認定を受けた設備について「工業会証明書」を取り寄せて役所に提出する。(本来はあらかじめ証明書を提出なんだけども現実的には厳しいので後出し特例OK)コピーとっておいて!

6、翌年1月1日から賦課される固定資産税が1/2又はゼロ。償却資産税申告書に工業会証明書のコピーを添付する模様。

7、法人税・所得税をお安く申告できる!税務署へも工業会証明書のコピーを添付。

・強化法と措置法、どっちも使える

説明会を聞いていて、いろいろ疑問が解決いたしました。

平成30年5月現在、「中小企業等経営強化法」により固定資産税が1/2&法人税・所得税の税額控除、という規定がある。

他に、平成30年6月以降(予定)の「生産性向上特別措置法」により固定資産税が最大でゼロ、という規定が出来る。

「強化法」は固定資産税が1/2&国税の税額控除で、「措置法」は固定資産税が最大ゼロ、という違いがある。

固定資産税ゼロの措置法を選ぶと、強化法の税額控除が選べないと心配しましたか。安心してください。

固定資産税は措置法を選択し固定資産税をゼロにして、国税は強化法を選択して税額控除を受ける、ということも出来る。

国税の税額控除を受けたいからといって、泣く泣く固定資産税のゼロを捨てて1/2にする必要はないのでした。めでたし。

工業会証明書のサンプルを見たけど、強化法と措置法と兼用なのでご心配なく。(コピー取っておいて!)

・適用要件、生産性の向上がキー

設備投資すれば、なんでも減税という訳ではなく、生産性が向上する計画でなければなりませぬ。

どのくらい生産性が向上せねばならぬかというと、固定資産税1/2の「強化法」では年平均1%以上の生産性アップ見込み(同一メーカーとの比較ってとこがミソ)、固定資産税最大ゼロの「措置法」では3年で9%以上の労働生産性アップ見込みであること。

設備も何でもいい訳でもなく、種類や一定の金額以上という縛りがある(下記参照)。それらを満たしていても、例えばバックオフィスの電気をLEDにした、みたいのはアカンとのことです。

大事なのは現場!という考え方で「自宅兼事務作業所だから、自宅の電気をLEDにして、税金を安くしよう!」は無理です。自宅兼用店舗の、店舗のLED化は適用があるかもね。

他にも、資本金基準や業種、従業員数によっては適用から外れることもある。

・制度の背景 中小企業庁より

しかし、なぜ似たような税制をバンバン作るんですか、税理士に対するイジワルですか?何らかの業者に対する何らかですか?と問いたい!購入設備ごとに認定すれば事務手続きが減るではないか。なぜ、知ってる人だけが得をする制度にするんだ!

中企庁「平成30年は、事業承継税制の出血大サービス、所得拡大税制の拡大を行った!しかし、潤っている企業にしか恩恵がないね。」

中企庁「ところで償却資産税は世界的に珍しいから、どげんかせんといかん、と以前から引き続き着目していた。」

中企庁「日本は赤字企業が多いのであるから、赤字企業も恩恵を受ける税制で応援したい。」

中企庁「固定資産税(償却資産税)の1/2減額は以前からあるけど、更に深堀して最大ゼロへ。」

中企庁「実は、現在進行形の固定資産税の1/2減額は、国が認定して税収減は地方であることについて批判もあった。だから、今回の措置法は、市町村が認定をして、市町村の税収が減るという仕組みにして市町村の自主性を大事にした!」

とのことです。

・市町村ごとの反応は?

市町村の事務負担を増やしちゃったウフフ。減収の補てんは何かしらある模様ですが・・・ちょっとはっきり分からない。

ところで、では市町村がどれだけ認定してくれるのかということが気になるところですが、

23区を含む全市町村1741のうち、固定資産税ゼロにする予定の市町村は1492らしいです。ほとんどが協力的ですね。市町村の考えにより、エリア限定(沿岸部限定とか)や産業限定するところもあるらしい。

制度上は最大5年となっているけれども、ほぼ3年という計画のようですわ。

市町村の現場ではハラワタ煮えくり返り、とかもあるんでしょうか。あるだろうなぁ。

・たくさんある、投資関連の税制まとめ

平成30年5月現在、3種類の投資関連税制のまとめは、中小企業庁のパワポが分かりやすい。中小企業庁HPより → http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2017/170315semenozeisei.pdf

* * *

ひとつひとつの投資関連税制の紹介は以下の通り。どういたしまして。

1、中小企業投資促進税制

(中小企業者が機械等を取得した場合の、おなじみのもの)

機械160万円以上・工具120万円以上・ソフトウェア70万円以上・貨物自動車3.5トン以上。

税額控除7%or特別償却30% なお、税額控除10%は終了した。

中小企業庁HPより → http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2014/tyuusyoukigyoutousisokusinzeisei.htm

2、中小企業経営強化税制

(経営力向上設備、と略されるもの。旧生産性向上設備を改組)

機械160万円以上・工具器具備品30万円以上・建物付属設備60万円以上・ソフトウェア70万円以上。

税額控除7%・10%or即時償却

中小企業庁HPより。分かりにくい。→ http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2017/170315kyoka.htm

★別途、上述通り、固定資産税ゼロとなりえる措置法、「生産性向上特別措置 先端設備等導入」が現在審議中でほぼ確定か。

3、商業・サービス業・農林水産業活性化税制

(経営改善設備、と略されるもの)

器具備品30万円以上・付属設備60万円以上。

税額控除7%or特別償却30%

中小企業庁HPより → http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2015/150401zeisei.htm

4、国税の税額控除リンク

参考:新・国税庁HPより 税額控除(便宜上、法人税) → http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/houji313.htm

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。