儲けるだけが農業なのか@栽培工場

30.11.27 ガイヤの夜明けというテレビ番組を見た。

「稼げる!驚きの野菜革命」というタイトル。都市農業研究家のハシクレとしては、これは見なければならぬ。

・番組の紹介文

猛暑に台風、地震…。自然の脅威に晒された、今年の日本。農業も水不足などで大きな被害を受け、野菜の価格が高騰。消費者にも影響が広がった。
 予想外の自然災害に加えて、担い手の高齢化、後継者不足、耕作放棄地の増加も深刻化している。それらの問題を一気に解決しようというプロジェクトが今、動き出していた。「災害に強く」て、「作物の安定供給」が可能。さらに、消費者には「安い野菜」を提供できて、「誰でも簡単に稼げる」という取り組みだ。
 これまでの農業の常識を覆す可能性を秘めた、日本発の農業革命を独占取材する。

・誰でも儲かる?そんなわけないよっ

番組の流れは、栽培工場を売り込む株式会社と栽培工場を取り入れた事業主の密着取材というところ。

地方の耕作放棄地などを想定しているかんじよね。都市農業と無関係、ではないんですよ!地方の農業のあり方が変化すると、販売地である都市部に流通する野菜が変化するよね。指向・価格・品種・トレンドなどなど。

地方に当該株式会社が、「儲かる農業、5年でペイできます」的な売り込み方をしているように見えた(飛び飛びで見た)。

「そんなわけないだろ!」と思いつつ見る。だったら、なぜ農地を借りて、あなたがやらないの?

社長は九州の農村出身で、「地方の農業でも都会並みに稼げるようになれば、若い子は地元にとどまる」と考えているようだった。都会に来る理由は、稼ぎたいという理由ばかりではないと思うけどね?

・農家の事業承継はやはり世襲

栽培工場に4300万円を投じた、という事業主。台風でも大丈夫だった植物工場(見た目はビニールハウス)を見て、満足げな農業創業者とホッとする二代目後継者。

やはり、事業承継で一番よいのは世襲ですよ。創業者も多少は譲歩するし、後継者も親のカネだから新しいことの挑戦するにも安心するんじゃないか。販路があるってことは幸せなことよ。親父と比べられて嫌かもだけど。

そもそも、農業は農地がないと経営できないよね。農家は世襲が原則なのではないかしら。先祖代々の土地は、大事にするんだよ。親戚同士が監視してくれるし。それがその人にとって幸せかどうかはともかく、だ。

・バジルが枯れちゃった!

さて、栽培工場では、事件が起こる。バジル工場では、60トン(毎年?)の収穫が見込めるから!と営業さんに売り込まれて導入したものの、虫がついてしまって6トンしか収穫できなかった。しかも、虫のせいでどんどん枯れるバジル。

(借入金の返済は待ってくれないのに、資金繰り大丈夫なのか、と心配するわたし)

工場(しつこいけど見た目はビニールハウス)には天敵がいないので、増えまくる虫たち。まぁ、露地栽培でも同じだろうけどね。

ふと、虫を食べてくれるてんとう虫の羽根を接着剤で接続して飛べなくするという「てんとう虫の囚人化」して農作物を守るという大学の研究があったのを思い出すわ。売ってるよ。

(関連過去記事 減農薬の星・てんとう虫)→ https://mina-office.com/2018/05/13/tentoumushi/

・クレーム処理、必勝法

テレビでは、売り込んだ株式会社がピリピリした会議が行われていた。「会社が潰れてしまう、社長も必死なのだから(部下たちも?)必死でやらないと」と言っていた。部下たち可哀想。

次のシーンでは、株式会社の社長がバジル工場へ行き、技術者が農家さんへ「次に備えてこうしよう」とやり方を教えていた。

教訓は2つ。

まず、営業さんはリスクを伝えたがらないということ。うまい話しは片耳で聞くべきね。

次に、いざ問題が起きた時は誠意をもって向き合うということ。何をすればいいから、とやることを提示して未来を想定できるようにすれば安心してもらえるんだ。

・栽培工場は

テレビに映っていたバジル工場は、農地にビニールを敷き詰めて完全に土地が見えなくなっている。水道管みたいなものを埋め込んで、そこに特殊スポンジを中心にしたポールを立てるだけ。

畑作放棄地には、いいのかもしれないが。

9時から17時までのらくちんな農業、儲かる農業、パソコンでポチリとすれば、水やりも雑草取りも不要、スマート農業、という触れ込みだ。

水は、循環式になっているため、水不足にも安心。

でも、虫で枯れてしまった栽培工場では真茶色になった水が根っこからバジルのスポンジをぐるぐると回っちゃってた・・・。

水を通してバジルの病気が感染しちゃうんだ。

まぁ、露地栽培でも感染しちゃうのは同じなんだろうけど。

・農業に使う水は

わたし、「水の循環利用」には懐疑的であります。なんか、新鮮な水を使ってほしいとか思う。地方は、井戸か川の水を利用してくれたらいいなぁ~。

なぜなら、川にはたくさん栄養があるから!山の木々とか川の生物とかからオーラをもらっているのだ。わさび沢を見たから、皮膚感覚で分かる気がしたわ。こんな水で作った農作物が食べられたら、幸せ~♪でしょ。

わさび沢

(関連過去記事 わさび沢 隠れみち)→ https://mina-office.com/2018/11/17/wasabi-sawa/

よく、農業用水を見かけて。多摩川梨は多摩川の水で作っていると思っていたけれども、先日「農業用水?田んぼはみんなで使ってるけど、畑はそれぞれだから」と教えてもらい。

えーっ!近所の梨は、多摩川の水で育ってるって思いこむことにする!

・農業の社会的役割

農家の負担軽減とか後継者問題とか、「効率化して誰でも稼げる農業」もよろしいのですが、農業本来の役割(自然の恵みを消費者にお届け的な)が失われる気がする。

市場全体の価格を下げることは消費者にとっては喜ばしいことではあるが、貧乏人が栄養と思って食べる野菜に思っているような栄養があるのかな。健康をカネで買うのが、資本主義と言えばその通りなのだけども。

とか言いながら、今日もライフで安いほうの野菜を買うわたし!

テレビでは、農家のおじいさんが、「金儲けだけで農業はできない」と言っていた。

農作物はいのちだから、だ。

いただきます。

上越線からの眺め

 

 

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。