30.12.19 与党税制改正大綱が発表。まだ法律になっていない。(来春予定)
今後の検討課題と、私の感想。言いたい放題の回。p.120~
自民党HPより→ https://www.jimin.jp/news/policy/138664.html
ホームページからポチリとすれば出てくるPDF形式の税制改正大綱はこちら→
クリックできる目次
第三 検討課題
1 年金課税
高齢化なので同世代の貧富の差・世代間の公平性の確保(若年世代からのカツアゲ制度の是非)について、検討していく考え。
具体的には、企業年金など年金制度間のバランス、投資商品への課税、給与課税とのバランスを検討していく考え。
平成30年税制改正の公的年金等控除の見直し(公的年金控除の上限。一律、120万円にすればいいのに!)の考え方や、年金制度改革の方向性も尊重しつつ、拠出・運用・給付を通じて課税のあり方を総合的に検討する。
2 金融所得課税の更なる一体化
金融商品に投資しやすい環境整備へ。証券・金融・商品を一括して取り扱う総合取引所を作ろうかしら。
多様なスキームによる意図的な租税回避行為を防止するための実効性のある方策の必要性を踏まえ、検討する。とのことです!
3 小規模企業等の税制の在り方
個人事業主、同族会社、給与所得者の課税のバランスにメス!個人と法人成り企業に対する課税のバランスを考える。
外国制度を参考にする。(マネばかりで芸がないな!)
給与所得控除などの「所得の種類に応じた控除」と「人的控除」のあり方全体を見直す。
(予定されている基礎控除振替のカオス制度はいい加減にしろ!もっとシンプルなやり方にすべきだ!だから税額控除方式にしろと)
4 未婚のひとり親
来年に検討して結論を得る。
5 国際課税、電子化への課税
引き続き検討する。(外国を使った結果としての税逃れを検討する。アップル・グーグル・FB・アマゾンのGAFAなどばかりではない。外国を利用するなど、合法的な税逃れスキームが存在する。よくないよね~。)
私の勝手な感想
去年も同じようにクダを巻いております。
(関連過去記事)H30(去年) 税制改正大綱 感想 → https://mina-office.com/2017/12/20/h30-taiko-kansou/
去年の記事の形式と揃えるように書きました~。
以下は今年12/21の記事と重複しますが。まぁ、書かせてよ。
(関連過去記事)与党税制改正大綱2019 基本的考え方 → https://mina-office.com/2018/12/21/taikou-2018-2/
今回は大きな改正がないよね~と業界では言われていますが。
個人所得税は自動申告制度へ?
なんか、私は今回の税制改正(平成31年)から、記入済み申告のような数字を自動連動して勝手に計算できる制度が本格化していくんだな、と思ったわ。
反対意見もあるわけですが・・・。わたしは賛成派。数字の転記は自動で。不利益は納税者のせい。(不利益にはたいていの納税者は気が付かない。)
個人所得税の場合、人数がめちゃ多く、サラリーマンや年金受給者は税金のことが良く分からないよね。
公平性のために複雑なしくみをしている税制。複雑だから分からないのに、自分が理解できないのは役所の説明が悪いからである、と窓口でクレーマー化しやすい。窓口の人が疲れて辞めちゃう。
だから、医療費控除だの生命保険料控除だと扶養控除だのふるさと納税だの生命保険年金だの、そういうのだけの人は、自動ですんなり申告を済ませて少しの還付金でニッコリして欲しいですよね~。
公務員はあなたの従業員ではありません、と言いたい。税理士は公務員ではありません。
個人所得税の未来
サラリーマンや年金受給者は、システムで簡単に申告出来るようにしておけばいいよ。
小規模個人事業主は、青色申告会に決算申告書の作成を手伝ってもらえばいいよ。
いずれ、年末調整は事業主の義務ではなく、情報を一元化できる役所が行って還付金を振り込むシステムにすればオールOKになるのではないか?
高額所得者への監視強化
情報は隠しきれない社会へ。
マイナンバーがしら~っと金融機関に通知されるんじゃないかと危惧しておりまして。まぁ、私は役所への情報開示は全然抵抗がない(悪用されないと信じているから)が。
なんとなく気持ち悪いという人もいるかもね~。
ただ、高額所得者が知ってか知らずか、課税漏れとなってしまうのはよくないよ。
情報のこっそり把握をしたいのは分かる。
けど、反面調査が強化されているように読めて、それってズルを許さないって線引きを超えちゃいませんかね?
税務メリットの縮小
年金制度や退職金制度、個人事業主と法人成り、といった複数の税制を比較してもっとも有利な方法をアドバイスするのが税理士の(少なくともわたしの)得意とするところでありますが。(まぁ、アドバイスするには報酬がかかるわけだけど)
今後は、今ほどの税制優遇額は見込めない可能性もあるよね。一言、税制改正があるからね!という注意喚起はしなくてはならぬね。
消費税の納税義務についてもインボイス制度導入(平成35年10月1日から予定。経過措置あるけど)で、業種によって免税事業者は減るんでしょう。
消費税は間接税なので、消費税の益税が発生することはよろしくない。
話しがそれたけど、所得課税も消費税も年金制度も国際課税も、改正は続いていく。勉強には終わりがないね。
しかし、年金は支払時には甘い話しておいて、使い切っちゃったからあなたの将来の取り分は知らんし、課税強化するからってズルくない!?生活できるのか、将来のわたしは?
税理士の将来像
税理士の役割として、税務調査の立ち合いや書面添付制度(税理士がちゃんと見たから文句あるから税理士を通してからにしてもらおうか!と税務署にアピールする制度)がメインとなるんでしょう。あと、不服申し立て?
記帳業務は残ると思うわ。AIでは限界があるから。
(AI記帳で簡単に作った申告書を、税務調査でバシバシと税務否認をしていくという仕事をやりたい!痛快だろうな~イヒヒ)
あと40年くらいしたら、税理士の役割は大きく変わっていくんだろうね。これからも税制改正を読み込んだりなど、時代を先読みしていこう。1つ1つの適用要件など、AIが判断すればいいんだから。何を質問するか、だ。
疲弊しているけど、もう少し頑張ろう!オーッ!
個人事業主の納税猶予
過去記事で既にクダをまきましたが、個人事業主の相続税の納税猶予制度は、ポンコツ感もありますが有利に利用しよう。
まずは非上場株式の納税猶予制度の失敗事例を見てからね。
だいたい、事業承継なんてさ。梅ジャムの梅の花本舗の創業者87歳が後継者に事業を渡さずに廃業したみたいに、結局、属人的なものだから税制でなんとかしようなんて無理なんだよ。
どうせアレよ、事業承継のコンサルタントとか銀行とかが政治家を煽ったんでしょ。税制ではなくて景気の話や将来リスクの話でしょ。怪しげな起業ビジネスも流行っている。
客は店につくんじゃなくて、そこにいる人につくんだよ。知らないの?
しかし、個人経営の農家さんには朗報な個人事業主の納税猶予制度だと思いますわ。うまく使ってね。
相続税の未来
相続税の制度設計も見直していくみたいだけど。
相続税は遺産税方式がよろしいと思いますわ。
現行の土地の税制優遇制度、「小規模宅地等の特例」は、取得者以外の相続人の税金を減らす問題点が指摘される。税収は減るし、税制が相続人の意思決定に大きく作用してしまうけれども、そこまでして遺族の生活基盤は守るべき。
法定相続分を加味する方法は廃止すべき。家長制度はなくなったのですから。配偶者の税額軽減は軽減する金額が多すぎる。
若年世代に贈与を行うように促す施策には反対よ。相続税は、富の再分配機能のためにある。
つまり金持ちの家に生まれた人ばかり優遇するのはやめようという制度なのであるから、次世代への贈与を促し贈与税を優遇するのは金持ち優遇なのです。
・・・まだまだ、言いたいことはあるのよっ!!