31.3.15 多摩区役所にて、都市計画素案説明会が行われ。参加して来ました~。
公共ためとはなにか、公平感とはなにか、ひとのため・自分のためとは何か、財産権という考え方、市民参画意識、将来設計、自分がすべきこと、など、色んなことを考えた90分でした。
自分がまちの住民になってきたと思った話。レベルアップ音が聞こえたぞ。
クリックできる目次
1、都市計画の素案説明会
19時から3階の会議室で行われた、川崎市が開催する説明会。
なんのための説明会かというと。
まず、登戸駅周辺の区画整理で新しく「登戸2号線」という道路が出来ることは決まっている。そして、その道路沿いについて商業化したい。だから、その2号線道路沿いについて高い建物OKとするルールにしたいんだけどどうかしら?
という説明会です。
2、区画整理を行う理由
そもそも、区画整理事業がなんのために行われているのかという点については、平成30年2月8日に多摩区長からの説明を受けておりますわたしです。
区画整理事業は、火事への備えと教育のため、安全で快適な市街地の整備のため、多摩川や生田緑地の資源を生かすため、魅力的なまちづくりのため、らしいです。
勉強熱心ですね。なのになんで仕事が増えないのか。(徳が足りない!?)
(関連過去記事)区画整理と確定申告 → https://mina-office.com/2018/02/11/kukakuseiri/
3、川崎市職員の胃痛が続く90分
結局、まちづくりって行政主導なんだよね。人は引っ越しちゃうし、地主のための街ではない訳だし。どういう風に考えればよいのかな。
まずは45分ほど、川崎市の職員さんがパワポなどを使って説明するけれど、専門用語ばっかりでなかなか難しい。
相続税申告の勉強と宅建の勉強しといたから、なんとかついていけるわ。宅建は落ちたけど。
速記官もいました。スゲー!
その後、45分間の質問タイム。
やだー!このピリピリ感!民間業者で本当にヨカッタ。
しかし、後述するけどこのように公務員がピリピリ意見を聞くことも民主主義のためには必要な事よ。職員さん個人攻撃ではないから、冷静に受け止めて、ひいきなく、きちんと処理してください。よろしく。
4、分かりやすく説明できるか
質問1
街の人「専門用語が多くて分かりませんわ~。」
職員「全部は説明できないから、個別に質問してくれる?あと、「公共空間」というのは、道路や公園のことだよ。」
ま、用語を理解している人からすれば、分からないことが分からないんでしょう・・・。
5、誰かの犠牲は仕方がないの?どこまで?
質問2
街の人「高い建物が建っちゃったら、ウチは日影になっちゃうの?心配しちゃう」
職員「えー、でも、ペンシルビルだったらセーフじゃん?」(まぁ、立場的に答えられないってことは私は理解できるよ。あの場ではこういう回答しかできないよね。)
街の人「それって質問の意図を理解していなくない?」
・・・うーん、日影になっちゃう家の人のために高さ制限をつけるっていうのは、区画整理事業のスピリッツとそぐわないよね。誰かの犠牲は切り捨てるしかないの?誰かひとりのために、街の発展は諦めるべきなの?民主主義って、なんなの?
わたし、税金を取り扱う仕事をしていて、いつも思う。私有財産とみんなのため、ってどう考えればよいのか?
・財産権はむずかしい
日本国憲法には、国民の財産権についてルールを決めている。みんなのためなら、あなたの財産を使っていいって書いてあるよ。納税の義務って考え方も憲法29条の財産権の侵害に関係している気がするけど、勉強してもなんかモヤっとしちゃうんだよ。
第二十九条 財産権は、これを侵してはならない。
○2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
○3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
6、結果に捉われず、将来目線
質問3
街の人「素案説明会っていうけど、もう決まっているんでしょ。どうせ、我々がなんか言っても、変わらないんだぁ。悲」
職員「そんなことないよ。だから、4月20日土曜日の10時から公述会やったりして町の人の意見を聞くシステムがあるんだよ」
街の人「やってますシステムってだけでしょ。本当に民意で変えられるとは思えないよ」
・・・・そうか、まちづくりは税制改正みたいに民意を簡単に反映できないんだ。何十年計画だから、街の人が言っていたみたいに、既に引っ越してもらった人もいるから今更やっぱり区画整理をやめました、にはならないこともはあるんだね。
だから、こういう民意反映システムは大事なんだ。「どうせ変わらないし」とか「職員に言ってもしょうがないし」で黙っちゃうと良くない。これでいいものだと思われちゃうもんね。
結果が出ないことが分かっていても、考えて行動することは大事だよ。成果を求めすぎないで見えない将来のために出来ることをしよう。わたしは質問を聞いていて、そんな風に思いを改めた。
・・・今まで裏切られてきた思いがあると、頑張っても無意味に思えちゃうよね。
だから、毎年、税制改正要望を提出しているわたしの行動にも意味があるんだ!単なるうるさいヤツと言われても、考えることは大事!だ!(言い聞かせ)
税理士会の偉い人、聞こえるか!勝手に決めるな!
7、え、マージャンもNG?
質問4(わたし)
わたし「その2号線てどこですか?柏屋さんのとこ?あ、違うんだ。」
わたし「その、商業地にしたい道路には、キャバレー・料理店等は作っちゃダメと書いてあるけど、レストランもダメなの?」
職員「この”料理店等”はレストランのことじゃないよ。レストランはOK。キャバレー的な料理店はダメって意味だよ」
とのことです。スナックはセーフ?バーテンが男ならセーフ?法律用語は難しいなぁ。
なお、当該エリアは競馬の馬券売り場や車券売り場などのバクチ関係もNGで、麻雀店もダメだって!麻雀はトバクじゃなくてスポーツだよ!なんでダメなんだよ!・・・と思ったけど黙っといた。ワハハ!
8、地域によるひいき・住民間の情報格差
質問5
街の人「特定の場所ばっかりひいきしないでよ。その場所のために換地に応じて減歩も飲んだわけじゃないんだよ~」
職員「ご要請は理解した」
街の人「なんか、粗末にされてる気がして悲しい」
職員「うーん・・・」
(関連過去記事)減歩とは?→ https://mina-office.com/2019/03/16/genbu/
・・・・わたし思うんだけど、職員は計画を実行する側だから、地主さんにありがとうはないよね?地主さんにありがとうと言うのは、本来は同じ市民だよね。
私は市民だけど、知らない内に区画整理事業が計画されて実行され、知らないところで土地の持ち主が引っ越しを余儀なくされた。そして、「とんかつやまと」もなくなった(恨んでいる)
当時は市民が望んだ区画整理事業だったのかもしれないけど、ずーっと時間がかかっているうちにニーズもズレてきたんじゃないか?少なくともわたしは、「とんかつやまと」が消え、見慣れた街が消えた区画整理を望んでいない。(そんな感情的な理由で!?)
でも、今更区画整理をやめられない。またイチから計画したら、何十年も先になってしまう。理解できる。
だから、役所が高さ制限や色彩の制限など「最低限のルール」を行政主導で決めて、他の部分は住民が決めるということになっているらしい。
今まで、話し合いは7回ほど行われ、住民の意見は分かれるわけだけども一定の方向性で決まってきているらしかった。ま、わたしは知らなかったけど。
9、まちを知る。ひとを知る。
わたし、今回の都市計画関連の説明会に参加してよかったなぁと思うわ。
知らなかったことを知ることは面白い。
それに、街の人の質問は言葉がシンプルで分かりやすかった。わたしは同じ町の住民なんだよなって思う。
悲痛な質問が多かったし、すべての意見に賛同できないけれど、それらを知ることが出来てよかった。
そうか、そういう気持ちなんだなって教えてもらえた気がして、本当によかった。