川崎市の農業状況について@都市農研

2019.7.10 納期の特例という業界の繁忙期に、川崎市の農業振興センターへ都市農業について勉強に行くの巻。都市農業研究会の活動で。

都市農業研究員のみんなと一緒に、梶ケ谷の農業振興センターへ!

・きっと農業振興って言うくらいだから・・・

農業振興センターってくらいだから、ツタを組み合わせて出来ている壁一面にゴーヤが張り巡らされた建物、もしくは木と葉っぱで出来た小屋的なものを期待して行きました!

こういう建物かなのイメージ!モリゾーが住んでます的なイメージ!(画像は生田緑地バラ苑)

 

 

きっと、農業振興センターってくらいだから、対応してくれる川崎市職員さんは麦わら帽子と長靴に軍手で出迎えてくださるのかしら申し訳ない、と期待して行きました!(アポイントとっていきましたヨ)

農業振興センターの職員さんイメージ

が。フツーの市役所っぽい建物の中の、良心的な市の職員さんが対応してくれましたわ~。

ありがとうございまーす!

・ポンコツなわたし

様々な質問を他の研究員が行い。私は「(理路整然と目的をはっきりさせた質問。すごいですねぇ。わたし、こんな風にシャープに話せないわぁ)」と思いながら聞く。

「小野寺さんは、事前質問がないの?じゃ、農業関連のイベントスケジュールを聞く担当ね。ちゃんと聞くんだよ。後で報告するんだよ。ワカッタ?出来る?」(会話は盛っています)

とリーダーに役割分担をいただいたにも関わらず、タイミングを逃す。

わたし「ひそひそ(リーダー、スケジュール聞くの、どうしよう)」

リーダー「ひそひそ(いいよ。大丈夫)」

ということで、私はぽさ~っと聞きつつ、アホなりにも、質問をちゃっかりするわけです。(自分の役割分担も出来ないのにアイツは!って感じよね。知ってる。)

・生産緑地と農地税制

研究会と農業振興センターで、ワハハと意見交換をしたわけです。

生産緑地の施策ってどうされていますか、という質問事項があり。なるほど~と聞きつつ。

どうして、予算をかけてまで川崎市は生産緑地を応援するのでしょう?固定資産税や個人住民税という税収という観点からは、宅地化する方が税収アップなわけですよね、土地の時価下落の抑制という側面もあるのですか、と言いたいものの、質問しながら迷子になっている。(いつも)

 

途中で他の研究員が聞いてられんと補足して質問をまとめてくれる。(すみません、「おみそ」で。)

川崎市や研究会の意見交換の結果として、「やはり、農あるまちづくりって大事だよね。税収には代えられない魅力があるんだよ」というわけで、都市農地への厚遇は専門家の理解は得ているようです。

「おのでら調べ」によりますと、市民からの理解も割とあります。けど、税制の公平感から考えると、少しだけ温度差を感じることがあるんだ。

生産緑地は、固定資産税・相続税共に手厚い保護を受けています。

なんで農地が利用制限を条件に税制優遇されているかというと、食べ物だからです。農地の維持コストが販売価格に転嫁されると、農業経営が立ち行かないのですよ。

生産緑地の質問のほか、市民農園や農作物の流通経路について意見交換したりなど、有意義でしたわ~。

・川崎市の農業の現状について

川崎市は、150万人も住民がいる。

川崎市の農家は1289軒(2015農林業センサス)うち、販売農家は595軒。

川崎市の農業経営体のうち、30a未満が26.6%、30a~50a未満が32%。

1aは100㎡です。(1aは1アール、と読みます)

なので、農地5000㎡未満の農家さんが半分以上ってことね。都市農業の特徴で、農地は分断されていることが多いですから、5000㎡といっても500㎡が10筆、とかありえるわけよね~。非効率ね。機械でガーッ!と出来るのは、農地が広いから。農地が分断されていると、段々畑みたいなもんで、手作業になっちゃったりするんだよ。

川崎市の平成29年度農業実態調査によりますと、世帯の農業所得が50万円未満がグラフ上40%以上を占め、世帯の農業所得が200万円未満がグラフ上60%ほどを占めている。

「所得」なので、家族給与を差引後だと思うから一概になんとも言えないのですが。

しかし、農作物の販売価格ってさ・・・・。

・川崎市の農家数と農地面積(2015)

川崎市の農家数は2015農林業センサスによりますと、

川崎市全体の農家数は1172軒(うち販売農家595軒)。農地面積は549.2ha(うち市街化調整区域内は174.4ha)

以下は区ごとの内訳をベタ打ち。

※販売農家とは、経営耕地面積が30a以上又は農作物の販売金額が50万円以上のものを言います

※1haは10、000㎡

川崎区1軒(販売農家0軒)、0.4ha

幸区9軒(販売農家5軒)、3.3ha

中原区93軒(販売農家43軒)、23.9ha

高津区203軒(販売農家99軒)、69.5ha(うち調整区域14.4ha)

宮前区307軒(販売農家167軒)、136.3ha(うち調整区域3.4ha)

多摩区257軒(販売農家129軒)、91.6ha(うち調整区域0.9ha)

麻生区302軒(販売農家152軒)、224.2ha(うち調整区域155.7ha)

調整区域が意外とあります!

・作付け面積ランキングH29年度

ドルルルルル。

野菜部門

第1位!じゃがいも 1322アール!

第2位!トマト 1230アール!

第3位!大根 1210アール!

第4位ブロッコリー 1147アール!

第5位枝豆 1020アール です!

野菜部門は、作付け面積順位が拮抗していますね。今後のランキング変動もありえますね!

1アールは100㎡、です。復習。

果樹部門

ドルルルルル~♪

第1位! 梨 2264アール (おお!これは多摩区がメインかな!)

第2位! かき 1765アール (麻生区かな!)

第3位! みかん 1310アール

第4位! うめ 894アール

第5位! クリ 760アール です!

みかんとか梅、クリ・・・・。

花卉部門

川崎市には、花も作って売ってます!北部市場でも花の市場を見たよ。

では、発表!ドルルルルル~♪

第1位! はなもも 646アール

第2位! ケイトウ 226アール

第3位! パンジー 212アール

第4位! コギク 155アール

第5位! ハボタン 65アール。

うーん。花より団子、花より梨でごめん。

・畜産物飼養農業(H31.2)

なんと!川崎市にもウシ・ブタ・トリがいるとは知らなんだ。

乳牛の減価償却について調べておいてよかった。いつでも顧問契約待ってますんで!さて、どのくらいの数、畜産物農家さんがいるのかしら。ワクワク。^^

乳用牛 1軒。13頭

豚 1軒。480頭

おのでらみな画伯、「宇宙地鶏」より。

採卵鶏 6軒。12460羽

・・・・ちょっと、顧問契約狙うには母数が少なすぎる・・・。

カネの話はともかく、すごいね!川崎にウシブタトリがいるとは!しかも、結構いるという笑

いや~。是非とも見に行きたい。

昔は、百合ヶ丘のあたりに養鶏場が多かったと聞いた。

地元でとれたてのタマゴがいただけるかもしれないなんて。

幸せなことだね。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。