がん登録推進法41条1項の手数料、消費税は非課税。

2019.8.10 国税庁のHPを見ていた。がんに関する匿名情報は、がん研究者に限り情報提供が受けられるようです。・・・ガンの話ではなく、消費税に対する考え方の話です。

法律って美しい!とちょっと思った話。

1、アレ?と思えるセンスを磨きたい

国税庁のHP、「文書回答事例」で「がん」という言葉を見た時、なにかと思ったら消費税の話でした。(個別の話だから、普通は使わない!)

うわ~税理士試験で出そう、みたいな。(第69回税理士試験お疲れさまでした。消費税法の解答用紙が多かったらしい。振り返れば、国際的な取り扱い、簡易課税の取扱い、どちらも政府税調や税理士会で話題になっている論点が出たんだ。終わってからなら何とでもいえるんだという結果論。来年は消費税の中間の取扱いが出る!かもね)

こういう文書回答事例みたいの見てると、どのように考えて税務判断をするのか、というセンスが付くのかしら。どの部分で「アレ?」と思えるかどうか、ということが大事でしょ。

国税庁HPより がん登録等の推進に関する法律第41条第1項に規定する手数料に係る消費税の取扱いについて → http://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/shohi/190709/besshi.htm#a01

 全国がん登録によって集められた情報については、厚生労働大臣は、がん登録推進法第17条第1項《厚生労働大臣による利用等》に基づき、国のがん対策の企画立案又は実施に必要ながんに係る調査研究のため、日本でがんと診断された全ての人のがんに関する情報を自ら利用又は同項各号に掲げる者に提供することができるとするとともに、がん登録推進法第21条第3項及び第4項《その他の提供》に基づき、がんに係る調査研究を行う者(以下「がん研究者」といいます。)に対しても、厚生労働大臣が当該情報を提供することができることとされています。

ほうほう。がん患者の情報は、法律に基づいて国に集められているんですね。

就活の学生さんの情報を集めて無断で企業へ売却するのとは、訳が違います。

2、消費税は非課税ですか?マイナー論点から学ぶ

 また、当該情報の提供については、その権限及び事務の一部が厚生労働大臣から国立研究開発法人国立がん研究センター(以下「国立がん研究センター」といいます。)に委任されており、がん研究者が当該情報の提供を受ける場合には、がん登録推進法第41条第1項《手数料》の定めるところにより、国立がん研究センターに所定の手数料を納める必要があります。
 この場合、当該手数料は、消費税が非課税となる行政手数料に該当するものと解して差し支えないか伺います。

さて。

国税庁の答え。「この場合に限定して」という但し書きがありますが。

YES,本件は消費税は非課税だよ!行政手数料と考えてOKだよ!とのことです。

(3) 結論

 以上のことから、照会の全国がん登録情報及び匿名化情報の提供は、消費税法令上の公文書に類するものの交付に該当するため、がん登録推進法第41条第1項の規定に基づき、国立がん研究センターががん研究者から徴収するその提供に係る手数料については、消費税が非課税となる行政手数料に該当するものと解されます

(あれ、なんで文体と文字の大きさが変わっちゃったんだ?)

3、判断プロセス

ところで。本件は、がん情報を集めているのが厚生労働大臣。大臣は、国立がんセンターへ情報に関する管理を委託しています。委託された国立がんセンターが、がん研究者に匿名加工された情報提供をする文書。これが、公文書に該当するか否か、という点を重視していました。

公文書の交付等手数料は非課税なのだけれども、法的根拠は?

消費税法6条その他の法律と消費税法基本通達6-5-2が挙げられている。

(1)  公文書の交付等に係る手数料に関する消費税の非課税規定等

 国、地方公共団体、消費税法別表第三に掲げる法人(以下「別表第三法人」といいます。)その他法令に基づき国若しくは地方公共団体の委託若しくは指定を受けた者が、法令に基づき行う公文書及び公文書に類するもの(記章、標識その他これらに類するものを含みます。)の交付(再交付及び書換交付を含みます。)、更新、訂正、閲覧及び謄写に係る役務の提供で、その手数料その他の料金の徴収が法令に基づくものは、消費税が非課税とされています(消費税法第6条第1項、別表第一第5号イ及びロ、消費税法施行令第12条第2項第1号ハ)。
なお、「料金の徴収が法令に基づくもの」とは、「手数料を徴収することができる」又は「手数料を支払わなければならない」等の規定をいい、「別途手数料に関する事項を定める」又は「手数料の額は〇〇〇円とする」との規定は含まれないと解されています(消費税法基本通達6-5-2)。

ここで、公文書である、と言いたい理由付けについて「元国税当局の担当者が著した書籍を参考にしました」とはね!

そうか~。法律は役人が作るんでしたね。はい、そうですよね。あまりにも堂々とし過ぎているなぁ。消費税の創設・導入事務の担当者の説明ファーストってのが違和感あった。

まぁ、消費税だから、目くじら立てることもないんだけど。なんかさ~。しかも書籍に書いてありましたってのが・・・。

そのうち、私も登場するかも!「おのでらの日記に書いてありました!」(コワイ)

 また、消費税の創設・導入事務に携わったという元国税当局の担当者(大島隆夫氏・木村剛志氏)が著した書籍である「消費税法の考え方・読み方(五訂版)」の61頁によれば、公文書に類するものについては、「例えば法別表三の法人,国等の委託又は指定を受けた者が作成する,公文書そのものではないが公文書としての内容を持っている文書,あるいは文書の形態を採っていない記章,標識等」がこれに該当する旨の説明がなされている

最後の難クセはともかく、税法の読み方を改めて考えた。

こういう個別のものは覚えきれないんだけども、「法的思考力」が必要なんだって教わった。まぁ~私みたいな日本語不自由な人間に「思考力」だなんて無理筋かもしれないけど、折角だから頑張りたい。

ガンバレわたしっ。難しい税理士試験にも合格できたんだ、わたしには出来るんだ!自信持って行こう!オーッ!(鼓舞する)

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。