休業給付金と休業手当の税。制度の歪み

2020.7.11 コロナ休業で、従業員休業中のお給料の話。休業手当は給与課税で休業支援金・給付金は非課税?支給額も仕組みも歪んでいるので、早期改正を望みます!

1,休業に関する給与の所得税

(1)休業手当(雇用主が支給)給与課税

休業手当は、雇用主が雇用主の都合で従業員を休ませた場合に支給義務がある手当のことのようです。(労働基準法の決まりなので、社労士さんが専門)

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休業手当の場合、給与所得に該当するため所得税が課税となる。源泉徴収対象となる。

(国税庁ホームページ 労働基準法の休業手当等の課税関係)→ https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1905.htm

(2)休業支援金・給付金(ハロワが支給)非課税

雇用主が休業手当の支給を行わない場合、一定の条件下でハロワから従業員に直接休業支援金・給付金が支給される場合があります。

(厚生労働省ホームページ コロナ対応休業支援金・給付金) → https://www.mhlw.go.jp/stf/kyugyoshienkin.html

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休業支援金・給付金の場合、所得申告は不要です、と書いてあります。つまり、支援金・給付金は所得税が非課税となると読めます・・・・。(本当かしらね)

(厚生省ホームページ 休業支援金・給付金 5支援金・給付金 PDF)→ https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000646888.pdf

雇用主からもらえれば所得税課税。雇用主が休業手当を拒否すればハロワから休業支援金がもらえて所得税非課税。・・・・私の読み間違いなのかと思いましたが。そう書いてあるよね?

2,支給される金額

(1)休業手当は60%以上

休業手当は、雇用主が雇用主の都合で従業員を休ませた場合に支給義務がある手当のことのようです。(労働基準法の決まりなので、社労士さんが専門)

休業手当は平均賃金の60%以上を支給するのが決まりなんだと。

例えば、ず~っと毎月10万円の給料支給だった場合、平均賃金は10万円。1ヶ月休業をさせたら、10万円の60%以上、6万円以上の休業手当を従業員に支給する決まり。

・・・・一般的には、最低額の6万円の休業手当を出すんじゃ?

コロナの休業要請があったお店でテレワーク等ではどうにもならない仕事ってあるよね。それは雇用主都合と言えないのでは。そういう状況下で休業させた従業員に対しては、雇用主が休業手当支給の義務はないようですが・・・・・。だったら6万円の休業手当を支給する義務があるんでしょうかね?私は専門家ではないので、明言できませんけども。

(2)コロナ対応支援金・給付金は80%支給

一方、ハロワが従業員に直接支給する「支援金・給付金」は、平均賃金の80%を支給するとのこと。

・・・・・だったら、雇用主からの休業手当ではなく、ハロワからの支援金・給付金の方が有利ですね・・・・・。平均賃金10万円の場合、ハロワからなら8万円もらえて所得税非課税なんだから。

※ ちなみに、ハロワから従業員に直接振り込まれるコロナ休業支援金・給付金は、事業主を通さないため(ハロワから従業員への支給額の通知が来た際にも)雇用主の会計処理・税務処理はありません。(2020.7.11現在の制度を前提)

(3)不公平な制度設計

4月以降の休業で、休業手当を1円でも支給された方には、「支援金・給付金」の適用がありません。

おそらく、税理士などは「なんとか資金繰りが出来るのであれば、お店の再開時にすぐ働いてもらえるように休業手当を支給しましょう。」とアドバイスしたんじゃないかしら・・・・(わたしもそうアドバイスしました)

休業手当支給義務がないお店が、なんとか資金繰りして従業員ひとりあたり2000円の休業手当を支給したケースもあるでしょう。雇用維持、従業員の生活のためになんとか捻出した2000円がアダになるなんて考えられないでしょう。

それが、新しく「支援金・給付金」が出来てみたら、従業員のためにと休業手当を支給した方が損する仕組みになってしまっている。

真面目に苦労した人が報われない仕組みになってしまっている。

従業員にも有利不利が出ちゃってて、ゆがんだシステムです。

雇用主からの支給なら60%支給で給与課税、一方、雇用主が支給拒否すれば80%支給で所得税非課税っておかしいでしょ。

(4)これがいい、コロナ休業支援金・給付金

所得税については、ハロワが直接支給するので給与課税出来なくなってしまった。

だったら、ハロワが立て替え支払いして同時に雇用調整助成金で相殺するシステムにすればよろしい。そうすれば「支援金・給付金」も給与課税と出来る。(給与/補助金収入 という仕訳をイメージ。源泉は、支払ってないから徴収せず特例てダメかしら)

これは、改正が入ると思います。

3,今後の改正予測(個人的願望)

おそらくですが、「給付金・支援金」は、休業手当支給されていたとしても80%に満たない金額を支給、のようになるんじゃないかしら。(プラス、ハロワ立て替えで雇用調整助成金と相殺して給与課税システム)

少し、様子を見ましょう~。

こういう制度って、社労士などの現場の意見を聞かないのかしらね?

通常期の雇用調整助成金とコロナ状況下の雇用調整助成金とでは性質が違うわけですよ。

けど、通常期のそれを取り扱っているハロワは、その制度趣旨の違いをすぐに理解するのは困難でしょう。(自分たちが後から尻拭いさせられるんだから、まぁそうだよね。既存の制度を使ったのがよくなかったよね。わたしみたいな専門外の外野が、後からなら何とでも言えるけど)

持続化給付金みたいに、一社)サービスデザイン推進協議会に依頼すれば早かったのにね~。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。