2020.11.25 消費税法の理論暗記は無駄ではなかった、という話をします。
消費税法の理論暗記は本当に本当につまらなかった。
多くの場合、基準期間1000万円未満で判定して終わりでしょ。
課税事業者選択届出のリスクを伝えたり(2年間強制適用、免税による益税効果なし、調整対象固定資産の縛りなど)するけど。
特定期間の判定は、課税売上1000万円を給与にかえられるけど、多くの場合「全然給与1000万円いかないですよね」で終わりです。
次に、相続・合併・分割の特例。これはあんまりない。
その後、新設法人、特定新規設立法人。これもあんまりない。資本金1000万円以上の場合、グループ法人は要注意だけど、めったに出会うことはないよ。
高額特定資産の特例ができたので1000万円以上の設備投資は注意ですね・・・・。
税理士になってから、簡易課税制度の説明は多くした。
一方、調整対象固定資産の存在をすっかり忘れていた(課税選択・新設法人は注意)。棚卸調整も忘れていたけど、申告直前に気がついたのは受験のおかげね。
こんなの、実務で使うことなんかないわよ、保税地域なんて縁が無い、輸出物品販売所は別世界の話、特定収入はファンタジーの話、とふて腐れながら暗記していた。いきなり遭遇する!別世界かと思っていたら、挨拶もなく近所に引っ越してきてた。
納税義務の理論は私の血肉になっていて、反射的に回答することが出来たわ(けど、後日調べて追加報告する羽目になるという・・・・)。クライアントと話していて「あ・・・・なんかぞわぞわする。確認しなければ」の皮膚感覚って大事だよね。
インボイス制度の開始による益税は関心が高い。制度としておかしいと思うけど、残念ながら益税狙いの法人成りニーズは多いです。将来の消費税法の動向見解を求められることが多い。
「あなたは免税のままがいいと思います」「あなたは課税選択した方がいいです」は、益税効果ではなく、各納税者の事情や商売の都合を考えて「占い」をしてあげると喜ばれる傾向にあります。
こういうのって、受験しなくても出来る人も多いけど、私は受験したから自信を持って言えるし、自信を持って”分からない、危ない”と思える。
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消費税法を苦労して受験してよかった。消費税法の理論暗記は苦労しましたが、報われますから受験生の皆さん、頑張ってください。
税理士業界の、「税理士試験の理論暗記コンテストはやめよう」のご意見には私は反対を申し上げます。