農家の消費税ー主にJAとの取引について

2021.3.7 農家のための消費税。

前年、令和元年分から消費税の軽減税率が開始された関係で、皆さんの方がよくご存じでしょうけど・・・・。

1,JAの手数料の取り扱い

農家さんがJAに農作物を出荷した場合、1ヶ月分の「精算書」が届くと聞きました。

入金額を売上げにしていると、消費税の税務申告書を間違えちゃうことがあります。

JAから手数料を相殺(天引き、という言い方の方が分かりやすい?)されるの金額で収入計上してください!

2,雑収入の消費税はむずかしい

JAや自治体から受け取る給付金等の多くは、消費税は対象外取引です。

JAからの手数料の値引き相当額は、支払手数料の減額なので、簡易課税の方で雑収入にしている方は「対象外」取引にしてください。一般課税の方は、支払手数料の減額処理でもだいじょうぶ。

3,譲渡所得・雑所得もあります

農家さんがJAなどにて講師を行い、謝金を受け取った場合には、課税取引です。所得税では雑所得で計上すると忘れがちですが、消費税申告の際には課税売上に含めます。

4,簡易課税はむずかしい

消費税課税事業者の専業農家さんは、簡易課税を選択している方が多いでしょうか。

簡易課税について、記載しておきます!

・講師料の収入は、簡易課税では5種。農家でも「講師の仕事」は5種です。

「農家だから2種で軽8%であろう」は間違えやすいです。取引の本質で判断します~。簡易課税って難しいですね。

・軽トラックの下取りは課税売上で4種(固定資産の譲渡)、

・講師謝金は課税売上で5種(サービス業)です。

・同業者へヘルプに行ったお礼を受け取った場合、作業委託収入として4種とのことです。

簡易課税、奥が深いですね~。といっても、課税売上の構成比75%以上の事業区分であれば、ぜーんぶその事業区分で計算してOKという特例があります。

つまり、農業の軽減8%の課税売上が全体の75%を占めていれば、軽トラック下取り代金も講師の謝金も作業委託収入も、ぜーんぶ簡易課税2種でお得に税額計算できます~!このお得な特例を受けるために、事業区分はちゃんと記載してくださいね。

*****

JAとの取引の話から、「農家の簡易課税の事業区分は奥深いですよ(ドヤ」までを書きました。がんばりましょう、確定申告!

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。