さて、償却資産「税」。学びのはじまり

2021.9 償却資産税、という言葉はないのだそうです。正確には、固定資産税(償却資産)。

なんとなく、固定資産台帳から印刷された償却資産申告書で済ませちゃってるけど、本当は色々あるらしいですよ。

償却資産の固定資産税について、実務的に困っている訳ではないのだけど。

1、学びのきっかけ

法人説明会の講師をしていて、減価償却の質問を受け、答えられなかったこと。ブログ読者の方からお励ましのメールをいただいたこと。

税制改正意見書作成で、償却資産税廃止について検討していること。

そうだ、償却資産税、勉強してみるか。

12月に掲載されるかいぎしょの原稿にも、償却資産税を取り上げよう。

こんな始まりで、手始めに償却資産の固定資産税の本を買いました!

2、本 購入

実は、以前から固定資産税は農業の関係でさらりと勉強しなきゃ~と本を買いました。ハズレ!人違いでした。返品したいぐらい。

「こっちにしようかな~」と迷った本が数冊あり、よっこいしょと買いました。

超アタリ!初心者向けの本なのが、かえって良かった!著者の「教えたるで!」が伝わる本。市税の職員に向けた本だったみたい。

アマゾンで「償却資産税」と記載したら出ました!(もう一度言いますが、「償却資産税」という税はありません)

償却資産の固定資産税申告Q&A 著者 笹目孝夫(元横浜市の税務職員)です。

償却資産の固定資産税

税理士向けの本って、気張っちゃってると初心者はとっつきにくいんだよね。

第2章は個別論点が多くて、難しいと思う問題は飛ばして読むのが良いよ!

3、財産税の名残?

償却資産の固定資産税は、昭和22年に存在した財産税の流れが残ったのか、なかなか沿革も面白いです。(財産税についても面白いよ~。食糧買い占め、インフレ、皇室、物納など。今度書きます!)

地方税って、知らないから面白い!

自分だけ税負担が少なければいいではなく、みんなにとって、あるべき税制とはなんでしょうを考えよう。

税哲学を勉強したいと思います!

わたしって真面目だから。

4、固定資産税はヘン

けどさ、固定資産税ってヘンじゃない?土地建物は、所有者のものなのに毎年固定資産税を納付するんだよ。都市計画のために0.3%の上乗せ(全国のうち3割くらいが該当するらしい)もある。

償却資産なんか、換金性に乏しいのに固定資産税がかかるんだよ。

けど、預金で持っていれば、固定資産税相当額はかからないんだよ。

土地建物には、所有者がどんなに貧しくとも課税がある?先祖代々の土地建物を守りたいという貧困層っているのかもね。都会じゃ難しいかもしれぬ。

一方、数十億円を預貯金で貯めても課税なし。金融システムの安定はタダか?

5、地方税は受益関係

地方税は、担税力や換金性を無視して、市町村への受益関係から課税するんだって。国税は富の再分配機能があるが、地方税は受益関係で課税するんだと。(受益関係について、考えると面白いよ~)

住民自治と言いながら、地方税法は国会で確定し、自治体はそれに縛られています。償却資産の固定資産税については、経産省は「廃止しよう」と言い、総務省は「地方が死んじゃうよ!」と言う。

経済産業省と総務省は仲が悪いのかもしれないなぁと思いながら、様々な資料を読む・・・・ウフフ。

地方の経済が潤えば住民の所得が上がって飲みに行くので景気が良くなって住民が喜ぶ、みたいな循環を考えているみたいだけど、、、そうなのかな~。(地方と交付金について考えると、面白そう~!)

さて、償却資産「税」。ポツポツと不定期連載したいと思います~。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。