電子帳簿法と電子インボイスの研修を受講。有益でした

2022.9.14 本会の改正電帳法と電子インボイスのWEB研修に参加してきました~。

国税OB税理士が講師

税務関連の講師は、叩き上げの税理士さんはあんまりしないのよね。

今回の講師の先生は、国税OB税理士さん。あぁ~。税務署からのお知らせみたいな調子で3時間も研修かも、とちょっとネガティブに思いながら聞く。

結果、ためになりました。当初からアプローチしている勉強熱心な私ですが、読み飛ばしや記憶誤りってある。だから、「基礎的なところから」な研修は、おろそかにしないです。あと、今月はヒマだし。

改正電帳法の話だけでなく、電子インボイスの話もしてくれて、実務にも大変ありがたい内容でした。

これは。現場の税理士からのリクエストを反映しての作りになっているんじゃないかな~。

講師の先生よかった。資料と説明が端的でわかりやすく、時間ぴったりに終わった。ネガティブに思ってごめん!

叩き上げの先生だと、「ここも注意した方がいいよ!」「うちのクライアントでこういうのがあったからね」が増えるから、超有難いけど、話が迷子になったり時間超過になるんだよね。(そこが同業者の良さだけど)

さて。

改正電子帳簿法について。

経緯

あたくし小野寺の把握は、

「もともと、電子帳簿法は、「帳簿や帳票をWEB保存したい!」の納税者の声にお応えして作った法律だったのです。で、進化させましょうってことで改正電子帳簿法が出来たのだけど、そのドサクサで役人は現場感覚がないから、電子取引を電子帳簿法に組み込んじゃったせいで、別にWEB保存を頑張りたくない人が巻き込まれた」

でした。今回、だいたい講師の先生の説明と合ってた。わたし、すごいわ(*’▽’)

(電子取引のドサクサのあたり、講師の先生はこういう言い方はされませんが、だいたいそういうことでしょ)

電子保存の方法とスキャン方法

研修では、詳しく説明してくれたけど、専用のツールが必要でハードルは高そう。

レシートの廃棄は、クラウド会計導入程度ではまだ現実的ではないようです。。。

そうだったんだ。。。クラウド会計なら余裕でしているのかと思っていた。別のツールを購入するようです。値段はさまざまあるようですが、結構高そうだった・・・。

クラウド保存は時期尚早

おのでらは思う。

電子帳簿法の帳簿WEB保存・請求書や経費のレシートのWEB保存は、経理がいない家族経営はヤメといた方がいいよ。

クラウド会計導入の事業者で、IT得意な方はいいけど、仕組みがあんまり分かってない事業者は、帳簿と帳票の電子保存はまだ早い。

今回の研修でもお話があったけど、導入の多くは大企業とITスキル超高い中小企業でお金に余裕がある事業者だけって感じみたい。

クラウド会計の電子帳簿保存法は、会計ベンダーを変更できないことと国税に情報共有されてしまいそうな点に要注意です。

おのでら事務所も、いつかはデータ同期・レシートのWEB保存・クラウド会計導入もすると思うけど、様々、落ち着くまで様子見するわよ。

みんな関係ある電子取引

おのでらの認識では、「メール本文が領収書代わりなメールは削除しないでください。アマゾン・楽天購入はPDFで小野寺へ提出してください(で、私が月別にPDF保管)」でした。これで電子取引への対応はOKかと思っていましたが。。。。(ヘイ事務所のクライアントは電子取引の対応済です!)

今後、「請求書の郵送はやめて、ログインしてダウンロードして」が一般化されたら困るわぁ・・・・。電子インボイスで月ごとの売上・仕入等の集計を把握できれば助かるんですけど。

今回の研修で知ったけど、(他の先生からの情報共有があったようです)グーグルスプレッドシートの共有みたいな電子取引があるらしいと・・・・。当然、郵送されないし、常に更新されちゃうという。そういうの、どうするんだろうね?

月別のデータをPDFでちょうだい~なのかしら。スマホしか持ってない納税者じゃ、操作が面倒かもね。

ウーバーイーツや出前館の配達員の方とか?「月別の売上?さぁ?入金されてるから分かるっしょ」みたいなことあるみたいで・・・・。今後、対応すると聞きました。

現状のバラバラなデータだと、発生主義や総額主義は、困難ですわね。

大きめのプラットフォーマーならまだ対応してくれるかもだけど、ポッと出のプラットフォーマーがズシドシ出てきては消えていく時代。契約やめたらログインできないからデータはなくなってしまう。

電子取引、現状では遂行に無理あるよね!

研修では、ある程度の規模がある中小企業を念頭にお話しされていましたが、まぁ完全対応は無理よ。外せないポイントさえしっかりしておきましょ。

趣旨は、電子データは改ざんできるから信ぴょう性を担保したい、なのだそうです。

青色申告の取り消し?

電子帳簿法の対応が不十分だと青色申告の取り消しという噂があると?青色取り消しなんてめったにされないよ。悪気があるケースだけでしょ。

電子インボイスについて。

電子帳簿法の話に続き、電子インボイスの話題へ。

課税選択について。出さない。

インボイス登録(適格請求書発行事業者登録)に際し、課税選択は出さないです。(令和11年10月1日以降はどうなるか分からないけど)

課税選択2年縛りは、令和5年3月31日までに登録すれば2年縛りは無し(まぁけど、これは実際には問題になるケースは少なそう)。3/31まででしたが、9/30までの宥恕規定が出来たんでしたっけ。まぁ、R5/3/31までに手続きしとくべきよ。

あんまり登録が進んでいないのは、税理士のボイコットかな? (*^^*) ウフフ(私はインボイス反対していないので、既にお知らせ済です。)

課税選択をうっかり出しちゃったとしたら、課税選択不適用を出しておくのがよさそう。(インボイス登録事業者をやめても納税義務が残ってしまうから)

インボイス番号確認?しませんけど?

適格請求書の番号を、受け取り側が逐一確認する義務はないでしょ・・・・。事務所家賃やリース料のように、請求書が来ない場合には「うっかり免税だったら困るから、たまに確認しといたほうがいいよ」レベルの話でしょ。

なんか、噂がひとり歩きしていますが、取引先の氏名検索によるインボイス番号を確認する必要はありません。

登録事業者と聞いていたのに、請求書にインボイス番号がない場合には、「番号追記してくださいませ」と言えばいいだけです。追記されたインボイス番号を念のためサイト確認していいです。氏名検索はしないです。

国税庁のインボイスQ&A 問79、引用しときます。領収書が都度来ない場合の取引について、「必要に応じて」とあるので、必要がなければ検索しなくていい!本来は、先方が連絡するのが本来の処理なのだから。

気になる人は、決算の時にでも確認する程度で充分でしょう。わたしの見解。

た、口座振込により家賃を支払う場合も、適格請求書の記載事項の一部が記載された契約書とともに、銀行が発行した振込金受取書を保存することにより、請求書等の保存があるものとして、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。
なお、このように取引の都度、請求書等が交付されない取引について、取引の中途で取引の相手方(貸主)が適格請求書発行事業者でなくなる場合も想定され、その旨の連絡がない場合には貴社(借主)はその事実を把握することは困難となります(適格請求書発行事業者以外の者に支払う取引対価の額については、原則として、仕入税額控除を行うことはできません。)。
そのため、必要に応じ、「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」で相手方が適格請求書発行事業者か否かを確認してください。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。