政府税調 第22回 後半②:資産課税 相続税・贈与税 移転時期に中立な

2022.11.22 政府税調 第22回 2022年11月8日開催の視聴をしたレポです。22日までの視聴期間なのに、22日に審議中継を削除されました!内閣府コラー!担当職員は18時で22日が終わりかもしれないが、私の22日は24時まであるんじゃー!

今回は、視聴後のおのでらの感想がメインです。毎回あてにしてる方、ゴメンね。

といっても、全部視聴は終わりました。再確認しながらレポできないのが悔しいですが、後日議事録が公開されます。どんまいです。

政府税調 第22回資料 → https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2022/4zen22kai.html

一、資産課税(相続税・贈与税)

財務省の担当者より説明。資料PDF → https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/4zen22kai6.pdf

1 相続税・贈与税の現状

年間の税収は約2.6兆円。全体の税収の3.7%ほど。(おのでら:相続税・贈与税は、財源確保の性質は低く、富の再分配、公平感の確保の性質が強い)

贈与税の暦年課税と相続時精算課税制度の説明。暦年控除の毎年110万円の基礎控除を利用した場合は、相続税よりも税負担が軽くて済むことがある。相続税の死亡前3年以内の贈与加算を加味しても、資産移転の時期より税負担の不公平が発生することがある。

日本は法定相続分課税方式。世界的には遺産税方式と遺産取得税方式のどちらかであることが多い。日本は併用方式を採用している。

2 相続税・贈与税をめぐる経済社会情勢

20年前と比較すると長寿社会となり金融資産残高の分布が高齢世代にふれている。

1999年は60代以降の金融資産保有率は全体の45%。2019年の60代以降の金融資産保有率は全体の65%。

30年前と比較すると被相続人の年齢層として80歳以上が増加した。1989年の被相続人のうち80歳以上は38.9%、2019年の被相続人のうち80歳以上は71.6%。

老老相続が増え、相続財産が出回らないため、相続による経済活性化(?)につながらない。(おのでら:だから、年寄りのお金を若い世代に贈与などさせて、お金をつかってもらい経済活動に寄与してほしい、STOPザ死に金?なことかしら?)

耳塚先生の親の所得と学力の格差の資料再掲。

(おのでら:これは初見の時はショッキングでしたネ。もはや貧困層は子供は持ちにくいよね。色々縛られちゃうし)

3 資産移転の時期の選択に、より中立的な税制の構築

相続税よりも贈与税の方が高い税負担を課している制度だが、富裕層(この資料では6億円)の場合、資産の移転時期により贈与税の方が税負担が低い場面が発生する。

(おのでら:限界税率だとミスリードしがちでは?実効税率の方がよかった。)

(おのでら:国内のごく少数を捉えて言ってもしょうがないんじゃないか?財産○億円以上は1割加算にするという追徴の方が分かりやすいと思う。)

欧米と比較し、日本は生前贈与加算が3年なので資産移転の時期に中立ではない、という資料。

・贈与税の非課税措置

教育資金、結婚・子育ての贈与税非課税措置は利用者が少ない。

(おのでら:教育資金の一括贈与なんて、出来た当時に飛びついた人が後悔しているケース多いと思います・・・・使い残しに課税されることがあるのに、使い勝手も悪い。なんで作ったんだろう。銀行の収益確保か?)

祖父母から教育資金等の贈与を受けた場合、本来浮いた自分の資金は自己の老後資金としているケースがある(おのでら:結局のところ資産の組み換えで富裕層の家族内で税負担無しで回しているだけ。)

・参考資料より私の分析

贈与税の暦年贈与は、現預金の贈与が多い。約50%が現預金を贈与していて、200万円以下が多い。

一方、相続時精算課税財産は、有価証券が46%、不動産28%!これは自社株の相続時精算課税による贈与が多いのではないか?

株や不動産という、毎年の収入を生み出す(期待も含めて)資産を次世代に贈与し、意思決定させるためですね。そういう場合、相続時精算課税はいい制度ですね。

わざわざ、暦年課税の基礎控除110万円を無くす必要はなく、贈与税の基礎控除の措置法を廃止して相続税法21条の5通り贈与税の基礎控除60万円に戻せばいいだけです。

二、資産移転の時期に中立な~専門家会合のまとめ

増井座長より、専門家会合の論点整理について説明がありました。

説明資料PDF → https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/4zen22kai7.pdf

PDF資料に書いてある通りなので、おのでらなりにまとめます。

・相続税の課税方式。まとまらず

現行の課税方式では、自らの納税額の計算において、他の相続人の影響を受けてしまう。実際に移転を受けた財産額に応じた課税遺産取得課税方式がいいのではという意見があった。

老後扶養の社会化が進む中で死亡時に富を社会に還元する必要性から遺産税方式の方がいいという意見もあった。

結局、どういう課税方式が良いのか、意見はまとまらなかった。

・相続時精算課税の少額申告不要

若年世代へ資産移転をしたい観点から、相続時精算課税制度の使い勝手を良くしたい。(相続時精算課税制度を選択すると、以後は暦年課税の基礎控除110万円が使えなくなるので)少額贈与の申告不要とすればよいかもしれない。

(おのでら:基礎控除があるから暦年贈与をしているんですよ。基礎控除付きの相続時精算課税制度だと、理屈がムチャクチャですよね!若年世代の格差固定しちゃうから、もっと少子化が進むよ!多数派の庶民が出産しないと子供は増えないよ!)

少額贈与の申告不要にすれば、納税者の事務負担も減る。

(おのでら:納税者の事務負担ではなく、税務署の事務負担でしょ!タダもらいの贈与なんだから事務負担はしょうがないし、そもそも贈与税申告は簡単なのですよ・・・・。)

専門家の会合でなんでそうなる?どういう議論だったんだろう?何年も同じ話ばかり。

・3年以内贈与の加算、期間延長へ?

3年以内贈与の加算は、期間を延長した方がいいという意見。

(そうね)

・教育資金一括贈与非課税の廃止ありえる

贈与税の住宅資金、教育資金、結婚子育て資金の非課税は廃止方向。

(いいね)

三、委員からの意見

記憶を頼りにしますが、

贈与税の教育資金、結婚子育てへの廃止に賛成の声多数。

若年世代への贈与を経済活性化の観点から後押しする声あり、富裕層の格差固定の声はあるが、経済活性化の方が優先という意見が多い。

大竹委員の意見が印象的だったが、内容を忘れてしまった。。。。議事録が発表されたら加筆しま~す。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。