定額減税の年金天引きの仕組みを検討する

2024.4.30 令和6年限定で定額減税があります。令和6年3月28日に成立しました。

公的年金の定額減税に注目して書きます~。

1、定額減税の目的

コロナ給付金ひとり10万円みたいなもんで、岸田内閣が急に決めました。急激な物価上昇を支援するための実施とのことです。

給付金にせず、減税にした理由は私には分かりませんが、

増税メガネと謂われのない揶揄をされたからとか(インボイスは増税ではないし岸田内閣で決めたことでもありません)、

解散選挙の目前に支持率アップを狙ったバラマキという批判がありました。

急激な物価高は確かなので、どれだけの混乱や役所の事務コストがかかっても減税だと謳った給付はありがたいのが本音ですよね~。

原資はみんなから集めたor集める税金なので、大事に使いましょう。。。

詳しくは内閣官房HPをどうぞ→

新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置 (cas.go.jp)

2、年金からの源泉所得税 定額減税

令和6年6月15日に支給される年金から、源泉所得税が順次ひとり当たり3万円に達するまで、減税されるそうです~。

*****

私は、ひとり当たり、という書き方が分かりやすいかな~と思いました。

たとえば妻が配偶者控除の場合には、夫が妻の分と合わせて二人分で定額減税6万円を受ける。妻が配偶者特別控除の場合は、妻が単独で3万円の定額減税を受ける。そんな意味で「ひとり当たり」と勝手に書いてます~。

*****

ちなみに、企業年金など三階建て部分から天引きされる源泉所得税は定額減税の対象外なので、源泉徴収は前年の令和5年と同じです~。

年金の源泉所得税 定額減税の仕組みを試算

国民年金だけの方は年間の年金が80万円ほどなので、源泉所得税は徴収されません。なので、他に収入が無い場合には、給付金を受け取ります。(先行して7万円+3万円のことみたいです。世帯の所得に左右されるようです)

以下、年間の自分の年金収入が250万円で試算をしてみます。250万円ももらえる人は少数派(勝ち組)だと感じますが。。。

社会保険料控除(介護保険料や健康保険料)は計算に入れてないです。金額切り替えのタイミングもスルーしています。

・控除しきれる場合

65歳以上の方で、年間の日本年金機構から受け取る公的年金の合計額が250万円、社会保険料控除は試算なので考慮外(非現実的だけどゼロ円で試算)扶養者ゼロ、障害者控除なし、寡婦寡夫控除なしの場合で試算してみます。

課税される所得が概算で92万円。年間の所得税が46,200円として定額減税の方法を試算。(端数を寄せました。復興特別所得税など色々あるけど試算なのでスルーです)

2/15に7700円、4/15に7700円が源泉徴収される試算です。

6/15は定額減税で源泉徴収額は0円(減税額7,700円)。

8/15も定額減税で源泉徴収額は0円(累計減税額15,400円)

10/15も定額減税で源泉徴収額は0円(累計減税額23,100円)

12/15も定額減税で源泉徴収額は800円(計算式:7,700円-(30,000円-累計減税額23,100円)=800円)(累計減税額30,000円)

・控除しきれない場合

たとえば妻を扶養と年金機構が把握している場合、2人×3万円=6万円に達するまで、令和6年中の日本年金機構から受け取る公的年金から天引きされる源泉所得税は減額されます~。

65歳以上の配偶者が扶養の場合、課税される所得が概算で44万円。年間の所得税が22,200円として定額減税の方法を試算。(端数を寄せました。復興特別所得税など色々あるけど試算なのでスルーです)

定額減税額は6万円で定額減税の仕組みを試算してみます。

2/15の源泉徴収額は3700円。

4/15の源泉徴収額も3700円。

6/15の源泉徴収額は0円(定額減税額3700円)

8/15の源泉徴収額も0円(累計定額減税額7400円)

10/15の源泉徴収額も0円(累計減税額額11,100円)

12/15の源泉徴収額も0円(累計減税額額14,800円)

2名×3万円=6万円の定額減税なのに、14,800円までしか減税されませんでした。控除不足の45,200円は令和7年の年金からの源泉徴収には影響させずに、控除不足額45,200円(他の所得が無い場合には)相当額が市町村から多めに給付されるみたいです~。(手紙が来ます。電話やメールは詐欺の可能性あり!)

市町村によりますが、川崎市の場合、令和6年5月15日以降、順次届くようです。

不動産所得・譲渡所得など、他の所得がある場合には、確定申告で決まる税額から控除する方法で減税を受けます。

(復習)公的年金の源泉徴収

日本年金機構から受け取る公的年金が年間158万円未満の65歳以上の方は、公的年金からの源泉徴収はありませんです。

65歳以上で日本年金機構から受け取る公的年金が158万円以上の方から源泉徴収されるケースが出て来ます~。

介護保険料・健康保険料の天引き状況や、扶養状況・人的控除(障害者控除や寡婦控除)によって、源泉徴収される金額は、人それぞれです。

3、年金天引きの住民税の定額減税

住民税の定額減税は、ひとりあたり1万円です。

年金受給者で住民税が課税される方で住民税を年金天引きにしている場合、令和6年10月15日に支給される年金から天引きされる住民税から最大1万円が減税、控除しきれなかった定額減税額は12月15日に支給される年金から天引きされる住民税から減税されます。

源泉所得税の定額減税とは、タイミングが異なります。

定額減税の仕組みの試算ですので、住民税の端数処理はスルーいたします。(たいして詳しいわけでもないので)

・控除しきれる場合

上記の例で、65歳以上・年間の日本年金機構から受け取る公的年金額が250万円、社会保険料控除は無しと仮定、扶養関係無し、障害者控除無し、寡婦寡夫控除無し、で試算してみます。

年間の住民税は、所得割97,000円+均等割り5000円=102,000円(概算値)

2/15の年金から天引きされる住民税 17,000円

4/15の年金から天引きされる住民税 17,000円

6/15の年金から天引きされる住民税 17,000円(源泉所得税の定額減税とはタイミングが異なります)

8/15の年金から天引きされる住民税 17,000円

10/15の年金から天引きされる住民税 7,000円(計算式:毎回の住民税天引き額17,000円-住民税の定額減税10,000円=7,000円)

12/15の年金から天引きされる住民税 17,000円

・控除しきれない場合

上記の例で、65歳以上・65歳以上の配偶者扶養・年間の日本年金機構から受け取る公的年金額が250万円、社会保険料控除は無しと仮定、障害者控除無し、寡婦寡夫控除無し、で試算してみます。

年間の住民税は、所得割54,000円、均等割り5000円=58,800円(端数を寄せた概算値)

2/15の年金から天引きされる住民税 9,800円

4/15の年金から天引きされる住民税 9,800円

6/15の年金から天引きされる住民税 9,800円(源泉所得税の定額減税とはタイミングが異なります)

8/15の年金から天引きされる住民税 9,800円

10/15の年金から天引きされる住民税 0円(住民税の定額減税9,800円)

12/15の年金から天引きされる住民税 0円(累計減税額額19,600円。控除不足額400円)

控除不足額の400円相当額は、市町村から多めに支給されるみたいです~。

※※ 還付金を装う詐欺に注意です!

4、年金以外に給与所得がある場合

年金をもらいながらお勤めをし、給与から甲欄で源泉徴収されている場合には、給与所得からも定額減税されます。

給与所得からの定額減税と年金の所得から定額減税と、制度上、ダブルで減税されてしまうため、確定申告で精算します。(ひとりあたり3万円です。1か所あたり3万円ではないです)

多くの場合、納税となると思います~。先に減税されているので、損ではありませんヨ。

重複してしまった減税分は、納税して返金するので、納税資金をとっておく!

5、年金以外の所得がある場合

年金の所得以外に、事業所得や不動産所得、譲渡所得がある場合、確定申告で減税額を反映します。

控除しきれなかった減税額は、確定申告で減税を受けます。なお控除しきれなかった場合には、市町村から、控除しきれなかった金額相当額の給付を受けるそうです~。

最大で、予定納税から減税を受け、年金で減税を受け、給与で減税を受け、というトリプルで減税を先に受けてしまうため、確定申告で「なんかいつもより納税額が多い・・・」ということになってしまいがちです。

納税資金を確保しておく!

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。