ふるさと納税と地方拠点強化税制

都税が苦しいから、ふるさと納税を制限してよってことになっているって?

実は川崎市は地方交付税をもらっていない!(と今回の記事で知った)

1、私がふるさと納税すると、川崎市の税収が減る

政令指定都市では、唯一、川崎市だけが地方交付税の交付を受けていないんだって。やっぱり阿部市長が川崎市営地下鉄を作る権利を手放したのがよかったんだ。川崎市の財政を戻したらしいの。

ただ、川崎市を通る他の会社の電車が通る権利は残っているので、唐木田から相模原まで、小田急線は続くであろう!

脱線しちゃったから話を戻すね。

例えば、川崎市民の私が10,000円ふるさと納税をすると、川崎市の税収はざっくり10,000円減る。これは、川崎市が地方交付税を貰ってないから。

では、例えば横浜市民が10,000円のふるさと納税をすると、横浜市の税収はざっくり2,500円だけ減る。これは、横浜市が地方交付税をもらっているから。7500円は国税で補充されるんだって。

ただし、寄附者の居住地の自治体(地方交付税を受けている自治体に限る。)は、減収となった税収の75%が地方交付税によって補填され、実質の税収減は25%に止まる。

秋田経済研究所HPより → http://www.akitakeizai.or.jp/journal/20160901_topics.html

総務省 ふるさと納税研究会より 平成19年 → http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/furusato_tax/pdf/070828_1_si5.pdf

 

川崎市の税収は減るけど横浜市は減らないってどーゆーことだ、という考えもあると思うけど、よそはよそ。うちはうち。

ふるさと納税には、色々問題点は指摘されているけど、今回はその話ではなく。

(過去記事)大好き。ふるさと納税 → https://mina-office.com/2017/01/14/furusato-nozei/

2、H29税制改正 地方拠点強化税制など

平成29年税制改正を読むと、都心の事業を地方へ移動してくれれば税金を安くします税制が目立つよね。

(過去記事)平成29年税制改正大綱 三 法人課税 → https://mina-office.com/2016/12/28/h29zeiseikaisei-taiko-3houjin/

これって、都心の税収が地方へ移ってしまうのを応援しているってことじゃないの。いいんじゃない?地方は大変だし、地方を応援したい。頑張ってもらいたいもん。私は大賛成。

地方交付税で、運営が大変な自治体はみんなの税金で支援してる。

3、両方の税法がリンクしないのはなぜ?

・最初の議論のきっかけが気に入らない

ふるさと納税の制度の問題点について考えるのはいいことだよね。でも、その出発点が「都税の税収が大変だから」になっちゃうの?そんなキレイゴト言ってられないくらい逼迫してるんだろうけど、それをふるさと納税制度に問題を持って行っちゃうと・・・いや、分かるんだけど。

・行き過ぎの返礼品は、地方が騙されてるって。

なんで国が率先してポータルサイトを作らないんだろう。あの広告費、どのくらいかかってるんだろうね?アフィリエイトもあるよ。私のサイトにも張り付けてる。クレジットカード会社からのバックで成り立ってるんだろうか?そして、クレジットカード会社はビックデータを元に商売をするって仕組み??ダレトク??

・自治体間の不公正感をなくせばいい!

もう、「ふるさと納税交付金」でも特別に設けて、地方交付税をもらってない自治体にも75%とまではいかなくても援助すれば・・・あっ財源ないじゃないか。困ったなー。

わかった!なら、もう地方自治体単位で考えるのやめて、国などで一元管理するのは?うーん、無茶すぎるか。

では、ふるさと納税をうけとる自治体から、ふるさと納税額の30%分の地方交付税を減らそう。そうすれば、自動的に返礼品も各自治体で自主的に考えるよ。名案出た!

・小遣いは減らすもんじゃない

なんかさ、自治体同士がライバルでお金取り合いになってるよね。予算て、本来限りがあるのに省庁間でも取り合いになったりして、予算を残すと次からもらえる金額が減るから使っちゃおうなんて本末転倒だよ。

世の中の奥様!旦那の小遣いは、残っても減らしてはいけません!へそくりして、つまんないことに使っちゃうから。

小遣い透明化して、へそくりを認めたらどうだろう?(といっても、つまらんことに使いたいのがへそくりというものだけど。そもそも透明化に反対!?)

だから、国や自治体の予算も余ったら褒めてあげてへそくりOKにしてあげる。そのくらいしないと、自治体が将来的な財政効率化を考えないんじゃないの。家の貯蓄額より自分の小遣い、みたいな観点になっちゃうよ。

別に、今年度だけ助かればいいわけじゃない。私たちの生活はずっと続くんだからさ。

4、まとめ

「今」の税金だけ考えちゃうよね。だって、今が苦しんだもん。問題は先送りになってしまう。

政治が絡むと、「今」のウケを狙うからいいこともあるけど、将来的にこれはどうなんだろ~ってこともある。

ともかく、各家庭・各法人は、今だけを考えないで将来を考えよう!各家庭・各法人の集まりが「国」だから、自分たちで自分チの生活が良くなる経済を見つけていければ、国もよくなるよ。多分ね。

5、追伸

これを書いた翌日、日曜日の新聞に、川崎市議会議員の広報が入っていた。地方交付税については議会でも議論しているんだって。分かりやすい広報を読んで、思うこと色々。

住民の意思決定が効率的に反映できるようにするために議会があるんだよね。その大きなバージョンが国会だよね。私の思う「議会」は到達できない桃源郷なのか、それとも頑張れば届くユートピアなのか、それとも今、実現しているものなのかな。テレビに映る国会中継のダイジェストは、今日もばかばかしい。

川崎市の議会の方が、まだちゃんと議論してそうに思ったよ。区画整理のことを「きちんと」考えてくれるのなら、聞きに行こうかな~♪

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。