給与所得控除は今のままでいい。

給与所得控除は、実際に支出していないのに所得の計算上、サラリーマンの必要経費を自動計算する制度。これを減らすのはやめよう。

・労働者は弱者か

日本のような給与所得控除は、外国にはないんだって。

知らんよ。ヨソはヨソ!うちはうち!

それに、労働者は身分的に弱いから質的担税力が弱いんだって。

昔は身分が弱かったかもね。今は、労働に関する法律が整備されて、簡単に解雇したりできなくなった。負債的な労働者も引き続き雇用を継続しなくてはならないし、その負債的な労働者のマイナス部分を有能な仲間が補ってなんとか組織が成り立っているということもあるよね。

もう、「労働者は身分が弱い」時代ではないと思う。テキトーに働けばいいやって人もいるし。

能力が高い人は、雇用されずに独立してやっていける時代になる。そのために我慢して修行と思って労働する、という意識で働く人もいるんじゃない。

有名企業じゃなくても、実力で仕事をとれる時代になっていけばいいよね。有名企業だからといって、質が良いとは限らないじゃん。ブランドに胡坐をかいているケースも散見される。(まだまだ信者は多い)

いい大学に行けば有名企業に勤めることが出来て、社内政治力によりデスクに座ってれば高額の給料を貰えるという幻想がだんだん無くなってきたと思う。(まだある?)

給与所得でも事業所得でもどっちでもいい。頑張れば稼げる時代がいい。(願望)

・仲間を助けている指標は

ところで、給与所得控除は、年収1000万円超の上限が平成25年から年々少しずつ削っている。

これは、給与が高い人が多く給与所得控除を受けていて金持ち優遇だかららしい。

なるほど。そうかもね。

給与が高い人は、なぜ給与が高いのか。

能力があって、普通以下の能力の仲間を助けているなら、税金を多く負担しなくてもいいじゃない

単なる、親のコネ的な、その人の能力と無関係な要素で給与が高くて仲間を助けてないのであれば、税金を多く負担してもらいたい、と思ってしまう。

このような考え方は公平ではないかもしれない。

「仲間を助けている」のは、誰が評価するのか、という問題もあるし。自分しか評価してなかったりして・・・。

単純に、給与の金額だけで判断していいのかな、と思うんだよ。中身が大事よ。質的担税力を考慮しよう。「質的」の意味が違う?

・監視社会 日本

外国と比較して考えることが多いよね。

意味ないんだよ。

比較される外国とは、宗教が違う。歴史が違う。風土が違う。

日本はみんなで協力して土地を耕した。非協力な人がいて、土地を汚されると飢えてしまうから、監視社会の中で暮らしていたんじゃない。土地には、限りがある。

日本はみんなで協力して漁をした。非協力な人がいて、船が転覆すると命の危険があるから、監視社会の中で暮らしていたんじゃない。

日本はみんなで協力して長屋に住んでいた。一人の火の不始末でみんなの家が燃えて寝るところがなくなっちゃうから、監視社会の中で暮らしていたんじゃない。

江戸時代だっけ、五人組制度(隣保制度)で密告しあっていた。組織に馴染まない人を追放することで身を守っていたと考えていいのかな。五人組制度のおかげで、脱税もできなかったみたいだよね。

個性はいらない、同じことする人がいればよかった。ゆとり教育あたりから、個性を主張してよい時代へと変化していった。(してない!?してるでしょ!)

外国はどうなんだろう。

・「ありがとう」を持ちたい

高額所得者に対して、累進課税で税負担を重くしていくことを検討するのであれば、「ありがとう」を持ちたい。

数年前、池上彰さんがテレビで言っていた記憶がある。

自分よりお金持ちを見た時、外国人は「自分も頑張って、あのようになりたい」と思うのに対して、日本人は「ズルい」と思う傾向にあるんだって。

そうだな、と思ったよ。私も思うもん、ズルいって。理由はない、単なる嫉妬なんだろう。江戸時代の五人組制度DNAは、日本人には合っているのかもしれない。

お金持ちを許さない社会がいいのか?

いっぱい税負担を負わせて気分スッキリ、という気持ちが起こるか?

よし、あの人のように自分も、というチャレンジ精神を阻害していないか。

・お金だけが価値観ではない時代へ

私は低所得者としてず~っと生きてきて、地主は寝てても家賃収入があって不公平だと思っていた。

自分は、時間を販売して給与所得者として事業主の顔を伺いながら生きていくしかないと思っていた。

税理士事務所で働き始めて、無意識の嫉妬心を持っていた地主と話す機会が多くなった。資産家の家に生まれ、勤めなくても何とか生活できる人を見ることもあった。

仕事で、自分以外の人の税負担を考えて、納税者の手元に残るお金を計算していた。それは単なる数字だった。

納税者の方から色んなことをヒアリングした。

お金が多く残ればいいと私は考えていた。しかし、それは必ずしも全ての人にあてはまらなかった。

よくよく聞いてみれば、子供の将来を心配して、子供に迷惑をかけずに老後を暮らしたい、配偶者を飢えさせることなく老後を暮らしたいという家族への愛情が価値観だったりした。

お金で幸せは買えるのだという自分の価値観は、間違っていたと私は思った。

・政府税調の考えは安直

給与所得控除を下げて、所得税住民税を多く徴収しようという意見には、顔が見えていない意見に聞こえる。

自営業者には、帳簿を付けた青色特別控除65万円があるし、実際の経費は計上できるから、サラリーマンと比較して自営業者が税制不利という事実はない。そのような政府税制調査会(平成30年度向け)の考え方は安直な考え方。徴収する前提で後付けの理屈でしかない。結論ありきではなく、しっかり議論してもらいたい。

税収が不足するから何処かから徴収するという考えは、よくない。それは逆に言えば、なんらかの建前さえあれば、いくらでも徴収できてしまう考え。

なんだかんだ、理由をつけて税金を徴収しようとしている。納得できないよ!

給与所得控除は、今のままでいいの。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。

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