青色専従者給与と役員給与の違い

30.1.30 時期的に、青色専従者給与と法人の役員給与の取扱いの違いについてまとめてみたわ~。

まず、税理士事務所ごと、青色申告会ごとのルールがあるので、そちらの指導に合わせてください。個々のケースによっている場合があるからです~。

1、金額は一定かどうか

A.青専給与は毎月バラバラでもOK

青色専従者給与は、届出の範囲内であれば毎月の金額は一定でなくても大丈夫。振込みであればいいけど、現金手渡しの場合には、分からなくなりがち。そういう場合には、給与明細を備え付け、家族従業員にサインもらうなどをしておきましょう~

B. 法人の定期同額給与は毎月同額

法人の役員給与は、原則として毎月一定の金額でなければ定期同額給与にならない!金額変更のタイミングなどは、色々あるのでグーグル先生に聞いてみてね~。

2、未払い計上はOK?

A. 青専給与は未払いNG!

青色専従者給与の場合、「支払った金額」とあるので、未払金は経費にできない!例えばレジにお金がなくて、事業主がポケットマネーから青色専従者へ給与を支払うことはよくあると思うけど、その場合には面倒でも、事業主勘定をつかいましょーう。

あと、資金繰りついでに例えば、「20万円まで」と届けておいて、1月は銀行に行くのが面倒なので15万円、2月は先月分と合わせて25万円、を支払った場合には、1月の15万円は経費OK,2月の25万円は、20万円までが経費OKという取扱いになってしまうのが原則なので注意!

B. 法人は役員給与は未払い計上OK

法人の役員の場合、自分の給与は後回しで事業のための支払いが優先されるので、必ずしも役員報酬を支払うことができないことがある。涙

会社にカネがなく、役員に給与を払えないのに「定期同額給与」のルールで原則として資金繰りにより資金ショートしそうだろうがなんだろうが、金額改定時期は決まっていて、役員報酬は下げられない。(例外的に下げられることもあるけどね。)

なので、役員給与は未払い計上はよくあるよ。それが問題になるような事態にまでしなければいいだけで。

3、賞与の違い

A. 青色専従者への賞与は出さなくてもOK

青色専従者に対する賞与は、届出の範囲内の金額・支給時期であれば賞与を出したり出さなかったり出来る。

届出の範囲額を越えて賞与を出せば、超えた部分は経費にならない。不当に高額な金額には該当しないようにすれば大丈夫!

例えば、賞与を10万円なのに12万円支給したら、10万円は経費、2万円は経費NG。おそらくこの金額であれば、超えた2万円は経費にならないだけで終わりかな、と。

B. 法人の役員賞与はがんじがらめ。

法人の役員に対する賞与は原則として経費にならない。事前確定届出給与という制度があるけど、専門家とよ~く相談してから、又は自己責任で経費否認覚悟でやるか。私も勧めないかな~。

といいながら、私は自分の法人で事前確定届出給与で賞与を出したけどね!ちょっとだけ。

こちらは、事前確定届出給与の届出とまったく日付も金額もピッタリ一致しなくてはならないので、割と使いづらい。(そういう趣旨なのだけども)

たまに、「届出だけ出しておいて、賞与出さなければいい」という手法を使う先生もいますが、私はもう少し慎重派であります。気になる論点というものが、あるので・・・。

4、制度趣旨はほぼ似ている

A. 専従者給与の誕生秘話

昭和27年に、青色専従者給与は生まれたそうな。もともと、生計一親族に支払う経費は認めないという所得税法56条から、独立させて生まれた57条(専従者給与)。

もともとは、家族へ収入を分散して税負担を減らすのをNGとして家族への支払いは経費NGとしていたのだけども、家族従業員は他へ働きにいけば得られる所得を得られないのは可哀想だよねぇ・・・という考えと、法人であれば家族従業員であっても給与を払えることとの均衡化のためもあったらしいですよ。

青色専従者給与は、本当は経費にならないけど、届出を出してルールの範囲内であれば認めてあげる、という制度。今までの裁判の争いも多く、なかなか面白い!(次回へ続く!)

B. 役員給与は恣意性排除

一方、法人の役員給与は、恣意性の排除の観点、「儲かったから役員給与を上げて法人税を減らそう」という行為をNGとして、毎月一定としてみたり賞与は事前届け出制だったりしているんだって。

昔は、役員報酬は利益処分だったので、経費計上できなかったらしい。うむむ・・・。

5、まとめ

元々は法人税も所得税の一部だったんだって。

制度趣旨は似たようなものなんだけども、取扱いは微妙に違っているんだよね。なかなか面白い。厳しい法人税法のやり方と統一しておくという事務所も割とあると思う。リスク回避としては、アリよね。

所得税法と法人税法は、似たようなものなんだけども元々の考え方が違うので、このように微妙な個性が出てくるんですねぇ~。論点は、まだまだ尽きない。

(関連過去記事)家族口座からの支払いは経費?所得税法56条 → https://mina-office.com/2018/01/17/shotoku-56-seikeiitsu/

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。