ふるさとテレワークと下放

働き方改革で地方に移住すれば?って話題から、そういえば中国で下放ってあったよね、ところで日本の農家のおかげで安全な食糧が確保されているんだよね、さぁ、これからどうしようって話をします。

・ふるさとテレワーク

先日、ふるさとテレワークって話題を見て。

地方は人口が減ってるから若い人に移住してきてもらいたい、春だし~♪。だって。

卒業後の若い人は、まずは都会で遊んでみたいでしょう。ちょっと夢見すぎじゃない?現実的には子育てを終えた40代以降をターゲットとすべきではないかなぁ。

働き方改革で、どこにいても仕事が出来るのなら、地方に行ったら?って話題も出てるんだって。希望者はいいけど、政府主導の効率主義のそれってなんなの。

・下放

そんなの聞いてたら「下放」を思い出しちゃった。(中身はかなり違うけどね。)

中国では1968年頃から10年ほど、毛沢東が「下放」ってやつをやった。浅い知識だけど、若者を地方の貧困農地へ送り込んだことがある。(10年ほどで都会に戻したみたい。正式には上山下郷運動というらしい。Wikipediaより)

中国では、戸籍により、自由に住む場所を決められないんだって。農村戸籍に生まれた人は、都会には原則として住めない。都市戸籍で生まれた人は、どこにでも住める。ちょっとずつ、統一戸籍というものに切り替えて、戸籍による差をなくしていくらしい。もう始まっているのかな。

中国では、出稼ぎであれば都会に来れるみたいだけど仕事の条件は悪い。それ知ったとき、びっくりしたよ。私は好きな時に転職することが出来たし、好きなところで引っ越すことが出来た。外国と比較することに意味はないけどね。

当時の中国では、若者を下放したことで農業の維持には寄与したけど知識人が全然育たなかったんだってさ。若者の第二のふるさとを作ったといういい面もあったみたいだけどね。

・日本の農地法 農家を束縛

ところで日本では、市街化調整区域という、この土地は農地で使ってね、というエリアがあり、そこに家を建てるときには許可がいる。そのエリアの土地は、農地法で色々と縛られているんだって。

気が変わったら引っ越しできる環境でずっと暮らしてきた私は、農業経営アドバイザーの勉強で農地法を少しだけかじって、本当にびっくりしたよ。

農家って自由がなくてさ。理由は理解できるけど、「ムラ社会」の意味がちょっと分かった。

・食の安全性は誰かのガマンが必要?

食料自給率って大事だよね。安全な日本の食物の確保と引き換えに、農地に人を縛り付けている気がするの。

でも、放農地が増えても困る。

近所の梨園がなくなると寂しい。

しかし、どこに生まれたかによって、自由度に差があってよいのか?

もしかしてプア層の雑草出身の私ってすごく自由に生きてきたのではないか?

その自由は、知らない誰かのガマンの上に成り立つのかな?

食育としての農地は残すべきだ、農家ガンバレ儲かる農業を探ろうよ、という考えは、ある種わたしの身勝手な独りよがりの思いなんだろうか?

土地を持っている人は勝ち組、という感想をもつ人は多くいる。実際に地主さんの悩みは深い。

税理士業務を通して、どっちの気持ちも経済状況も知る機会が出来た。

どっち側の思いも理解できる。

私は矛盾を抱えている。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。