証言は信用できない@裁判所 金取法違反

先月、裁判傍聴に行ってきた。金融商品取引法違反の判決をボサァ~と聞く。

・粉飾事件 刑事事件

今回はどうやら上場企業の資産の架空計上による粉飾事件のようだった。監査を通して発覚した。(数年はスルーしてしまったみたい)

裁判長が長時間にわたり判決文を読む。民事事件は、「あなたの負け。理由は読んでおいて」で終わるけど、刑事事件は判決に至った理由をドドドと説明していた。

だんだん、民事事件と刑事事件がなぜ違うのかという感覚が分かってきたぞ。

ところで、判決文を聞くと色んなことが分かる。

・誰の証言が信用できるのか?

裁判長「誰それは被告(当該法人)とどのような関係であり、どのような利害関係があり、どのような行動を(関係者との間で)とってきた。

誰それがこのように証言をしていた・このような証拠を持っていた。

それを開示することの利害関係とこれまでの行動とを考慮するに、誰それの証言・証拠は信用できる。」(ニュアンス)

とのことです!

・被告は信用できない

裁判長「誰それの証言・証拠と、他の証拠とを突き合わせていくと、このように被告(当該法人も)が証言することの合理性がない。

これまでも被告は、過去にこのような(経営上の)行動を起こしており、取引先からのヒアリングや証拠書類によると被告は表面的に取り繕うつもりで書類や証拠を作っていることが分かる。よって、被告は悪いヤツ。

被告は最初から言い訳をしていて反省の余地がない。」(ニュアンス)

ひぇぇ~!無実と思うから反省してないのは当然と思うのですが・・・。裁判では違うのでしょうか。

・執行猶予がついた

裁判長「とにかく、粉飾を行った被告は悪い。株主からの信用を裏切るなんて信じられない。○○な行動は悪意があるし、××な行動は計画的である。被告、悪いヤツである。しかし、自己の利益がない行いであるため、執行猶予をつける。」(ニュアンス)

懲役〇年、執行猶予×年、拘束期間換算△△日。

被告は、刑務所へは収監されずに執行猶予中に真面目に生活をすれば刑の執行が免れるようだった。

会社もなくなって、従業員の給与や未払金もあるでしょうに。明日からの生活費、あるのでしょうか・・・。

・感想

私のような街の税理士だと、上場企業の経営者との接点はほぼない。

なので、一般人として聞いていると、上場廃止になると従業員や取引会社に迷惑がかかる的な発想で資産を架空計上しちゃったんだろうか・・・。覚悟がないなら上場するなって話だけども。

会社を継続しようという気持ちで走り回って、結局逮捕されちゃうんだなぁとか思っていた。しかも裁判長からめちゃ極悪非道人間のように怒られる。(経緯がひどかったのかもしれない)

一方でもし私が株主のハシクレとしての立場であれば、「騙された!黒字会社と思うから出資したのにカネ返せ!」と思うよねぇ。

・税理士の視点から

このような裁判傍聴から見えることは、ありもしない事実を仮装してはならない

後付けで従業員や取引先に対して口裏合わせを依頼したり、架空の話で作成した証拠書類なんて一発アウトになってしまう。他のちゃんとした証言が否定されてしまう

自計化している会計ソフトも調査され、金額と勘定科目を訂正した日付と訂正前後の金額も読み上げられていた。ちょっとありえない変な訂正していた。(これはグッジョブでしたね。社長は簿記が分からない人だったことが分かる)

でも、裁判官は現場を知らないからなのか、決めつけてくることも多い。そこは経営上ありえる行動だからそこまで問題になるところではないと思うけど・・・みたいなこともあり。

判決文を聞いていて、証拠集めは相当きちんとされているのに判決はこういう感じになってしまうのかぁ、(ガッカリ)という感想を抱いたりして。色々、勉強になりました。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。