税理士業界のサービス残業考

30.9.11 サービス残業は悪、な訳ですが、税理士業界ではサービス残業なしでは難しいんじゃないか?

私は飲食店で働いていたこともある訳だけど、サービス残業はなかった。

当然、掃除の時間とかも時給に組み込まれていたし。社員だったこともあるけど、サービス残業なんてなかったなぁ。

しかし、税理士業界に来て、サービス残業という業界の常識と私の常識とが違っていたこと!

・自宅での調べ物は残業?

自宅で調べものする(余儀なくされる)時間は、労働であるか否か、という常識が違う気がする。

飲食店だと、自宅で勉強することってほとんどないんだけど。税理士業界の場合、知らない知識は勉強しないとならないので、それを勤務時間でやる場合には基礎的な勉強にとどまると思うわ。

税理士業界は、ほぼ考えている時間が売り物だったりするので。悲しいことに評価されませんが。

所長は、事務所で拘束している時間だけが労働と思っている。

一方、従業員が自宅などで考えてる時間は、証明できないし、それ言い出したら…

・実際には事務所のスタイル

実際には、その事務所のスタンスによるんだよ。

税理士は従業員から報告のみ受けて、税理士が直接調べたり判断する事務所は、残業がないかも。この場合、従業員が考える時間は本人の勉強扱い。

従業員がすべて担当して考えて調べて、税理士は従業員の税務判断の報告を聞くって事務所がある。従業員のサービス残業がないと仕事にならない。こういう、事務所が何も教えてくれない事務所(税理士が申告書を作れない)は割とあると思う。

考えている時間は、サービス残業、というのが税理士業界の常識なのか

従業員は勉強してくるのが当たり前だし、なんでも知ってるのが当たり前だし、事務所では入力などの事務作業のみで、課税要件を調べたり考えるのは自宅でまとめてきて当然、みたいな事務所は割とあるよね。

事務所で調べさせると、サービス残業と言われちゃう、みたいな状況になってしまったんだろうか?

・成果不明の考える仕事

税理士事務所の場合、レシートや通帳を見て会計帳簿を入力する仕事があるけど、多くの場合は「考えている仕事」であるので。

入力時間は1時間もかからないけど、「これは課税であるか」「これは経費であるか」「前年比較で経費の漏れはないか」「全体のバランスはどうか」「この数字から読み取るべき情報は」「レシートから読み取る会社事情はないか」

みたいなことに時間をかける。(時間がかからない会社もあるけど)

・知識が増えると仕事が増える

ところで、私は従業員時代、17時で退勤時間であるが、家に帰って消費税の規定を確認したり、国税庁のホームページみたり、理論ノートやテキストを確認したりなどしていた。

・・・私は税理士になったら独立するつもりでいたので、勉強の一環でよかったけど、これって残業なんじゃないか、って思うことが経験を積むごとに増えて行ったよ。

で、経験を積めば、いちいち調べなくてよくなることも増えるけど、給料は増えない。で、知識を増やせば増やすほど、気になることが増えていく。

・時間と売上げが比例しない税理士業界

しかし、クライアントからすれば、仕上がった申告書の素晴らしさなんか分からないわけで、報酬の単価は上がらない!売上げが上がらないのに、従業員の給与が上がる訳ないよね!

そうすると、税理士側もクライアントに割く時間を減らして、数字まとめるだけの作業になっちゃうよね。知識を仕事にする、という表現をすることがありますが、「どれだけクライアントのことを考えるか?」が税理士報酬だよね。

・従業員がいる事務所アレコレ

税理士事務所などで、「うちは残業がありません^^」って事務所は、本当にそうかもしれないけど、どういう事務所なんだろうか?単純作業分は給与で、従業員が顧問先のためにアレコレ考えるのは勝手なんだろうか??

例えば月3万円の顧問料で従業員が担当であれば、月でならすと従業員の時間数は6~10時間くらい?ひと月20日出勤とすると、160時間の労働時間で・・・。理論値ミニマムで従業員一人の月の売上げ48万円!?

かといって、「裁量制」という名の下、月に何十時間の残業があるのか不明な事務所もコワイし。(そういう事務所にもいたので。果てしないことになる)

・税理士受験生 最強論 技術をもらう

結局何が言いたいのかと言うと、税理士受験生は勝手に勉強するし、勉強する残業代を払わなくていいし、職務経歴2年ないと税理士登録できないので安い給料でも働く。

ある程度は安い給料でも仕方ないし、労働者の権利ばっかり主張するのもどうかと思う(常識の範囲内がよろしいかと。業界は狭いです)けど、得られるものは何かってことは考えた方がいいと思うんだ~。

税理士業界のアピールをして、税理士受験生を増やしましょう!!っていう税理士会の提言が、何となく求人広告の投資活動みたいに思えますが、これ如何に?

税理士受験生の皆様におかれましては、受験勉強ガンバッテね!勤務中は職場で技術を見て覚え感じておくといいと思います!

(税理士になった途端、周りは教えてくれなくなる。資格の威力を思い知ることがある)

税理士業界の仕事って、ルーティンだから同じことばっかりやっている。脳が、単調さに慣れちゃうんだよ。そうすると、新しいことに対応できない、年寄り脳になっちゃうよ~。

なので、理論の覚えにくい言い回しについて時間をかけて読み解いたりすると、「うぁぁぁ分かったぁ」という理論の向こう側に辿り着くことがある。(見栄をはりましたが、たまにしか辿り着かない)

「効率性!細切れ!5分節約!」とかばっかりやっていると具合悪くなるよ。

あっ私だけですか、そうですか・・・・。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。