変わり者のキャリア官僚。国税局長

2019.6.24 税理士会の定期総会へ、フジシロ国税局長に会いに行く。

わたし、フジシロさんが好きなんですよ。以前、記事にも書いた。

(関連過去記事)エライ人に聞け。どうして一生懸命やるんですか → https://mina-office.com/2019/03/04/ganbare/

毎年、東京国税局長という人は変更になるんだよ。平成30年7月から令和元年6月まで、東京国税局長を務める(と思われる)フジシロさんという方は変わった人。

税のしるべなどの誌面などでも知っている。税のしるべのインタビューは、特に面白かった。既視感がなくて、書いてあることが全然公務員ぽくない。

けど、税理士会関連での記事ではあんまりおもしろいことを言わない。心に残るようなことが書かれていない。まぁいいんだけど。規制があるんだろうし。(キャリア官僚って去年と同じことやらないと偉くなれないシステムと聞いたが?)

税理士会の定期総会に、きっと東京国税局長は来賓で来てくれると信じていた。今年も、来てくれたよ。

来賓の国税局長のスピーチの内容は、普段、税のしるべなどで読むようなことは書かれていなくて、比較的フツーのこと言っていた。

他の人よりも少しだけフジシロさんのマインドを知っている気分でいる私にとって、今回のスピーチは多少期待外れな内容であったけれども、フジシロさんは入場の時から「きちんとして」いた。スピーチも、気合いが入っていて「読み方、姿勢」が違う。

敬意をはらわれていると感じる。

以前見かけた時も、他者への敬意を感じた。きっと、そういう人なんだろう。

フジシロ局長のスピーチの後、他の人のスピーチがあり、まぁ来賓は自分の出番の後は、じーっと座ってるだけだからつまんないよね。

1時間近く、拘束される来賓。

会員のスピーチは、私には面白く、元本会会長や日税連会長のスピーチは注意深く聞いていた。会場や来賓は、退屈していて下を向いていたり目をつむっている人もいた。まぁ、そうだよ。人間だもの。

特に神津会長のスピーチは長くてさ、また、声が眠気を誘う声なんだよね~笑

最後、祝電の披露があり、話す人が壇上にいないから、ふとフジシロさんを見た。

彼だけは、自分がスピーチをしている時と同じ顔つきで、いた。

そうか、これがエライ人か。気を抜かないのだ。

* * *

懇親会では、フジシロさんはいつも誰かと話していたのだけれども、私はカットインして記念の名刺をゲットした!もっと話をしたかったけれども、ほとんどできなかったよ。残念。

けど。会えてよかったな。行ってよかったよ色々と。

フジシロ局長は話が面白いですね、こんなカーブで・・・と言うと、「そうなんですよ、僕はトガっているんです笑」(というニュアンス)と自覚はあるようです。

「若い人は、議論を行わないようで、他人の意見を聞くことが新鮮に思うようです」のような話も合って、ほんと、その通り。8/1の財経セミナーでは、そういう感じだった。(当時の記事は非公開のままだ!)

以前、私がフジシロさんをふと見かけた時に話しかけたことを覚えていてくれていた。「あ~、あなたが質問するから僕は一生懸命答えましたよ、予定が10分推したけどね」だって。ワハハ!え、テキトーに話を合わせた!?超あり得る。

わたしは、フジシロさんが「一生懸命考えることは無駄ではない、頑張りなさい」と言ってくれたことに感謝をしているよ。(なお、ご本人は、え、そんなこと言ったっけ的な反応だったという)

「・・・仲間を集めなさい」といった回答に対して納得がいかなかった(なにそれ、結局多数決かよ、みたいなイマイチ感)わけだけれども、他の人もいたので質問できなかった。聞けなかったことが後悔だな。

追記0628:まぁよくよく思い返せば、議論するコミュニティを探せばみたいな意味だったのかも。「仲間」って概念のニュアンスが人によって違うんだな。スッキリ解決した。

私は、大きな組織のボス的な存在の人が、組織について、部下についてどう思うのかを聞きたかったんだよ、真面目だからね!

追記0628:私が聞いても分からないのかもしれないけど、けど考えたいじゃん。

スピーチで、フジシロさんは言った。「申告納税制度を支えるパートナーとして、これからもどうかよろしくお願いします」

(喜んでいたら、2年前2017のオカダ局長もそれ言っていた!テンプレと思わせないクオリティ。なお、2018の局長はハズレだったのか、記録がありません)

セミナーの様子や税のしるべなど、おのでら調べによりますと、フジシロスタイルは現場を回る現場主義。言うだけじゃなくちゃんと行動していることは、実物を見て振る舞いで分かる。

そこまでやっても。フジシロさんは現場を知らない。それが、良いのかもしれない。組織ってなんだろうね。

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組織論を考える。

ボスが現場を知らずに取引先に敬意をはらうことで円滑な業務となるのであれば、現場で汗をかく人の声って不要だよね。

上層部は現場の苦労を知らず、下層部は言われたことを行えばオールOK。その循環システムって、下層部が衣食住を足りるという前提の上で成り立っているわけで。

国民という強制加入の人間や、税理士会のような強制加入の団体って、主従関係がないのであるから、何をどう考えればいいのか?

***

国税局長は1年ごとに変わる。今年はアタリ年だ。

私が、もう、会うことがかなわない人、変える者キャリア官僚、フジシロさんへ。色んなことを考えさせてくれてありがとう。

おわり。

※追記 2019.7.24 フジシロさん、2019年7月5日で退官。エーッ!なんでぇ!

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。