31.1.1 都市農業は、土地の時価が高いので固定資産税や相続税負担が大変になるのがふつう。だけど、生産緑地法のルールを守るなら、田舎の農地と同じように税制優遇しているのだけど・・・・。
農地の相続税の納税猶予制度の年間利用者は1800人ほど、贈与税のそれは30人台とどこかで見た気がするわ。少ないから、あんまり真剣に議論されていないんじゃないか?
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・農地にも小規模宅地等の特例があれば?
農地も、小規模宅地等の特例の適用を受けられるようにすればいいのに。
小規模宅地等の特例は、昭和40年代に新設時された。その時、農地は別枠で納税猶予制度を創設された経緯があるの。建物や構築物がないから、農地は小規模宅地等の特例の対象にならないよね。でも、農地だって小規模宅地等の特例の対象土地のように、事業の用に供している遺族の生活基盤と言えるのでは?
都会の農地は、死ぬまで農家を続けないと納税猶予制度が打ち切りになってしまう(終身営農が原則)ので、高齢化に対応できないのではないか?創設当時は、バブルで現在の状況を加味していないで作ったでしょ?
生産緑地の農地は、納税猶予制度と、小規模宅地等の特例と選択適用にすればよいのでは?安心して農業を廃業できるじゃん。相続税は、納税するんだし。(と、平成30年に税理士会に意見要望を提出しました~)
・都市農業の終身営農のカベ
いま、日本は老老相続が進んでいるんだって。遺族である相続人が60代、農地を相続でもらっても、今から農業を学んで頑張る気力体力が続くか不明、という人もいるよね。農業にチャレンジしてみたいけど、農業をやめたときにガサッと相続税がかかるのなら、二の足を踏む・・・。そういう遺族の方は、都会の農地を売却するよね。
だったら、小規模宅地等の特例OKにして、相続税は清算しておいてゆっくり考えるのは有効なのではないか?売却したら所得税がかかるんだから。(相続時に取得したものと考えるべきであると思うが)
・農地の相続税は安上がり
相続税が払えないから手っ取り早く売れる農地を売却し、都会から農地が消えていくのが現状。でもね、農地って条件を満たせば相続税が激安なのですよ。ちゃんとわかって農地を売却すること!
・農地の事業承継
遺族にとって、農業を事業承継してもそれだけでは生活できないのではないか、という危惧感ってあるよね。まあ、それは農業に限らず、他の業種でも同じなのだけど・・・。
農業の場合、体力もいるからね。都市農業って、細切れの農地が多いので、AI農業でダダダアーとCMみたいにはいかないの。うちの近所の梨園も手作業しているよ。
60代の遺族が新規就農して、やっていくのはいいよね。けど、苦労の割に報われないとか、せっかく会社をリタイタしたから自分の時間も欲しいとか色々あるよね~。
第2の人生、農業はマイペースを保てそうだし良いと思いますが、いかがなもんでしょう。
そのためにも、農地も小規模宅地等の特例をOKにして、売却時には短期譲渡所得として重課する、なんていうのはどうかしら。
・農家と税制と権利と食糧
農地の税制のヘンテコなところは、ほぼ世襲なのに税制優遇があるというところ。ヘンテコな一方で、世襲という「家」が、食べ物を生み出す母なる農地についての教育をしてくれているので、後継ぎが農地を大事にしてくれる恩恵は大きい。
わたしは、農地法のさわりを知って、なんて不平等なんだろうと思ったわ。都会の農家の家に生まれたら、サラリーマンの道も農家の道もあるなんて、って。
その後、農家の方から色々教えてもらって、農家の苦悩も聞いた。わたしが思っていたような、簡単なものではなかった。
農家の家の子は、相続税負担という重責で、農業の後継者を余儀なくされるケースもあるんでしょう。
自作農主義から耕作者主義に変わり、農地の所有者ではない他人に農地を貸しても農地の納税猶予制度はOKとなる緩和措置が出来たけど(条件は厳しい)、やりたいことは分かるんだけど、しっくりこない。
国民が飢えないための農地という考え方、農家の子の自由を縛ってよいのかという考え方、都会の農家をどこまで守るべきかという考え方(節税商品の農地では困る)、都市農家の新規就農者の問題点、などなど・・・。
都市農家独自の問題点として、メシが食えるのかという問題があるよね。都会には、お勤めできるところがたくさんあるから、農業が副業で出来てしまうのかもしれない。(テキトーな農作物が買ってもらえるのかはともかく)
わたしの農業に対する矛盾
私は自分の中でいつも矛盾を抱えてしまうのは、3つの観点があるから。
①農地税制は税金の仕組みとして公平なのかという観点
②農家が犠牲になっているのではという心配
③でも農地がなくなると国民が飢えてしまうという消費者のエゴ。
・農地税制から読み解きたいこと
誰かのために奉仕する、それが戦時中の考え方だったんだよね。主権者が天皇だったからという意見もあるだろうけど、実際には家族のためお国のために犠牲になったのが兵隊だったわけでしょう。
農地法は、戦時中からの家督相続などの考え方が色濃く出ている気がする。
全体主義から個人主義へ、組織のためではなく自分のために生きるという社会の風潮の中、わたしは農地税制に違和感を感じる。
一方で、食べ物という観点から、農地法・農地税制が美しいように感じる。
都市農業の制度は、この数年で市民農園などの貸付農地への議論が進み、やりたいことは分かるけどカオス状態になっていて。
わたしは去年平成30年4月頃から研究を続けているんだけど、何かが分かれば疑問が増えて行く。農地に対する考え方が整理されたら、税や人権や組織に対する考え方が整理されるのではないか?
本年も農地税制の研究を続けたいと思いますっ